●姫島

・2006年10月22日作成
訪れた日 2006年5月10〜11日
 

八幡浜から大分(臼杵)に向かうフェリーに乗るつもりが、本当に単純な勘違いで別府行きに乗ってしまった。そして別府港で呆然としていると国東行きのバスがやってきた。国東半島の先端にポツンと浮かぶ姫島行きに気持ちを切り替えた。国東から港のある伊美港までのバス(1日4往復)が接続するかどうか運転士に聞いたが、判らないとの事。後になんとか乗り継げる事が判ったが、「特に接続はとっていないし、GWだから渋滞しているし、乗り継げないかもしれない」と脅された。公共交通機関で旅をしようとすると国東半島は不便きわまりない所、ましてや離島の姫島は遠い世界だった。

国東半島を半日もかけて老朽バスで半周して伊美港へやってきた。既に午後であったが、港でパンフレットを見て姫島の旅館に電話すると泊れるとの事であった。バスの都合もあり、もし、泊れないなら姫島行きは諦めざるを得ない状況だった。偶然来てしまった姫島だが、「詩情と伝説に包まれた島」というフレーズがある離島である。国東半島には16年前に来た事があるが、時間の都合で姫島は対岸から眺めて、いつか来たいが、あまりに遠い故、無理だなと思っていた。

国東半島は、失礼を承知で言えば、寂れて、時代に完全に取り残された場所であった。しかし、村営のフェリーで到着した姫島港は寂れているという印象は無かった。夜は居酒屋になる食堂で昼食を摂り、自転車を借りて七不思議巡りに出発する。東西7km、南北4km、総面積7kuという小さな島だが、公共交通機関は無い為、自転車かフェリーで車を持ってくるしかない。最終目的の灯台も、港から離れている。

7不思議の説明は姫島村のホームページに任せるとして、最大の目的地は姫島灯台である。1904年(明治37年)に初点灯した歴史ある灯台は断崖の上に建っているのだが、陸からでは迫力を感じる事はできない。写真撮影には向かない灯台だが、旧官舎が整備されていて貴重な資料が展示されている。自動化、電化される前の職員の手記は必見である。付近も綺麗に整備されていて感じの良い場所になっていた。

今宵の宿は民宿である。ご馳走を食べて、酒を飲んで、広い部屋でゴロゴロしながら時間を潰していると幸せを感じる。玄関に姫島村の資料があったので、眺めていると灯台の事も記述があった。設計図から戦時中の被災状況まで克明に書かれてあった。島を通り過ぎるだけでは見る事が出来ないものである。

姫島の最大の名物は盆踊り。今回、有名な「きつね踊り」は見る事が出来なかったが、そのような郷土芸能に触れる旅もしてみたいものである。偶然来れた姫島。しかし今度は計画的に、せめて時刻表ぐらい持って旅をすべきだと反省した。


伊美港
姫島港
千人堂
姫島を代表する景色だとか
集落の様子
姫島灯台
レンガ造りの古い灯台である

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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