●対馬縦断バス

・2021年4月18日作成
訪れた日 2019年5月1日
 

国内航路が発着する厳原と、韓国から航路が発着する比田勝。対馬のこの二つの港町は南端と北端に位置している。ここを結ぶ路線バスが走っているが、所要時間は2時間半。そして1日4往復しかない。また比田勝へは国内からの航路は夜行便しかなく、訪れるには難易度が高い・・・・。厳原に泊まった翌日に、この路線バスに乗ってみた。

 まっすぐ比田勝まで行ってもつまらないので、比較的多くのバスが走っている空港までの間で途中下車しようと思う。まずは厳原近郊の温泉へ。 バス乗り場で案内を見ると、1日フリーパスがあり、料金はなんと1,000円。通常料金なら3,350円なのでなんと1/3以下。そして途中下車可能である。また、曜日によっては観光付きのシャトルバスも運行されている事も知った。しかし、今日は運行しないし、路線バスの旅もしてみたかった。

8時38分厳原発のバスに乗り、8時55分。高浜で下車、グランドホテル裏の真珠の湯に入る。開始時刻の10時まで1時間ほど待って入浴する。近所の老人たちが集まってきて、皆さん常連のようだった。何でも昨日は20名以上の韓国人団体客が来て大変だったとか。

11時15分。いよいよ横断バスに乗るが、先ほどの古いタイプの高床式とは違い、低床の新型車だった。しかし、長距離乗るとなると古いタイプの方が快適だったりもする。都内を走っているバスと同じ作りなので、雰囲気も長距離っぽくない。

小さいながらも、福岡や長崎に11便も飛び、対馬の玄関口である対馬空港を過ぎると、入り組んだ入り江が現れ、島を横断する大船越、万関という運河を超える。万関は、軍艦が通れるように軍が作った運河で、日露戦争の際に実際に使われた。ここから、山の中を走るが道路も狭く、とても主要国道には思えない。延々と山の中を走るが、不思議と眠くならなかった。時々、海が見えるのも楽しい。

12時9分、仁位に到着。車庫があり、ここで運転士が替わる。ここで下車する人もいたが、日本人のバス愛好者のようだ。残りの乗客の殆どは韓国人。僅かな地元の老人。順調に山を登っていたら、運転台から警告音がしてきた。バス停で、バスを停めて調べたところ 「このバスは運転できません」との事。携帯で替わりのバスを呼ぶ。10名以上の乗客がいるので、ワゴンでは無理・・・。比田勝からバスを呼ぶので1時間ぐらかかるとの事。 付近を散歩していると、民家があったが紅茶などの看板があったので、売店もあるのかと聞いてみたら、民家件工場との事である。事情を説明すると、乗客を招いて、工場見学や、お茶までご馳走になってしまった。韓国人の方達は大学生が多く、皆、日本語が出来たのでコミュニケーションには困らなかった。日本人の観光客は2名だけのようだった。

40分後、代わりのバスがやってきた。古いバスだったが、こちらの方が安心感があって快適だった。運賃表示機も、液晶ではないデジタル表示式で、最近では珍しくなってきている。40分遅れで比田勝に到着。楽しかったが、時間に余裕が無い人がいなかったのは幸いだった。ちなみに、私は比田勝の循環バスに乗ろうと思っていたが、接続できなかった・・・。


1日フリーパスの方が片道運賃よりも1/3安いとは・・・。前日にバス停で確認しておいて良かった。
真珠の湯。この日は近所の老人ばかりであったが、普段は韓国人の観光客で賑わうらしい。

地元の人にとっては、それが不満なようであるが、韓国人観光客で成り立っていると思う。
横断バスの旅となるが、低床車はどうも落ち着かず、低床部分に座ると、窓の位置も高く、とても疲れる。乗客は韓国人の若い客が多かった。
対馬やまねこ空港まではバスの本数も多い。しかし、ここから先は道も細く、隘路が続く。壱岐と違い、平地も少なく、農地も少ないように思える。経済的には厳しそうに感じる。

島を横断している歴史的な運河もあるが、交通の便も悪い。
故障したバスを降りて、救援のバスを待つ間、韓国人の観光客と一緒と一緒に、近所でお茶を御馳走になる。日本人の乗客は混じろうとはしなかった。

私は韓国人観光客と一緒にいたが、日本語が出来る人が「鯉のぼり」の事を質問されたり、和気あいあいと過ごす事が出来た。また、お邪魔した工場で働く人も韓国語が少しできたので、積極的に韓国語で話していた。

もっと日本文化と韓国文化が交わって、対馬が盛り上がれば良いのに・・・・と思った。

古いバスに乗り換えたが、こちらの方が快適に感じた。低床バスは乗っていて疲れる・・・。

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