御座船・安宅丸

・2014年6月21日  作成
  
訪れた日 2013年1月27日
          

1組のカップルと、1組の家族がお台場で降りてしまったら乗客は私と、もう1名のアマチュアカメラマンだけになってしまった。売店の売り子さんに申し訳なくて、それほど飲みたくなかったコーヒーを注文して優雅な船旅を続けた。天気は快晴、富士山も綺麗に見える。船を貸しきったようで最高の贅沢だ。家族連れの中に放り込まれると寂しくなるが、誰もいないのも寂しい・・・。

東京湾クルーズ安宅丸に乗船した目的は、東京港コンテナ埠頭の写真撮影の為だった。仕事で国際物流向けのホームページのトップを飾る写真を、自ら撮影する事だった。前回、陸上から撮影していた時に、お台場に現れたナゾの帆船(勿論フェイクだが)、それが安宅丸であった。海からコンテナ埠頭を撮りたかったし、渡りに船とばかりに今回の乗船となった。

安宅丸とは徳川幕府の軍艦である。ただし、あまりに豪華絢爛に作った為、軍艦としての役割を全く為していなかったとの事である。建造を命じたのは徳川家光。徳川幕府の権威が最もあった時代の象徴ともいえよう。この、東京湾を行く安宅丸も、それにちなみ、レトロな装飾と、豪華な船室が売りである。ただし、今日は客がいない。これで天気が悪かったりすると乗客ゼロという事もありえるのではないだろうか。

日の出埠頭を出た船は、レインボーブリッジを通過してお台場に到着した。そこで数少ない乗客を降ろして青海埠頭を巻き込むように進み、ゲートブリッジを通って湾の中央に出た。そこで折り返して国際展示場に到着した。約1時間40分の船旅であった。2014年現在、昼間はゲートブリッジまで来るコースは運行されていないようだ。

この不景気な世の中で、新造でこのような船が作れる訳がないと思っていたが、やはり、元々は御座船「備州」として瀬戸内海を走っていた船を転用したものであった。建造されたのは1988年(昭和63年)である。時代が良かったのかなぁ・・・と思わせる船であるが、東京湾で活躍の場を見出せたのは良かったと思う。末永く活躍して欲しいが、今日の利用客を見ると不安が・・・。

今回の乗船はコンテナ埠頭を海から見る事であったが、この日、埠頭に接岸しているコンテナ船はいなかった。かつて、世界有数の取扱量を誇った東京港も、昔の栄光は感じられなかった。上海や香港の港の盛況ぶりを見た事があるので余計に寂しかった。この国はどうなってしまうのだろうか。

江戸情緒を感じさせる船であった。
居酒屋にしたら良いような気が・・・。
船の科学館を通る。最近まで青函連絡船、羊蹄丸が展示されていたが・・・
コンテナ埠頭へ、船がいない・・・・。ガントリークレーンが暇を持て余していた。
ゲートブリッジを潜って折り返す。
最後は国際展示場に戻ってきた。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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