栃木市

2013年8月25日作成
訪れた日 2012年4月30日
 

鯉のぼりが泳ぐ観光船が行き交う川沿いを歩く。この水郷の風景は中国の蘇州で経験した景色に似ている。なんだかんだ、アジアの景色はどこか類似している。いい感じだと旅情を味わいながら歩いてゆくと巨大な建物が現れた。古い街並みにはそぐわないが、流石に栃木の中心都市だと思って近づいたら1年以上前に閉店した「福田屋百貨店」の跡であった。

栃木市は観光協会のHPによると「江戸時代、日光例幣使街道の宿場町として、また巴波川(うずまがわ)の舟運により商人町として賑わい、見世蔵や土蔵が軒を連ね政治、経済、文化の中心として栄えた商都」との事である。しかし、数年前に仕事でここを訪れる前は栃木県に栃木市という街がある事自体知らなかった。県庁が栃木から宇都宮に「強引に(史跡やHPに表現されている)」移されたのは1884年(明治17年)の事である。

古い街並みはそれなりにインパクトがあり、観光客も訪れるようだ。東京近郊にこんな良いスポットがあると嬉しくなったが、前述の巨大デパートの廃墟で意気消沈。川沿いの家には廃屋になって荒れ果てて、烏の住みかになっている所もあり気分が重くなってしまった。ここも経済の停滞に悩んでいる地方都市なのだと感じた。それにしても観光客が行き交う場所に廃屋はないだろう・・・。


栃木市の中心の栃木駅。JR両毛線と東武日光線、宇都宮線が集まってきている。駅から観光の中心である巴波川沿いの「蔵の街」まで徒歩で行ける。土産物屋などもありそれなりに賑わっている。
鯉のぼりが巴波川上空を泳ぐなかを観光船が行く。栃木市は蔵の街で、奥に見えるのは豪商の蔵の跡地を利用した「塚田歴史伝説館」。この光景が栃木市を代表する景色となっている。
こちらも土蔵を利用した「とちぎ蔵の街美術館」。江戸時代は巴波川を船が行き交い、商業の中心の栃木市に蔵が出来たのだろう。
栃木町役場(栃木市役所別館)。これも大正時代を代表する洋館である。付近に県庁もあったが、強引に宇都宮に移転されたとか、HP上でも恨みがましい言い方で、栃木の中心は本当は栃木市なのだとアピールされている。
550年以上の歴史を持つ旧家の屋敷が「岡田記念館」として公開されている。そしてこの「翁島」は大正建築の代表として県の文化財に指定されている。一枚の檜で造られた廊下は一見の価値がある。この日は客も疎らだったが、昨日は大混雑だったとか。
旧日光例幣使街道の「嘉右衛門町伝統的建造物群保存地区」。右手に「栃木県で一番古い理髪店」が見える。
岡田記念館の中庭から「栃木県で一番古い理髪店」内部を見学できた。平成初期まで営業していたとか。栃木県で一番古い自動販売機もあった。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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