●JR九州ビートル(対馬航路)

・2021年5月9日作成
訪れた日 2019年5月2日
 

韓国に初めて行くのであれば飛行機は使いたくないと思っていた。船であれば下関からの関釜航路が有名であるが、夜行便であるし、ここはもっともマイナーな対馬経由を選択したかった。そこで船が出る比田勝までやってきたが、韓国人観光客ばかりの小さな漁村に足を踏み入れた、その時点ですでに韓国にいるようだった。

港も町も小さい、朝は国際ターミナルに船の姿はなく、 10時すぎ、韓国から続々と船がやってきた。その中にJR九州の船も含まれていた。比田勝の国際ターミナルに同時に3隻の船が着岸したが、韓国の船がどれも大きな高速船で、JRのジェットフォイルがひときわ小さく見える。

出航の1時間半前に受付をする。比田勝と釜山航路は電話予約だけで、Web予約が出来ないとい。ダイレクトフェリーというサイトで申し込んだが、全く音沙汰無く、やむを得ず、電話で予約していた。 ところが、つい先ほど、ダイレクトフェリーから満席の案内が来た。安心していたら、窓口でダブルブッキングされていると言われてしまった。ただし、今日はガラガラなので問題なかった。好きな席を指定する事もできた。 出航10分前に出国ゲートが開いた。これほど質素なイミグレは初めて見た。自動化ゲートは当然無く、荷物の検査もナシ! パスポートを見せるだけで一瞬で出国してしまった(スタンプは有り)。

12時30分、ガラガラの状態(2階席に乗客は皆無・・・)のまま出航。漁港らしい雰囲気の湾を出ると猛然と加速。ジェットフォイルに乗るのは1977年の佐渡行き、2004年の香港ーマカオ間以来、久しぶりだった。最近、クジラとの衝突事故があり、死亡者も出ているので、航行中はシートベルト着用である。特に危険な区間では、乗務員も座ってサービスも受けられない。まるで飛行機のようだ。

1時間10分で釜山港へ・・・。迫力あるガントリークレーンの群れ、行き交う大型コンテナ船。日本の港を圧倒する規模だった。漁港から1時間でこんな大都会にやってくる。想像以上にギャップが凄かった。 釜山国際フェリーターミナルはまるで空港のように大きく、綺麗だった。清潔で綺麗なのだが、どことなくエスニックな雰囲気、香りが漂ってきて上海などに来たような雰囲気があった。

上記の記述は旅行当時のものである。その後の日韓関係の悪化、コロナ禍の影響で状況は一変した。2021年5月現在、韓国からの船は、運休中である。JR九州のビートルも運休中。韓国からの航路が復活しても、JR九州が再びここに就航する事はあるのだろうか。


韓国の船会社のサイトにアクセスすると英語や日本語版がなく、ハングルがわからない日本人が直接予約するのは困難・・・。

日本のBeetleもなぜかWebでの予約はできず、不思議であった。それにしても乗客がいない。連休中とは思えない静かさであった。
乗船手続きをしていると海外に行くのだと、気合が入ってくる。JRの受付はもちろん韓国語OK。ここでは日本がアウェイである。出国手続き後、港で船を撮影。

出航すると国内船ターミナルの横を通るが、唯一の国内航路は片道夜行の、この「フェリーげんかい」1往復のみ。

ジェットフォイルは安全の為、外洋を航行中は歩く事ができない。写真は出航直後のもの。

これから渡ってゆくのは対馬海峡。韓国では大韓 (テハン) 海峡と呼ばれ、ここでも日本海同様に呼称に違いが発生している。
わずか1時間あまりで大都会釜山に到着。漁村とのあまりのギャップに驚くし、あまりに不便な比田勝を思うと、韓国との結びつきを強くした方が経済的には良いのではないかと思った。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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