●木次線

・2006年6月11日  作成
訪れた日 2006年2月26日
 

「待っていても列車は来ないよ」、列車代行タクシーに同乗していたJRの車掌さんが沿線でカメラを構えてまっているファンに叫ぶ。木次線は今年の冬から春にかけて雪害のため運休しているのであった。確かに2005年は大雪だった。しかし、年が明けると融け、結局は平年並み、20年以上前の寒かった冬には及ばない。真相としては、冬季は思い切って運休して、除雪コストを削減する意図があったのだろう。

「万一、事故が起こったら助けに行けないからね。そしたら木次線は廃止だよ」とタクシードライバーも言う。かつて、夜行急行列車まで走った亜幹線も、今ではローカル線に落ちぶれ、3連続スイッチバックで有名な山越え区間では3往復の列車しか走らなくなった(全線直通は2往復)。今回のタクシー代行・・・、駅にも全くアナウンスされておらず、ここにやって来て初めて知る人も多いようだ(タクシーの運転手はマニアに怒鳴られたそうだ)。代替バスではなくタクシーで代行できる事自体、この鉄道の存続意義を疑ってしまう。

乗客は2台のワゴンタクシーに分乗した。1台は直通、1台は各駅停車・・・。私たちの乗った各駅停車は、列車の時間に合わせるため、各駅で時間待ちがある。その間に駅の散策が出来た。スイッチバック駅で有名な「出雲坂根」では湧き水「延命水」を味わう事も出来た。車掌さんや、タクシードライバーから木次線にまつわる色々なエピソードも聞けて楽しい時間を過ごせた。運休だから線路に立ち入る事も許されたが、真っ赤に錆びた線路と、誰もいない駅・・・。木次線の未来を暗示しているようで切なくなった。

タクシーは「おろちループ」とよばれる山中の巨大ループ橋を行く。この「奥出雲おろちループ」だが140億円の巨費を投じられて、山中に作られた。周りが人煙稀なる山中だけあって、ムダな公共工事の代名詞になっているが、この道が整備されたお陰で木次線が危うくなっている。木次線を整備するより、道路を有効活用する方が時代には合っている気がする。スキー場に隣接する「三井野原」駅で数人の乗客を広い、ヒバゴンの話で盛り上がっていると終点「備後落合」。

ミニ気動車が行く
車庫のある沿線最大の駅「木次」
この冬の終点「出雲横田」
出雲坂根

スイッチバック駅

奥の立派な橋がおろちループの一部
トロッコ運転時には観光客で賑わう
構内に湧き出る延命水。

車で来る人が圧倒的に多いらしい



http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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