●竜ヶ崎線

・2012年5月26日 作成
訪れた日 2011年11月5日
 

自転車置き場の裏を歩き、まるで雑居ビルかマンションの入り口のような所を入ると駅があった。そこには単行の気動車がカランカランとエンジンをまわして乗客を待っていた。常磐線から乗り継ぐ人は決して多くない。まるで乗客減に喘ぐローカル私鉄の雰囲気であるが、ここは常磐線で「上野」から50分弱の東京近郊である佐貫駅である。これから乗るのは関東鉄道竜ヶ崎線である。

さて列車が走り出してみると、懐かしい軽いエンジン音が聞こえてくる。半世紀前の古い国鉄のディーゼルカーのエンジンを流用したこの車両は、日本初のワンマンカーである。週末だけの特別運転であるがオフィシャルWebサイトに運転時刻が記載されている。

唯一の途中駅、入地駅に到着する。ホームしかないような無人駅であった。車窓は水田が広がる。田植えの季節であればさぞ青々としているであろうが、今は晩秋である。先方に車庫が見えてくると終点「竜ヶ崎」である。乗車時間は僅かに7分。あっという間のミニトリップであった。

竜ヶ崎駅は、ローカル私鉄の終点に相応しいような雰囲気のある駅であった。駅前は広く、タクシーもバスも待機しておりちょっとしたターミナルになっていた。観光でもしてみようかと思ったが、とりたてて見たい所もなく、折り返し列車に乗り込む。

車内はジャージ姿の女子中学生が乗り込んでいる所がローカル線ぽい。仲良く話していた二人組みが喧嘩を始めて、お互いソッポ向く。終点ではひとりが先に行ってしまい、残された娘が寂しそうに下車した。しかし先に行った娘が駅の外で待っていて仲直りしていた。その様子が何となく面白かった。私は高校まで通学は徒歩圏内だった。それゆえ、ちょっと羨ましい電車通学の光景に見えた。

佐貫駅はどうみても駅に見えない。もう少し目立つように出来ないものだろうか。
このが週末運転の古典気動車。走行音以外はいたって普通にみえる。
唯一の途中駅。この駅も含めて全ての駅のホームが竜ヶ崎駅に向かって右手にある。
車窓はいたって平凡。運転台は竜ヶ崎側は右手、佐貫側は左手にあるという珍しい構造。竜ヶ崎線専用車両である。
終点竜ヶ崎駅。市名は龍ヶ崎である。
駅はちょっとしたターミナルで、佐貫とは風格が異なる。構内に車庫もあり、通常運転している新型車がこの日は休んでいた。
佐貫駅でみかけた竜ヶ崎線の歴史。開業111年との事で、車両には記念ヘッドマークもつけられていた。写真をみると昔は2両編成だったのだろうか。


http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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