小田急ロマンスカーRSE

2012年10月14日作成
訪れた日 2012年1月14日

箱根に向かうロマンスカーは華やかな雰囲気に包まれていた。2階のスーパーシートに体を沈めていると、車内販売のシートサービスが注文をとりにくる。有名だった走る喫茶室とは異なり、デリバリしてくれるワゴンサービスに過ぎないが、それでも少し贅沢した気分になる。シートに設置されていたイヤホンと操作盤は既に使用中止になっており、各席に設置されていた液晶テレビも撤去されていたのが痛々しい。

小田急ロマンスカーといえば、連接構造の前面展望室が特徴で、この形式から連接構造を辞めて一般的なボギー構造になり、前面展望台も無くなった。ダブルデッカー車を組み込んだとはいえロマンスカーのイメージが半減した感じで好きになれなかった。それでも鉄道ファンには人気があり、鉄道友の会からブルーリボン賞を受賞して、ロマンスカーは4代連続して受賞するという快挙を成し遂げた(その後も2形式が受賞)。この車両はJR東海御殿場線に相互乗り入れを行う為に生まれ、JR側からは同一仕様の371系が用意され、沼津まで直通運転が行われていた。

御殿場線直通用として生まれたRSE(Resort Super Express)であるが、間合い運用で箱根方面にも運用されていた。デビュー後まもなく乗車した事があったが、スーパーシートでイヤホンで音楽を聴きながら富士山のビデオを見た記憶がある。展望台は無くても、コンパートメントやスーパーシートはリゾート特急に相応しいと思ったものだ。まだ時代はバブル期であった。しかし、デビューから20年過ぎ、不振だった御殿場線直通の「あさぎり」号の運転区間短縮と、JR側からの乗り入れ廃止が決まった。同時にHiSE車・RSE車の運用離脱も発表になった。両形式とも、ハイデッカー構造になっておりバリアフリーに対応できなくなったのが理由だろう。

スーパーシートは通路を挟んで、1名席と2名席の横3席構造である。個人利用が多いビジネス特急には向いているかもしれないが、リゾート特急としてはどうだろうか。現に、この日、新宿から乗車したカップルが1名席から勝手に2名席に移動していた。この日は満席であると放送でも説明があったはず。途中駅から2名席の乗客が乗車してくる事がわかっているのに・・・。勝手な振る舞いに憤りを感じ、日本でもこんな自分勝手な人が増えたのかと悲しくなった。


小田急の時刻表にはロマンスカーのラインナップが、今はRSEとHiSEが引退
引退が決まっているRSEとJR東海の371系が並んだ。
走る喫茶室が売りだったロマンスカーだったが、この形式から単なる車内販売になってしまった。
2階がスーパーシート、1階のコンパートメント。
同一仕様で作成されたRSEとJR371系だが、JRの方がスタイリッシュな気がする。
ロマンスカーアニバーサリーグッズ(2007年に入手)。スーパーシートで配られたRSEのおしぼり。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)

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