●根室本線普通列車(/3)

・2003年2月18日作成
訪れた日 1984年8月9日
 
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根室本線は根室から滝川までの443.8kmの路線だが、新得から滝川までは石勝線の開通とともに凋落してしまった。しかし、84年には釧路から滝川まで9時間30分もかけて走破するドン行客車列車も存在した。この客車列車に乗りたくて、釧路駅にやってきた。高校生の私に宿泊費があろうはずも無く駅で野宿。当時は若い女の子の旅行者の野宿も珍しくなかった。

夏でも釧路は寒い。霧が多く暗いイメージがある。しかし、この時の北海道は異常気象で30度を越えて、名物の霧も発生していなかった。
「今年の暑さは異常だ。でも2、3日したらすぐに寒くなるよ」とは待合室で会った地元の人の言葉。そんな釧路を7時59分に出発した客車列車は手動ドアが目立つ蒸気機関車時代からの旧型客車5両編成。荷物車が2両含まれていたが、この車両だけが新系列。「ピョーッ!!」という悲しい汽笛とともに走り出した。

白糠線の廃線跡を見て合掌。しばらく走ると海岸沿いに出る。駅は晴れて暑かったが、海側は霧で真っ白。波は鉛色・・・。やはり釧路の海岸は夏でも寒い。窓を開けて外気を吸い込むが、外気を体感できる列車はやはり良い。速度も遅く(表定速度33.2km)、ノンビリしたものだ。上厚内で16分停車。多くの乗客が暇つぶしに散歩を、国道にある売店に向かって走ってゆく行楽客を見て車掌さん曰く、「そんなに慌てなくても・・・」

新吉野で10分停車中に急行「まりも51号」に抜かれる。池田で7分停車、幕別で15分停車、兄弟列車の421列車とすれ違い。こんなノンビリしたペースで走っているといつしか出発から3時間。ガラガラの車内でボックス席を占有して、ノンビリしていると疲れも感じない。列車のペースに巻き込まれた感じもある。

すっかり晴れた空のもと列車はひたすら走る。開けはなれた窓、まわってくるのが待ち遠しい扇風機。釧路の海岸線が嘘のように暑くなってきた。札内で急行「狩勝1号」とすれ違った。あちらもグリーン車以外の5両は全て非冷房車。同じ非冷房ならば、くたびれたディーゼル急行より、こちらの方が快適なような気がする。

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釧路駅を出発
白糠線跡
太平洋は寒々しい
堂々としたディーゼル機関車
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