●渡良瀬遊水地

・2006年12月29日作成
訪れた日 2006年10月14日
 

15両編成の通勤電車が行き交う宇都宮線の古河駅。賑やかな宅地のすぐ裏手に広大な湿原が広がる。これが渡良瀬遊水地で、釧路湿原に次ぐ広さを誇る葦原を有する事で知られている。33Kuという広さ中にいると、首都圏にいるとは信じられない。谷中ブロックから湿原に入った。釣り糸を垂らす人たち以外に人はいない。広い場所にいる開放感と、湿原独特の荒涼とした寂しさを感じる事が出来る。

北入口に廻ると木製の展望台がある。ここからは一面の葦原を眺める事が出来る。葦原の先には、筑波山や栃木の山々も見える。関東平野は広いなぁ・・・とつくづく感じる。一方、谷中湖はコンクリートの沿岸の人造湖で興ざめである。この谷中湖は都会の水瓶との事である。鉱毒の沈殿地の横にあって大丈夫だろうかと思ってしまう。

全体的に寂しい渡良瀬遊水地だが、子供広場ゾーンをはじめてとして、各種レクレーション施設はそれなりに賑わっていた。やはり首都圏である。長期出張で古河に来ていたため、何気なく訪れたのだが、なかなか面白い場所だった。しかし、あとで歴史を調べてみるとこの地に起きた悲劇は惨いものであった。

渡良瀬遊水地は、足尾銅山から出た鉱毒を流し込むために出来た場所である。元々、ここには谷中村があって、鉱毒反対運動が最も盛んだったと聞く。その谷中村に鉱毒を流し込み、谷中村は廃村になってしまった。旧谷中村の遺跡はいくつか保存されているが、鉱毒反対運動に携わっていた人や、谷中村の村民はさぞ無念な事だろう・・・。

水路
どこまでも続く葦原
このような自然の沼が好ましい
廃止された橋が独特の風情をかもしだしている
中央エントランスから

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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