●根室本線

・2001年6月9日作成
・2003年2月19日修正
訪れた日 1986年8月13日
1990年2月18日

根室本線は根室から滝川までの区間だが、根室−釧路間と、新得−滝川間は実質的に別線だ。特に、新得−滝川間は石勝線が開通して、優等列車を失ってからっはローカル線に凋落してしまった。ドラマ「北の国から」を見ていると、1981年の放送開始時には堂々とした長編成の急行「狩勝」が登場するが、2002年の最終作品ではワンマンカーのディーゼルカーになってしまった。

特急「おおぞら」や、急行「まりも」には何度もお世話になった。夜行急行「まりも」では、旅で知り合った人と隣同士に座って、まだ18歳でウブだった私は緊張してあまり眠れなかった思い出もある。その急行「まりも」も特急になり、機関車牽引の客車からディーゼルカーになり様変わりしてしまった。根室本線の思い出は沢山あるが、ここでは1986年に急行「狩勝」で狩勝峠を越えた紀行文と、ダムの底に沈んだ滝里駅について触れてみたい。

86年夏。空知川に沿って雄大な富良野盆地の中を走ってきた急行「狩勝3号」は、落合を過ぎたあたりから山地にぶつかる。オンボロディーゼルカーはエンジン音も高らかに峠越えが始まった。やがて新狩勝トンネル(5790m)に突入。開け放れた窓から、鼓膜が破れそうな轟音と排気ガスが侵入してくる。トンネル内も上り勾配になっているのがよくわかる。突然、霧なのか、排気ガスなのか、車内が真っ白になった。周りの乗客は一斉に窓を閉める。エンジン音が急に静かになり、ジェットコースターのような音をたてながら惰性で走り始めた。下り坂になったのだろう。そして突然、雄大な大平原が広がった。十勝平野である。遥か遠くに新得の街が見える。列車が緩やかにカーブする度に見える位置が変わり、そして大きくなってゆく。暑かった富良野盆地とちがい、十勝平野は涼しかった。

90年2月末。滝川9時27分のディーゼルカーは根室本線を走りはじめた。本線といっても、この時代は滝川−新得間は特急も走らないローカル線になってしまっていた。また、沿線にダムができるので路線の一部が水没、滝里駅はダムの底になってしまう・・・という事で名残乗車のファンが多い。水没地点に「北の国から’初恋」で緒方直人と中島朋子との接吻のシーンに使われたハルニレの木が列車から見えるらしい。列車は空知川を眺めて走る。この眺めもやがてダムの底と思うと寂しい。そこまでしてダムが必要なのか‥‥。木は気をつけていたけれど発見できず。‥‥残念。ただ、この時は、旅先で知り合い、しばらく一緒に旅をしていた人と別れたばかりなので、寂しくて、鉄道どころでは無かった・・・。

根室本線ドン行客車列車は別ページで紹介しています。


富良野駅に入ってくる急行狩勝3号(1986)
狩勝峠を越えたら曇りだった(1986)
アルファコンチネンタルエクスプレスおおぞら(1986)
ダムに沈んだ旧滝里駅(1990)
フラノエクスプレスに抜かれる(1990多分・・・滝里駅にて)


http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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