●五能線

・2002年7月19日作成
・2003年4月7日 修正
訪れた日 1983年8月10日
 

白神山地が日本海に落ちる。奥羽本線は白神山地を避け、内陸を行くが、五能線は絶壁にへばりつくように日本海に沿って走る。景色の良い事でも知られ、「ノスタルジックビュートレイン」、「リゾートしらかみ」、という観光列車も走った。初めて乗った83年は、まだ国鉄時代でもあり、観光列車などなく、ただのローカル線であった。ここで紹介する夏と冬の五能線だが、旧型客車は勿論、「ノスタルジックビュートレイン」の姿は今はもう無い。

五能線には客車列車も多く、車内は白熱灯、内装は木でニス塗りで飴色に輝く、そして背もたれはクッションなどなく、木の板。そんな旧型客車の天国だった。列車はとにかくノンビリしていて、走っているのか止まっているのかわからないような速度で走る。長時間停車もザラで、まるで時が止まったような列車だった。川部から五所川原ぐらいまでは津軽平野のリンゴ畑の中を走る。そして日本海。冬は荒れると聞いているが、夏は波ひとつない鏡のような海原が広がる。海岸線を埋め尽くす風化された岩も、冬の激しい波涛を想像させられるが、今日は鏡の上に並ぶアクセサリー。列車の速度が遅いので写真をとってもブレない。約6時間の旅、ノンビリしすぎて時間の経過を忘れてしまった。夏のローカル線の旅。桟が焼けるように熱く、少々グッタリしてしまっていたようだった。

旧型客車同士の交換
現在では考えられない乗り方
当時の6両編成の客車は長い編成
いよいよ海に飛び出る
岩礁を眺める車窓は素晴らしいの一言に尽きる
車内は木を使ったレトロなものだ

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


back