●如意の渡

・2006年3月4日作成
訪れた日 2005年9月17日
 

「氷見線に乗るには中伏木から渡し舟があるよ」。「越の潟」から乗った万葉線・・・氷見線への乗り換え方法を運転士に尋ね、返ってきた言葉である。不勉強もいいところで、万葉線に連絡する二つの渡船(富山県営渡船・如意の渡)の存在は知らなかった。万葉線を「中伏木」で下車。運転士さんや、この駅で降りた地元の乗客が、親切に船乗り場を教えてくれる。おかげで思わぬ方法で万葉線から氷見線へショートカットできた。

万葉線「中伏木」駅は、雰囲気の良い駅だったが、船乗り場が想像できるような所では無かった。荒れ放題の工場裏の空地という寂れた感じの駅(停留所)だったが、手入れされた花壇に花が咲き乱れ、とても感じの良い場所だった。地元の人に案内され辿りついた船着場は、本当に小さな、桟橋だったが、本来「渡し」とはこういうものだろう。神奈川県の「浦賀の渡し」以来の渡船だったが、15分間隔で小矢部川の対岸を結んでいる。

岸壁以外何もないような中伏木側では、渡船の観光利用は想像もできないが、案内板によると、歴史のある立派な渡船だと判った。ほどなく川を小さな船がやってきた。まるでタグボートのように見える。こちらに来る乗客は0名のようだ。こちらからは自転車でやって来た地元の人が1名乗り込んだ。2名の乗客に、操船員と、舫を持った甲板員の2名で対応して頂き、申し訳ない気もする。

川といっても、コンビナートの河口付近。港の中を横断している感じだった。見えるのは煙突ばかりだったが、工事中の橋脚が見えた。この橋が出来たらこの渡船はどうなるのだろうか。あっという間に伏木に到着。こちらには事務室があり、乗船券や、乗船のしおりが置いてあった。弁慶が源義経を殴る像は、有名な勧進帳の場面を再現している。勧進帳の舞台は、この渡船だったとの事である。

一応観光にも力を入れている事が判り、これなら橋が出来ても大丈夫だと思ったが、昨年までは切符すら発行していなかったとの事である。この年は、NHK大河ドラマで、「義経」が放映され、その名場面の渡船とあって、力を入れていた様子。しかし、地元メディアによると、乗船人員は30年前の1/20まで落ち込んでいるとの事。ふたつの渡船と連絡する万葉線ともども、観光スポットとしてもっとアピールしても良いかと思う。


中伏木駅
花壇もあり、荒れているという印象は無かった
船着場(中伏木)
やってきた渡船
自転車も乗る
この橋が出来たら・・・
伏木側


http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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