●富山県営渡船

・2007年11月4日 作成
訪れた日 2007年9月9日
 

ちょっとした船旅に、心が高揚する。小さな船に乗り込み乗客を観察する。地元で働く外国人が目立っていたが、観光客らしき人々はあまり見かけなかった。越ノ潟を出航した船は770mの湾を横断して対岸に到着する。この間僅か5分・・・・船旅を楽しむにはあまりに短い時間であった。

富山県営渡船は富山新港建設によって分断された旧富山地方鉄道射水線と道路を結ぶ連絡線である。射水線の高岡側は加越能鉄道(現、万葉線)に譲渡されて生き残っているが、富山側は廃止されてしまい鉄道連絡船としては中途半端に思える。停泊時に、ノンストップで勢い良く船に乗り込んでくる中高生の自転車が示すように、鉄道連絡線というよりも地元の道路の代わりなのだろう。そして料金は無料、待合室は有っても改札口は無い。

楽しい船旅ではあるが、左舷には工事中の巨大橋が見える。臨港道路富山新港東西線で、あと数年で完成との事。その時に渡し舟は役割を終えると思われる。観光用も兼ねた渡し舟は何度も乗った事があるが、これほど地域輸送という本来の役割に徹した渡し舟に乗ったのは初めてだった。

堀岡桟橋から対岸の越ノ潟桟橋を眺める。30分間隔(最短15分間隔、深夜はバス代行)で往復する船が越ノ潟を往復するのを見ていた。対岸から出航した船はバックで方向を変えて真っ直ぐやってくる。誘導員の指示で着岸し乗客を降ろす。気になったのは、折り返しまで乗務員が下船してしまった事だった。舫綱で固定している訳でも、投錨する訳でもなかった。どうやって船を固定しているのだろうか・・・?

人口の湾とはいえ、海を眺めていると荒んでいた心が少し落ち着いたが、今度は寂しさが襲ってきた。私は折り返し戻る事はせず、ライトレイルの岩瀬浜行きのバスにのった。あくまでも対岸に行く・・・。戻る事はしない。これが本来の渡し舟の使い方だと勝手に満足した。


越ノ潟を出航
あの橋が完成したら・・・
対岸の堀岡に到着
越ノ潟から来る船
誘導係もちゃんといる
意外と利用客は多いようだ
堀岡発着場


http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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