●湯檜曽駅

・2003年8月24日  作成
訪れた日 2003年8月14日
2013年6月23日

「土合駅」で説明した上越国境越え、その旧ルートにあたる上り線は2本のループ線がある。「湯檜曽駅」はループ線の真下にある駅で、ホームから線路が良く見える。そして下り線は、新清水トンネルの中にある。トンネル駅といえば「土合駅」ばかりが注目されているが、「湯檜曽駅」もトンネル駅だ。

土合駅を訪れた後、時間のつぶし方を考えていたが、運良く上り列車がやって来た。これで「湯檜曽駅」まで戻ろうと思った。何気なく車窓を見ると真下に駅が見えた。その時、ループ線の事を思い出した。あわててカメラを取り出すが、シャッターチャンスを少し逃す。上越線は何度も乗ったが、ループ線を見たのは初めてだった。

まだ小学生の頃、祖父母によく旅行に連れて行って貰った。上越国境のループ線の話も、碓氷峠同様、列車に乗りながら教えてもらったものだ。その時は上越線のエース、特急「とき」の車内だった。

12時32分、上り列車を降りたのは私ひとり。今、走って来た線路が山の斜面に見える。スケールが大きすぎて驚くが、ループ線を感じさせるには充分な景色だ。長い通路を歩き駅舎まで辿り着く。駅舎は大きく、温泉宿の広告も多いが、どれも年期が入っていて、電話番号のところに紙が貼られているものもある。いつの時代のものなのだろうか。この駅を使って温泉に行く人もいるのだろうか。ましてや、この看板を見て宿を決める人などいるのだろうか。

駅待合室は山小屋風だった。吹き抜けの高い天井からシャンデリアのような照明がぶら下がっているが、電灯の数は半分に減らされている。大きな待合室もあったが、施錠されてしまって使う事はできない。ディスカバージャパンと書かれた設備も残っている。ディスカバージャパンは1970年10月14日から始まった国鉄のキャンペーンコピーである。まるで時代が止まってしまったかのような駅だった。列車を待つ1時間の間、列車を待っていたのは私ひとりだけだった。

駅周辺は、温泉宿の看板が目立つ。湯檜曽温泉からは少し離れているが、今時、列車で温泉に来る人もあるまい。乗り合いバスが駅前にやってきたが、あちらは多少の乗客の姿があった。

下り線はトンネル内部にある。列車を待っている間に人は現れなかったが、巨大な施設である。清水トンネルの保線基地としても使うのだろうか、奥に立派な事務所がある。ただし、人の気配はしない。こんな所にいたら気が滅入ってしまった。廃墟の中にいるかのような気分になった。ホームでは猿が歩いたが、生き物の気配に少し安心した。こんな湯檜曽駅だが、新幹線開通前、急行「佐渡」の一部が停車していて、賑やかな時代もあったようだ。土合駅といい、役割を終えた鉄道の遺構を見る気がする。

2013年、清水トンネル開通前の湯檜曽駅跡を訪れてみた。旧駅は1967年まで使われていたが、そのは旅客営業は中止し、信号場になっていたが、その役割も終えたと聞いている。しかし、川沿いの集落から廃道のような山道を登ってゆくと駅前広場のような場所に出た。しかし、線路は遥か上を走っている。駅まで、階段を延々と登る駅だったのだ。線路の付け替えで、登山駅になてしまった駅は他にもあるが、開通当時からこれでは、利用客はさぞ大変だったであろう。

保線基地として利用される事があるのだろうか。旧駅舎があったと思われる場所からホームにかけて階段が続いているが、途中からスノーシェッドに覆われている。そのスノーシェッドの入り口は鉄製の扉で覆われていたが、窓が開いていて、中を垣間見る事が出来た。真っ暗な中に、ストロボ撮影してみると、勾配を真っ直ぐに登る急な階段が写っていた。


立派な駅舎は現在は簡素なものに作り変えられた。
駅待合室は山小屋風だった。吹き抜けの高い天井からシャンデリアのような照明がぶら下がっているが、電灯の数は半分に減らされている。大きな待合室もあったが、施錠されてしまって使う事はできない。ディスカバージャパンと書かれた設備も残っている。ディスカバージャパンは1970年10月14日から始まった国鉄のキャンペーンコピーである。まるで時代が止まってしまったかのような駅だった。列車を待つ1時間の間、列車を待っていたのは私ひとりだけだった。
湯檜曽駅の上りホームはトンネル内にあり、土合ほどではないが、駅舎から少し離れている。新清水トンネルの入り口近くなので、外の明かりが見えるのが救いだが、暗くて不気味で、ここで列車を待つ気分になれない。
駅前広場から駅跡を見上げる。階段は途中からスノーシェッドに覆われている。開通当時のものかどうはわからないが、この階段がホームに繋がっているのは間違いないようだ。
上越線開通当時の線路は上り線として使われている。ループ線として有名で、列車の中から現在の湯檜曽駅を眼下に眺める事が出来る。
これが湯檜曽の温泉街。お世辞にも賑わっているとはいえないが、この集落の外れに旧湯檜曽駅に向かう登山道?がある。


http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)

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