●赤平
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標高198メートルの山・・・・777段の階段を登るのは結構辛く、登る事を決めた事を少々後悔した。1直線の階段も、麓から頂上は見えず、黙々と目の前の階段をクリアするしかない。季節は夏、汗が噴出してくる。周りは鬱蒼とした森林、普通の山と何も変わらない。しかし、この山、赤平駅のすぐ裏手にある。そして、人工の山である。
北海道では「摺り山」、九州では「ボタ山」と呼ばれるこの人工の山。炭坑の採掘時の出た土砂や、選炭時に出た廃石が堆積して出来たいわば、炭坑のゴミ山。黒々とした石炭の山というイメージがあったが、1973年(昭和43年)に閉山してから34年もたてば緑も茂るのか・・・。この巨大な置き土産を整備して造られたのが「旧赤間炭坑ズリ山階段」。頂上から眼下に広がる赤平の街が見える。駅を中心に開けてた街であるが、規模は本当に小さい。赤平駅付近には巨大な空地があるが、貨物ヤード跡だと一目でわかる。
「ズリ山」の入口は赤平駅の裏である。ここには積み込みの施設の一部が残されていたり、トロッコが保存されていたりするが、見渡すかぎり原っぱになってしまっている。赤平駅は現役の駅であるが、発着する列車は1〜2時間に1本程度である。貨物列車の発着は当然ない。かつて、貨物発送量日本一に輝いた事があるとはにわかに信じがたい。6階建ての駅舎はホテルのようだが、「赤平市交流センターみらい」という施設で、駅待合室が施設に取り込まれている。駅利用者は姿すら見えなかったが、施設利用者も少ないように見えた。赤平市の財政は夕張市同様破綻している事で有名である。
駅近くに住友赤平炭鉱立坑櫓が残されている。地底から石炭を汲み上げてきた施設であるが、ほぼ完全な姿で残されている。ここは他の廃鉱跡とは違い、明らかに保存目的で残されている。1994年(平成6年)まで稼動していたとは驚きである。23年前、赤平駅で見た石炭列車が脳裏に浮かんだ。
かつて巨大ヤードを持った駅だった | |
トロッコが保存されていた | |
貨物列車への積み込み施設の跡 | |
ズリ山から赤平炭坑を見る | |
不釣合いな程立派な赤平駅 | |
櫓は現役時代のまま保存されていた。 | |
イベントがある時はネオンが点くそうだ |