葛生

2013年8月31日作成
訪れた日 2012年7月22日
 

1時間に1本から2本の2両編成のローカル線は田園地帯を行く。それだけであれば、だたのローカル線であるが、終点が近づくとホッパーがあったり、ここの線路があった理由が垣間見えてきた。複線用の路盤も確保されているのが確認できたし、終点は広大な敷地を持つ巨大な駅であった。しかし、その殆どは跡地で夏草が茂っていた。ホームは僅かに1面、寂れたローカル駅であった。北海道の夕張に似ているともいえるか・・・。

東武佐野線の終点の葛生駅。事前知識はそれほど持ち合わせてはいなかったが、盲腸線のローカル線には、かつて存在理由があり、現在もその面影を残している事を想定してはいた。それにしても、この巨大な構内跡には「兵度もが夢の跡」を強烈に感じさせた。かつては、いくつもの貨物線が集まった巨大ヤードだったとの事であった。そして、このヤードに貨物列車が走っていたのは16年前。遠い昔という程過去ではない。

とりあえず行けところまで廃線跡をトレースしてみる。すぐに目につくのは巨大なセメント工場である。廃線跡のひとつがその構内に向かっている。そしてその先で日鉄鉱業羽鶴専用鉄道と東武会沢線が分岐する。線路跡が判りやすい日鉄鉱業羽鶴専用鉄道側をトレースする事にした。廃線跡は架線も信号機などの設備も残っており、すぐにでも復活できそうな様子だった。しかし、進むほどに廃線跡は住宅地に溶け込んでゆく。

暑いし、疲れたので適当な所で折り返したが、廃線跡はこの先の日鉄鉱業まで続いている筈だ。葛生駅は時間帯によっては無人駅になるような小さな駅であるが、かつては東武最大のターミナルだったとか。その巨大なヤード跡がそのままの状態で残っているところが、この地域の厳しさを物語っているような気もする。当然、複線化が予定されていた頃は貨物輸送で賑わっていた頃の話である。現在は現状の単線で充分な輸送量である。


東武のローカル線といえば、この8000系。かつては本線を長大編成で走っていたが、今は短編成、ワンマン化されて都落ちしている。優等列車を改造したクロスシート車が在籍したこともあったらしいが、その時代に来ればもう少し旅情を楽しめたかもしれない。
葛生駅。東武鉄道の駅にはこような古い造りの駅が多い。そこが東武鉄道の魅力でもある。
葛生駅は広大なヤード跡が目立つ。ここに貨物列車がひしめいていた時代に訪れたかった・・・。それにしても、16年たっても跡地のまま残ってしまうとは・・・。と書こうと思ってWebを調べていたら、ここは空き地を利用してメガソーラ発電所になったとか。今、ここを訪れたら太陽光パネルが並ぶ光景が見れる筈である。
セメント工場前の広大なヤード跡。
架線も残っており、今にでも列車が現れそうであるが・・・。
廃線跡はやがて住宅地横の空き地と変わらない姿になってくる。この姿だけを見たら、ここが廃線跡だとは思わないかもしれない。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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