●紀州鉄道

・2009年8月16日作成
訪れた日 2008年5月7日
 

JR御坊駅に停車中の古いディーゼルカーを見て気分が一気に高揚した。1960年(昭和35年)製の元大分交通のディーゼルカーで、一昔前の紀州鉄道の主力車両だった。老朽化が進んだ今、週末のみ営業運転に入る事がある。今日が運転日という確認はしていなかったので余計に嬉しかった。車体は一般の鉄道車両に比べて小さいが、歴史を感じる重厚な雰囲気に、流行のの軽快ディーゼルカーとは明らかな違いを感じる。鉄道ファンらしき人はポツポツいたが、日常的な雰囲気も好ましかった。

紀州鉄道という名前はリゾートホテルでよく聞くし、よく利用している。紀州鉄道が何処を走っているのか知っている人は、ホテルの従業員でも少ないのではないだろうか。紀州鉄道のメインはあくまでもリゾート事業で、事業展開の為に、「鉄道会社」というネームバリュー欲しさに「御坊臨港鉄道」を買収して「紀州鉄道」となった。営業距離は2.7kmというミニ鉄道。他の赤字ローカル線が次々廃止されてゆくなか、会社の看板という意味で生き残っている。

列車は民家の間をユラユラ走る。路地裏という雰囲気は、自然の中を走るローカル線とはまた違った魅力がある。老朽化した車体は、よく動くなぁ・・・というレベルで、ドアも半分壊れていて列車が走り出してからゆっくり閉まるような状態だ。平均速度は20q・・・。自転車の方が早い。2.7qを8分かけて走って終点「西御坊」へ。列車がいなかったら廃線跡のような駅であった。かつては、ここから先にも線路があった。

このようなローカル私鉄が残っている事が奇跡のようだが、前述の通り、特殊な事情がある。今後も走り続けて欲しいと願っている。ちなみに、鉄道事業を辞めても名称が存続している「善光寺白馬電鉄」のようなケースもある。


JRのホームを借りている御坊駅
白熱灯が懐かしい
機械という感じの運転台
路地裏を行く
線路が生活道路みたいに見える
西御坊駅の出口(本当に路地裏)
まるで昭和の光景

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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