●高輪橋架道橋

・2008年5月5日  作成
 
訪れた日 2008年2月2日
 

使っている人には日常、使っていない人には非日常・・・。いつも使っている人にしてみれば当たり前の景色も、周りから見れば特異に映る。ローカル線を訪れる度に、いつも使っている人から奇異な目で見られている事には慣れているが、逆の立場はあまりない。私の場合、この高輪架道橋と都電荒川線だけは逆の立場で見ることが出来る貴重な場所であり路線である。

国道15号線、泉岳寺の高輪大木戸跡付近から下り車線を左折する。まるで生活道路のような所を行くと線路群にぶつかる。道路はクランクを使って線路下にもぐりこむ。制限1.5mの標識が示すように極めて背の低い橋である。頭上は山手線や京浜東北線、東海道線などが行き交う区間で、常に轟音が響いてくる。小さなガーター橋になっていて、線路の間から上空が見える。手を伸ばせば線路に届くような感覚を覚える。

さらに進むと、今度はコンクリートで固められたトンネルとなる。ここで天井が一段下がり、身長170cmの私でも背を屈めないと天井に頭がぶつかる。以前、絶対に人に頭を下げるような事がない人と一緒にここを歩いている時、彼が頭を下げて歩いているのを見て不思議な気がした事がある。歩いていると苦しくなってくるが、ここの醍醐味は自動車で通過する時である。絶対に大丈夫と分っていても、フロントガラスすれすれに迫ってくる天井に恐れて速度を出す事が出来ない。その点、タクシーはかなりの速度でここを通過する。天井の行灯は本当にギリギリのところで接触していない。

京浜東北、山手、東海道、そして品川車両基地と線路群が道路を遮っている。このあたりの線路は高架ではなく、橋やトンネルで横断する大きな道も無い。その中で高輪架道橋は貴重な抜け道で、タクシーがよく利用しているが、車高制限の為、行灯の形によってはここを通過できない。仕事や、飲み会で線路の反対側に出る時、歩いてここを通過する事も多いが、屈まねばならず、疲れるし、正直快適ではない。いつも使っている人には珍しくもなかった。

しかし、付近に新駅が出来て、品川車両基地が縮小される事が決まっている。付近の雑居ビルが撤去されだした時、この辺りも大変化する気配を感じた。いまのうちに記録を残しておこうと思った次第である。

大木戸跡が入口(標識も無い)
道路は一方通行
一段低くなるトンネル部分
通れるのはセダンまで
人の通行は少ないが皆無ではない
トンネル終点
トンネルの先は運河と新幹線の回送線

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)

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