話の打ち切りどき

さいとう のぼる(j0315@cocoa.ocn.ne.jp)

fjは、いろいろな人たちの参加によってなりたっています。 でも、その参加者の中には、ちょっと勘違いされている方々もいるようです。 ここでは、そんな勘違いされている方々についても語ってみましょう。

基本的にfjに限らずNetNewsとは、議論なり情報交換をするためのメディアです。 その性質上、全ての場合において、自分にとって都合の良い答えなり、耳あたりのよい答えなりが返って来るとは限りません。 なのに、自分に都合の悪い意見は受け入れずに「誹謗中傷だ」だの「こんな指摘をするなんて思いやりが足りない」だの「初心者には優しくしてくれたっていいじゃないですか」だのいいだす方が増えてきたように思います。 議論というのは時には耳に痛い反論が返ってくることもあるわけで、常に意図していた、やさしい答えが返ってくるものではありません。

そして、反論を好まないなら、fjへの投稿はそれほどいいものではありません。 それこそ、(ほかの人に見られない限りは)誰も否定的なことを書かない自分の日記帳なり、否定的なことを書かれたら即座に削除できる自分運営のWebの掲示板なりを利用した方がよほど幸せではないでしょうか。

また、その手の反応が嫌だからといって「この記事に関するフォロー禁止」と宣言されたところで、誰もそれに従う必要はありません。[1] 時々、自分の記事に関する著作権なんてのをからめてもっともらしくみえる理由をつける方もいますけど、正しい引用さえされていれば、著作権はフォロー禁止の理由にはなりえません。 それに自分の記事が反論とか指摘にたえないような記事でなければ、多くの場合他の人からのフォローは有用でしょうし、そもそもそういった指摘にたえないような記事はできるだけ出さないよう気をつける方が望ましいでしょう。

一方、上の例とは逆方向に勘違いしている方もいらっしゃいますが、基本的にニュースグループでの議論は続けなければならないというわけではないですし、自分が書いた記事に対するフォロー全部に、必ずフォローしなければならないというわけでもありません。 逆にネットニュースではサマリという、自分の質問などの記事に対する複数の回答をまとめて書く記事で出した場合の方が喜ばれるかもしれません。

ですので、たとえば「私がせっかく投稿した記事にどうして誰も反応しない」といわれたところで、誰もそれに答える義務なんてものはないわけです。 第一、そんなルールがあった日には誰かがスレッドを立ち上げたが最後、全員精魂つきるまで議論を続けなければならなくなります。

あと、自分の意図を通せなければ議論に「負け」てしまうと勘違いなさる方もいらっしゃいます。 そのあたりのことは"flameについて"で書いてありますので参考にしていただきたいのですが、fjでのやりとりに勝ち負けなんてない、ということは覚えておくといいと思います。

ところで、ここまでの話だと「勘違いされている方々」なんてテーマの方が、よっぽどふさわしそうです。 しかしこの手の話は、きっかけになる話題や主をかえ、でもサブジェクトやニュースグループを適切にかえずに幾多の時を越えてくりかえされてしまったりもするのですけれど、これら方向の全く違った例でも共通することがあります。

それは、

「結局、話を続けるのも打ち切るのも、投稿者の判断次第である」
ということなのです。

たとえばネットニュース上で始まったやりとりが特定の相手とのいい争いになってしまい、すでにネットニュース上で続けるには明らかに不適当だけど、かといってメールでのやりとりでは相手と理性的な議論ができそうにない、というような場合があります。 多くの場合それは話の打ち切りどき(か過ぎているか)でしょう。

そして、今が議論を打ち切るタイミングだとあなたが感じてそれを実行した場合、つまり相手の記事に対してフォローするのをやめた場合に、時と対応によって相手を無視したようにみえることも十分あり得ます。

そんなとき、たとえば相手は「なぜ私のこの記事に回答しない、さては反論のしようがないから逃げたな」とかいうかもしれません。 でも、その売り言葉を買ってしまって、だらだらと多くの人、そして自分自身ですら不毛だと思う投稿を相手と続けるよりも、ひきぎわをしっかり考えつつ、必要に応じて議論をうち切ったほうがよほど世のため人のため、そして自分のためにも有益ではないでしょうか。

とはいえ、やっぱり全てを自分の都合よく解釈するのも問題でして、たとえばどのような役立つ指摘だろうがありがたい注意だろうが自分の気にそうものでなければただ無視する、というようなことをやっていると、そういう人間だと思われてしまい結局自分にまわり回ってきます。

たとえば、そのうちに誰からも親切なフォローがなくなるかもしれませんし、その記事の内容が違法性なものであれば、場合によってはいきなり警察に通報されることだって十分あり得ます。 人によっては、「いや、それは社会が間違っている、俺は正しいはずだ」と、それでもいいはるのかもしれませんけれど。

要は意見に対してバランスを考えて反応することが大事でして、脊髄反射的に相手の記事にいちいちフォローを返すより、いい、と思った意見とかを素直に受け入れるなり、そういう考えもあるということを(自分も従うかは別として)認めて少し考えるなりすれば、記事ごとに文章で反応しなくても、相手の話を無視している失礼な奴だ、と思われることはないと思います。 そして、明らかに不毛なやりとりになりそうな場合は話をうち切ることも考えてみるといいのではないでしょうか。

[1]
ただし、たとえば japan.* というニュースグループの中には、そのグループローカルで「フォロー禁止」というきまりがある場合もあります。


fjの歩き方メーリングリストトップに戻る