●美濃町線

・2005年10月1日 作成
訪れた日 2005年3月26日
 

「美濃」ー「徹明町」を結んでいた美濃町線。1999年に「新関」−「美濃」間が廃止されてしまい、路線名と実態が合わなくなってしまっていた。この区間の廃止の代わりに、同区間を並走していた長良川鉄道の「関」駅乗り入れのために「新関」−「関」間(300m)の連絡線が新設された。私が2000年に初めて美濃町線に乗った時、たまたま「新関」行きだったため、このわずか300mの区間が未乗区間となっていた。

初めて乗車した美濃町線の車窓風景には驚かされた。木製の架線柱、まるで昭和20〜30年代のような街並み、砂利道の方が似合いそうな狭い田舎道を走る軌道・・・。昭和中期の地方鉄道のイメージそのままが、21世紀を迎えようという時代に残っていた。感動して満足した。ただ唯一、乗り残した300mを除いて・・・。

2004年に、名鉄がこの区間からの撤退を表明したが、翌年に、まさか本当に廃止されるとは思っていなかった。廃止前の名残乗車とか、本当は嫌だったが、この300mのために、どうしても再度、美濃町線を訪れたかった。折角だから、田舎道の路面区間で途中下車をしてみたかった。そして、感動を覚えた、

2005年3月26日(土)、午前中に仕事を終えて、「新岐阜」から乗り込んで、まずは「上芥見」で下車する。この駅は狭い生活道路上の路面区間である。ホームは巾1m程度の、地平と殆ど段差の無い簡素なものだった。待合室は、道路を挟んだ反対側に小さなエリアがあったが、まるで軒先みたいで、どう見てもバス停だった。自動車の交通量も少なく、田舎の一般道路そのものだった。道端の砂塵を巻きあげて走ってくる電車の方が不自然。

次に降り立った「白金」は、専用軌道上の駅だったが、古い住宅地に溶け込んだような場所だった。電車を待つ人も、バスでちょっとそこまでという感じで自然な感じ。大型の鉄道車両の駅では、ここまで生活に溶け込んだりしない。あまりに雰囲気がよさそうだったから途中下車した。

まさに終点といったターミナルの「新関」。ここは賑わっていた。個人的に、鉄道員へ花束を渡している人もいて、ジーンとする。「新関」発の「関」行きに乗車(ダイヤ上は車両交換)したが、歩いてもたかが知れている距離。この電車に乗り込んだのは名残乗車の客ばかり・・・。

「関」からの戻り、美濃の平野に夕闇が迫ってくる。長良川系の津保川を渡る時、夕日が水面に反射して美しかった。この車窓、もう電車から見る事は出来ない。美濃町線は15分ヘッドで運行・・・地方鉄道としては運転密度は高い。バリアフリー対応の最新型は2000年製造・・・・わずか5年前である。何故・・・釈然としない思いだけが残った。

道端を猛進してくる電車は札幌市電

上芥見
右側の軒先が待合室

上芥見

長閑な田舎駅

白金

通票交換
タブレットのようなもの

白金

これも通票交換
新関駅
津保川を渡る


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