電子メール、そしてネットニュースの記事では、RFC1036の中に書かれていないヘッダを使用している方もいらっしゃいます。
多くの場合、これはOptional Headerと呼ばれるものです。 過去の経緯やMIMEの拡張として、"X-"で始まる文字列を利用している方も見受けられるかもしれません。[1] とはいえ、Optionalというぐらいですから、これは標準機能ではありません。 利用するにおいて必ず知らなければいけない情報ではありませんし、ニュースリーダによっては対応していない機能も多々ありますので、必要最小限の機能しか使わなくていいや、と思う方はこの文は読み飛ばしても構いません。 この文章内では、これを拡張ヘッダと呼ぶことにします。
拡張ヘッダは、対応していないニュースリーダなりそれを理解しない人なりにとっては何が何だかわからない場合もあります。 しかし、この部分を使うと、通じる人の間ではいろいろな表現ができます。
たとえば、最近よく見かけるのがX-Faceという、(基本的には)自分の顔写真をニュースの記事につけるもの。 もちろん、サイズや色は制限がありますけど、多少のデータ量で、ちょっとしたお遊びと思えば意外と楽しいのかもしれません。
お遊び系、というか趣味の話としてはX-MoeとかX-SisterとかX-Wifeとかいうのもあるようです。 これも、話の通じる人の間では、ちょっとした自己主張なりなんなりを表すことができるのでしょう。
X-PGP-Sigなどという、PGP署名をヘッダに入れるためのものもありますし、X-FortuneなりX-Weatherなりという、微妙に役立つのかもしれないものもあります。
もちろん、原則的にすでに定義されているものと重複さえしなければ拡張ヘッダはヘッダの生成規則に従う限りは自由に定義してもいいのですから、たとえば"X-Great: Oresama"などをつけてもRFC的には何も問題はありません。
とはいえ、これもたとえばものすごく長すぎる署名と同様、やりすぎると不興を買うかもしれません。 そういう意味で、あなたの常識が問われる部分です。 あまり他の人の迷惑にならないよう考えつつ、有効に使ってみるとよろしいかと思います。
[1]
"X-"については、RFC822ではユーザ拡張領域として4.7.5.章で定義されています。
一方、RFC2045などのMIME(MultipurposeInternet Mail Extensions)を定義している文章では、正式な標準としてまだIANAという組織に登録されていないメディアタイプを表現する手段としても定義されています。
また、RFC2822では"X-"に関する記載は一切ありません。
ただし、RFC2822にはOptional Header一般の生成規則はあります。
Optional Headerを何か定義してみるときは、これらを参考にするとよいでしょう。