●常総線

・2005年10月30日作成
訪れた日 2005年8月21日
 

線路は水田を一直線に貫いている。山はおろか、丘陵ひとつないような単調な路線。山岳トンネルこそ無いが、時々現れる雑木林の名残を、緑のトンネルで潜り抜ける。関東平野独特の風景だ。

訪れたのは残暑厳しい2005年の8月下旬。「下館」から起点の「取手」を目指す。昨年も訪れているが、ちょっとした勘違いで、デジカメのメモリをクリアしてしまったので2004年の画像は無い。あの時は、国鉄のお古のディーゼルカーに乗ったが、今年は新型の軽快ディーゼルカーになっていた。その軽快ディーゼルカーに似つかわしくないような、木造の、古い、渋い駅が幾つも現れる。

水田の中を走っている時は、まるで北海道でも走っているような、そして集落に入るとトトロ(となりのトトロ)が現れそうな雰囲気の、典型的ローカル線。途中駅の「下妻」は、アイドル主演の映画「下妻物語」では、東京から2時間半もかかる田舎という設定である。この、何の変哲もない田舎町が映画になるのは、これが最初で最後かと思う。

長閑なローカル線の風景は「水海道」から序々に都市近郊鉄道の雰囲気になってゆく。この駅から複線になるため、車両もここで交換。2両編成のディーゼルカーに変わる。複線の非電化鉄道は非常に珍しい。非電化なのは、付近にある地磁気観測所への影響を防ぐ為との事。

この鉄道の最大の途中駅「守谷」は2面4線の立派な近代駅だった。この「守谷」と常磐線の「取手」を結ぶ区間がこの鉄道のドル箱区間。しかし、今秋開通する「つくばエクスプレス」がこの鉄道に与える影響は大きいだろう。4両編成も走っていた同線だが、「つくばエクスプレス」開業に伴うダイヤ改正以降、※全列車2両編成のワンマンカーになるとの事である。よもや廃止という事にはなるまいが、大打撃を受ける事は免れまい。

沿線が宅地で埋め尽くされたと思う頃、終点「取手」のターミナルに到着。ここから首都圏まで40分強である。

※つくばエクスプレス開通以降も、一部4両編成の列車が復活したとの事。

ローカル私鉄の雰囲気
緑のトンネル
味のある古い駅も多い
首都圏とは思えぬ景色
田園を真っ直ぐ
常総線の車両


http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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