静岡県の西部、遠州灘海岸は、太平洋に面して広がるアカ |
ウミガメの産卵地として有名な砂浜です。 |
毎年5月から8月にかけて黒潮に乗ってはるか南の島から |
ウミガメが産卵のためにやって来ます。 |
母ガメは砂浜に足で穴を堀り卵を生みつけますが、近ごろ |
砂浜をバイクや四駆が乗り回しているので、カメにとって |
安心な産卵地ではなくなってきました。ここでは、そんな |
アカウミガメを保護するためボランティアの方がさまざま |
な努力をされています。 |
たまたま通りかかった天竜川東側河口の駒場灯台の傍らに |
小さな鉄条網の小屋がありました。その小屋は、ウミガメ |
の卵が孵化するまで保護するために、母ガメが産んだ卵を |
移動して埋めておくためのものです。 |
丁度その中でボランティアの方々がウミガメの卵を堀かえ |
していました。中に入れていただきお話しをお伺いしたと |
ころ、その日の朝に一斉に卵がかえって赤ちゃんウミガメ |
が地上に這い出してきたそうですが、孵化が遅れて砂の中 |
深くに取り残されたカメ達を助け出しているとのことでし |
た。 |
堀返された卵は残念ながらかえらなかったものですが、そ |
のうちに、赤ちゃんウミガメが堀返されてきました。最初 |
は砂まみれでぐったりしていたんですが、数分もすると、 |
ドタバタ元気いっぱいに動き出します。 |
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一匹持たせていただきました。大きさは、甲羅の長さ5セ |
ンチくらいでしょうか、ほとんど重さは感じません。でも |
手の中で元気いっぱいにはばたくんですよ。ぱたぱた前足 |
を動かすさまは、鳥のようで、健気でいとおしさを感じま |
した。とってもかわいく感動ものです。すごく小さな命を |
感じ、その一方で命の力強さと重みを感じました。 |
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結局その穴からは、7匹が救い出され、その日別の場所で |
救出された十数匹と一緒に、数日後、海に放されるそうで |
す。ぜひとも元気で、戻って来て欲しいですね。 |