江差線

2009年11月15日作成
訪れた日 2008年10月12日
 

バスを乗り継いで到着した江差駅。地方都市は何処も同じように、バスターミナルは街の中心部にあるが、駅は中心部をはずれ寂しい景色の中に佇んでいた。駅舎自体は立派で、大きな待合室。団体専用の臨時改札口を持っており、かつては奥尻島へのアクセスとしても重要な位置を示していた事が彷彿される。しかし、現在、駅に停車しているのは古いディーゼルカーが1両のみ。しかも、1日僅か6回やってくるにすぎない。

江差線は、函館の五稜郭駅から江差駅までを結ぶ80km弱の路線である。ただし途中駅の木古内駅から五稜郭駅までは津軽海峡線が乗り入れてきて幹線の様相を呈している。木古内駅から江差駅までの末端区間が盲腸線として取り残された格好になっている。

かつて木古内駅から松前線が分岐していたが、実態としては、松前線と江差線の末端区間は同等な支線の立場であった。むしろ利用客が多い松前線が本線で、江差線が支線のようにも見えた。しかし、五稜郭駅〜木古内駅間が江差線に分類されていたので松前線が廃止され、江差線が生き残った経緯がある。私も松前線のページにその理不尽さを嘆いている。

そんな訳で辛くも生き残った江差線の末端区間だが、いつ廃止されてもおかしくない。少なくとも、新幹線開通で江差線がJRから分岐された後に生き残るとは思えない。早く乗ろうと思ってたが結局、もっと魅力的な道北、道東のローカル線に目が向いて北海道最後の未乗車区間になってまった。

江差駅を出た列車は右手に荒れた日本海を眺めながら荒涼とした景色の中を走る。海を離れると峠越え、人の気配すら感じられない。紅葉が美しいが、北海道特有の落葉松が目立たず、東北のローカル線に乗っている感じもする。やがて盆地に出ると刈り取りの終わった水田が目立つが、サイロが点在するのが北海道らしい。右手に電化複線の高規格線路が近づくと木古内駅である。これで私の北海道未乗車区間は無くなったが、できれば江差駅に向かって乗車して、荒涼とした日本海を見て感慨に浸りたかった。

江差駅

右側に団体用臨時改札口がある

比較的大きな駅にポツンと1両の気動車
国鉄型気動車がローカル線にはよく似合う
荒涼とした日本海
山間部では車窓から小川と原生林が眺められる
木古内付近では景色が開ける
大きな木古内駅に1両のディーゼルカーは少々浮いている


http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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