●生駒鋼索線(宝山寺線・山上線)

・2016年8月21日作成
訪れた日 2015年5月1日
 

踏切の足元を高速でケーブルが甲高い音を立てながら流れている。万一触れたら大怪我をする可能性もある。踏切は車が通る事もあるが、道路が傾いている。なにしろここはケーブルカーの沿線。ケーブルカーは線路の間に敷設されたケーブルが必須となる為、踏切はかなり特殊な構造となっている。ケーブルカーが近づいてくるが、いつまでたっても踏切が鳴らない。すぐ手前まできた頃にやっと警報が鳴り出す。速度が遅い為に、それで充分間にあうのである。

近鉄生駒鋼索線。一見普通のケーブルカーであるが、2本のケーブルカーが平行しており、複線のように見える。住宅地の中を走るので踏切もあるが、足元をケーブルが走っている。ケーブルは2本分通すために、踏切に大きな溝があり、少し危険である。自動車は通行できない。行き違い部は、ケーブルが1本で済むので、溝が少し狭くなる。そのため、ここの踏切は自動車が通る事も出来る。

麓を走る宝山寺線は、生活路線であり、朝夕のラッシュ時間帯には運転間隔が狭くなる。通常は車両が新しい2号線のみ利用され、1号線は繁忙期や、2号線の点検日に運行される。一方、山頂を目指す山上線は生駒山上遊園地への行楽客用である。運転間隔は毎時40分毎で、ローカル線のようである。

宝山寺線を撮影する為に、中腹の踏切まで徒歩で往復した後、実際に乗車してみる。駅舎などは昭和を感じる作りであり、自動改札機も無い。できれば、古い2号線の車両に乗ってみたかった・・・。山上線は勾配もきつくなるので、まずは乗車して終点まで目指す。乗客は疎らで、この路線の行く末が少し気になる。終点の生駒山上駅から、登山道を歩きながら戻る。途中駅が2箇所あり、それぞれ踏切があるが、高山線とは異なり、登山道の中の踏切であり、通行人は少ないようだ。


生駒鋼索線は、生駒鋼索鉄道により1918(大正7)年に開業した日本初の営業用ケーブルカー。開業時の車両は、手を加えながら2000(平成12)年まで使用された。

2号線の車両は1953(昭和28)年製、この日はお休みだった。

撮影していると、遊園地から戻ってきた女子中学生が車内から手を振ってきたので、応えたら大騒ぎになった。速度が遅いので、乗客と距離が違いのもケーブルカーの特徴である。

2号線が運転されていれば、4本並ぶ光景を見る事が出来る筈だが、実際には交互運転なのだろうから、並ぶ光景は無理かもしれない。

山上線は、トンネル有り、途中駅有りと、こちらも面白い路線である。運転本数は半減されるが、ケーブルカーらしい光景を見る事が出来る。
写真右下の霞ヶ丘1号踏切は、宝山寺線・山上線を通して、行き違い部の上にある唯一の踏切。

足元を2本のケーブルが別方向に流れる事があり、とても危険で怖い踏切である(他の踏切は、行き違い部より下なので、ケーブルは1本しか流れない)。
面白いのだが、こんな踏切があって良いのかと疑問にも思う。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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