自分に対する中傷記事やプライバシーの不当な公開記事が投稿されたときの対処方法

杉山 善昭(zzz@z.email.ne.jp)

 ある日突然、自分を中傷する記事が投稿されるかも知れません。 また、どこで漏れたのか、自分の電話番号などの個人情報が投稿されるかも知れません。 このようなとき、どのように行動すればよいのでしょうか。

 自分を中傷する記事が目に入った時、2つの取る手段があります。 一つは反論することです。 概ね、議論の内容から派生して、人を中傷する記事が生まれます。 話の中で中傷する部分に反論したいとき、大抵はそのニューズグループの主題から離れてしまいます。 そのようなときには、ネットニュースの使い方を議論する場所、fj.news.usageに話を移します。 クロスポストをして、フォローアップをfj.news.usageに指定すると良いでしょう。 このようにすれば、他の見たくない人の権利も守れますし、議論に集中することも出来ます。 他の購読者が第3者としての意見を述べてくるかも知れません。 このようにfj.news.usageに移ることによって、反論する場所と機会を得ることが出来ます。

 もう一つ、このような投稿に対して無視するという手段もあります。 一部の投稿者には、人を中傷することによって、その反応を楽しむ人達もいます。 そのような人達を高いところから見下ろす余裕があるなら、餌を与えないためにも、無視してしまうというのも、効果的な手段かも知れません。

 ところが、自分に直接損害を与えるような記事の場合、ネットニュース以外の手段で対策をとる必要があるかも知れません。 特に犯罪的な要素がある場合には、現実社会における対応を考えた方がよいかも知れません。 状況がはっきりとしていて、客観的にみても対応する必要性が高いとき、まずその人物からの投稿を停めたり、抗議するために、その人物の所属場所に連絡を入れると良いでしょう。 インターネットプロバイダーや企業、学校などのpostmaster宛にメールや電話で相談します。 whoisサービスで担当者の連絡先を調べるのも、良いかも知れません。 その際に、はっきりとした証拠が提出できると効果的です。 自分では対応がわからないとき、記事の発信者への直接の連絡が出来ないときなどには、fj.news.usageなどで相談すれば、様々な助言や手助けをしてくれるかも知れません。

 また、自分が被害者であると感じており、法律に則った告発、告訴を検討している場合には、警察や弁護士等に相談する必要があるかも知れません。 ただし、これを悪用し、威圧する目的等で「訴えてやるぞ」と脅すと、今度は自分が法律で罰せられる可能性があります。

 ところで、自分の個人情報、例えば電話番号や住所など、突然投稿されたとなれば、無視しておくわけにはいきません。 fj.news.usageやfj.news.net-abuseなどで、その是非や抗議を議論してもいいですが、元となる記事をいつまでも残していくわけには行きません。 即時的にこの記事を消去する必要があるでしょう。 このようなとき、自分は記事を投稿した本人ではありませんが、当事者として記事の消去、キャンセルする手段があります。

 本来、投稿された記事は、投稿した本人のみに記事をキャンセルする権利があります。 このような状況といえど、投稿者でない人物がキャンセルを行うことの是非というのは、問題として残るかも知れません。 しかしながら、自分にとって、事は一刻を争う事態かも知れません。 このような場合にどう対処するかは、著作権上の問題、緊急避難行動、事態の深刻度等の状況を考え、これらの責任を負った上で、行動する必要があります。

 以上を勘案して、記事をキャンセルするという判断を下したとします。 記事のキャンセル方法は、ニュースリーダーにより様々です。 ソフトによらない方法としては、その記事に対するフォロー記事で、ヘッダーに“Control: cancel <abc@hoge.or.jp>”(<abc@hoge.or.jp>の部分はキャンセルする記事のMessage-ID)を記載しておくことによって、記事をキャンセルすることが出来ます。 このとき、本文になぜキャンセルしたのかということを一言書いておくと、不正なキャンセルではないということを明示的に宣言することが出来ます。 また、最近のニュースサーバーの機能を考慮して、“Sender: somebody@hoge.or.jp”(somebody@hoge.or.jpの部分はキャンセルする記事のFromと同じメールアドレス)の行を追加し、さらにMessage-IDを“Message-ID: <cancel.abc@hoge.or.jp>”(キャンセルする記事のMessage-IDの先頭に"cancel."を付ける)の形式にしておくと、確実性が上がります。

 また、自分ではこのような技術的知識がない、もしくはうちのサイトではネットニュースのControlメッセージを認めていないなど、自分のところに記事のキャンセルを出すだけの基盤がない場合には、他の人に頼むことも出来ます。 当然、知り合いで詳しい人や、自分のネットワークのpostmasterなどにお願いするのが良いでしょう。 そのほか、fj.*で良くみかける信用できる人にメールでお願いする方法、ネットニュース上で依頼する方法もあります。 しかしながら、こちらの場合は、無償で行ってくれるのですから、その時の状況等ですぐに対処してくれるとは限りませんし、理想通りの行動を行ってくれるとは限りません。 それでも、何もしないよりはましかも知れません。

 いずれにしても、このような個人情報を暴露するような記事、明らかに自分に危害を加える元となるような記事などに対し、強行手段を行う際には、様々な責任を負う必要があります。 その際でも、キャンセルする元の記事を、一応保存しておいた方が良いといえます。

 このように、fj.*、ネットニュースにおける迷惑行為に巻き込まれたとき、概ねfj.news.usageで相談すると対応が早いといえます。 また、犯罪には毅然とした対応をするためにも、相手の上位組織に連絡を入れておくことは必要かと思われます。


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