★情報収集・そして旅立ち★
私は4月あたりから各テレビ雑誌から今年の高校生クイズの情報を集め始めていた。それによると今年の予選は「高校生フェスティバル」と銘打ち模擬店を設置したりミニライブを行なうなど学園祭的なものにしたり、全国大会の決勝は海外で行なうと言った事が書かれていた。それにしてもこれはみんな「TVガイド」に書かれていた。他の雑誌と見比べても一番情報が早くて詳しい(各予選日程が書いてあったのもTVガイドだけ)。これもひとえに大石さん(第15回ウルトラクイズに出ていたTVガイド記者)のおかげだろうか? ほかFQUIZからも運だけで全国大会へ行ける「運大王」システムの導入を知る。そして日程をもとに予算やスケジュールを検討し、行く予選を決める。そして6月某日、千葉県某所で各予選の第一会場(と最寄りの駅)が分かるという思いがけない収穫が得られた(詳しい出所は秘密)。いよいよ私の高校生クイズ予選巡りの旅は始まる。
前日の6月28日、私は中部大会へ行けるかどうか不安だった。その日関東を襲っている台風により、予約しておいた夜行バスが運休するのではないかと思っていたからである。だが午後10時ごろ先方に電話して通常通り運行する事を確認し、横浜駅へ。そして11時30分に時刻表通り名古屋行きの夜行バスが出発した。
★いざ、新舞子へ!★
朝6時にJR名古屋駅前バスターミナルに到着。バスを降りた後はその周辺を歩いてコンビニを探し、朝食を買う。そのあとは昨年と同様に名鉄新名古屋駅へと向かう。すでにたむろしている高校生を横目に新舞子駅の切符を、会場の移動を考えてあえて片道で買う。期末直前シーズンという事もあり車内では試験勉強している高校生をちらほらと見かける。車窓から外の景色を見ていると見事なピーカンで、ついさっきまで台風だったのが信じられなかった。3〜40分くらいかかっただろうか、車窓から明らかにクイズ会場と分かる設備が見えてきて、ようやく新舞子駅に到着した。改札口には中京テレビと名鉄名義による高校生クイズの看板が吊り下げられているが、そのイラストに描かれている○と×の札を見て、「ちゃんとYES・NOって書けぇーーーっ」と思った。
会場を見てまず目に付くのはヤケに立派なステージセット。一目でその気合の入れようと全国で使い回す事が分かる。そして受付のゲートには昨年から登場した新しいロゴマークが描かれている。これで第1回からのマスコットであったクイズラは完全に姿を消した訳だ。そのすぐ近くには「YES」「NO」とそれぞれ書かれた2隻の船のセットがある。これで第1問は船に関するもので、正解発表ではどちらか不正解側の船を爆破するという昨年と全く同じ手法を取る事が容易に分かる。現に横の小さな丘には大砲が置かれている。そして次の会場を探すべく会場周辺を歩き回る。すると会場の端に停まっているワゴン車に「ヤシの実」と書かれたダンボールが置かれている。これは何を意味するのか? また別の会場の端に止まっているトラックのそばには早押し機10台と通過席のようなものが置いてある。会場ではピンポンブーの音が聞こえるので決勝はここでやるのだろう。そしてスタッフ用テントに近づいてみると「子ライオン15体」と書かれた箱がある。決勝でのポイント表示用と、代表チームへのプレゼントだろう。ステージを見ると佳苗によるマイクリハーサルをしているのだが、音楽とボーカルがガンガン聞こえてやかましい。この段階でもうコンサートになっているような気がするが、そんなの流すくらいなら『ハリウッド』を流せと思った。しばらくして近くの売店に設置されているテーブルに座り、それまで得た情報をメモに取り整理するが、そこには高校生クイズのポスターが貼られている。間近に見るのは初めてだが、大まかにどんなのかは『ザ・テレビジョン』で見ていた。中央には福澤アナの顔とそこから下はムキムキマッチョマンの合成CG。そしてそのバックには昨年の予選の写真が多数ちりばめられている。今回は「男のパワーあふれる福澤」を表現したつもりなのだろうが、後退した額といい、表情といい、CGの黒タイツといい、私には江頭2:50に見えてしょうがない。ポスターの端には応募はがきが何枚か置いてあったので1枚ゲットする。そして9時になると『ハリウッド』が流れて(やっぱ高校生クイズにはこの曲が無くちゃ)受付が始まる。そして隣の砂浜を見ると何やらやっているようなので行ってみるとスタッフが妙なセットを設営していて、準決勝はここでやると確信する。最初の会場に戻るとだんだんと人が来て、形になってきた。そこらを歩いていると参加者のある1チームが周囲の人を集めてYES−NOクイズを出題するという、ちょっとしたミニイベントを開いていた。しばらくそれを見るが、どうやら問題はみんな過去問のようだった。だが高校生クイズの祝祭性はそうやって高校生自らが作り出していくものだと考えているのでこうゆう動きは歓迎したい。
それにしても海辺の会場からか、かぶっている帽子が吹き飛んでしまう程に風が強い。会場のすぐそばには小さな休憩施設がある。「高校生クイズ参加者立入禁止」と書かれた立て札があるが私は参加者ではないので(そうゆう問題か!?)入る。現に一般の人も何人かいる。そこでまた得た情報をメモに取り整理する。その途中台本を読んでいる女性がいたのでこっそり台本を覗くと大会のスケジュール表のページで、今大会の全容がほぼつかめた。だが台本には「チキンレースクイズ」と書かれた個所がある。これは一体何か…。少し休んだら外に出て、大会の開始を待つ事にする。10時ごろになりスタッフが「じゃあ、いいかな。それでは始めます。そのまま静かに待ってて下さい。すぐに始まります。」 しばらくして聞こえたものは…。
★新・高校生クイズ宣言!★
「今年の夏は何かが違う! 今年の夏は何かが起きる! 目指せ東京! そして…香港!! 高校生諸君! 丘に注目ーーーーーっ!! キミらの熱さが台風をも吹き飛ばしたっ! それではいよいよスタートするぞっ!! ライオンスペシャル 第17回 全国高等学校クイズ選手権 中部大会 ただいま開幕ーーーーーっ!!」
ん、この声は福澤じゃないぞ。いったい誰だ? BGMにのって水兵のような衣装をしたその「誰か」がステージ上に登場した。
「うおー いくぞいくぞいくぞいくぞーー みんなお待たせいたしましたーー。みんな燃えているかぁー(オーーッ!) 全国大会へ行きたいかぁー(オーーッ!) おまえ達の夏は、オレに任せろーー(オーーッ!) お待たせいたしましたっ! 中部大会、新しきクイズ○○(←この部分聞き取れなかった。このくだりは録音したテープから文字に起こして書いているのだが、風の音がうるさくて所々掻き消されていたので)中京テレビ板谷学、ただいま参上ーーーっ!!」
なんだ、前説か。
「いい感じで盛り上がってますねー。みなさん、こんにちはーーーっ!」「こんにちはーっ」
「いやいやいやいや、大勢の高校生に囲まれるってのは非常に気持ちいいものでございます。」
「まずは愛知県のみなさん、いつも中京テレビ見て下さってありがとーーーっ!!」「ワーッ」
「岐阜県の諸君、『やるじゃんけんけんテレビ』知ってるかーーーっ!!」「ワーッ」
「三重県のみなさん、私の名前は板谷学だっ! よく覚えとけーーーっ!」
「さぁ静岡のみなさん、先日はお邪魔いたしました静岡第一テレビ! 静岡じゃ中京テレビ映んないけど燃えて行けっ!」
「そして長野県の諸君、はるばる愛知県までようこそ! 今日は最後まで燃えてくぞーっ!」
それにしても衣装といい県別にあおったりといい、前説にしては何か様子が変だ。
「さぁ、本来ならば、このステージ上に立つのは、日本テレビの福澤朗アナウンサー…な訳なんですが…、今年から…、1回戦から準決勝までは、私・板谷学がっ、中部大会においては担当させて頂く事になりました。そして…最後まで聞いて下さい。福澤朗アナウンサーは、決勝戦から登場する事になりますっ!」
何! という事は今年の高校生クイズは初期にやってたような各地元の局アナが司会をする形式になるのか(と、この時は思った)!?
板谷「今年の高校生クイズ、17回目を迎えた訳ですが、新しくなった高校生クイズ。そこで『新・高校生クイズ』の宣言をしたいと思います。変わった点は大きく3つございます。」
一つ目は決勝を香港で行なう事。二つ目は運大王システムの導入である事を述べた。
「一番最後まで残って、運だけで全国大会行くぞーーーっ!!」 「オーーッ!」
「クイズは出来なくてもいいんだーーっ!!」 「オーーッ!」
「一番ツイてる奴だけが全国大会へ行けるぞーーっ!!」 「オーーッ!」
板谷「いいですねぇ。という事で、二つ目まで申し上げました。さらに三つ目。例年(聞き取れなかったので中略)YES−NOクイズ。それが5問だけといたします。これはどうゆう事かと言いますと、5問終わった時点で、次へのステージ・セカンドステージへ合格チーム全員参加できるというものです!!」
高校生は大喜びする。私も、問題数が限定となれば問題を無駄に消費する事の無い上に所要時間の節約にもなるし、より多くの高校生に次のクイズへのチャンスが広がるのでなかなかいいシステムだと思った。
「以上三点、これから新しくなった高校生クイズ。みなさん最後まで燃えて行こうじゃないか。それでは1問目を発表する前にもう一度お前らの…お前らのその熱い思いを僕に聞かせて下さい。いくぞっ、みんな燃えているかぁーーーっ!」「オーーーッ!」
「全国大会絶対行くぞーーーっ!」「オーーーッ!」
「初めてのチャレンジャー、1年生。先輩に負けない自信はあるかぁーーーっ!」「オーーーッ!」
「青春真っ盛り、高校2年生。今年も精一杯頑張るぞーーーっ!」「オーーーッ!」
「そしてそしてラストチャンスの3年生。悔いの無いよう最後まで完全燃焼だーーーっ!」「オーーーッ!」
「よーし、盛り上がってまいりました。それではみなさんがお待ちかね。泣いても笑っても、クイズでみなさんの県代表を決めなければなりません。それではまいりましょう。’97年 全国高等学校クイズ選手権中部大会、第一問を発表いたします。」
★新形式・5問限定YES−NOクイズ★
「それではみなさんよく聞いて下さい。みなさんにとっては大切な第一問。そして私にとっても初めて出題する問題でございます。心して聞いて下さい。」
制限時間は2分間。移動が始まる訳だが移動のBGMが変わっている。私は愛知万博と香港を無理に組み合わせたでっち上げだと思いNOと判断する。そして2分が過ぎた。
「さあー。ここで、運命のYES−NO。分かれました。」
ここでYES−NOコールが湧き起こる。
「さあー、どんどんどんどん盛り上がっていきましょう!」
「そうですねー。YES:NOの割合。6:4でYESの方が多そうですねぇ」
「それではまず数の少ないNOの諸君。絶対NOだと言える自信はあるかーーーっ!」「オーーーッ!」
「香港なんかには、立ち寄ってないぞーーーっ!!」「オーーーッ!」
「全国大会行くのはNOだーーーっ!」「オーーーッ!」
「さぁー、人数が多いYESの諸君。正解は何がなんでもYESと言える自信はあるかっ!」「オーーーッ!」
「香港には立ち寄ったんだーーーっ!」「オーーーッ!」
「全国大会に絶対行くぞーーーっ!」「オーーーッ!」
「それでは正解の発表です。みなさん、正解の発表の前に、あの後ろの丘を注目ーーーっ!! 出でよ! 勇者たち!!」
ここで丘の大砲に誰かやってくる
「さぁ、丘の大砲に現れた二人の勇者。彼らがYES or NOの船を爆破いたします。もちろん爆破された方が不正解。爆破されずに残った方が正解であります。自分の船が爆破されないよう…さぁみんな! YES−NOコール、思いっきりと雄叫びを!!」
「YES! YES!」 「NO! NO!」
「それじゃまだ声が足りない!」
「YES! YES!」 「NO! NO!」
「まだまだ声が足りない! もっともっとYES−NOコールだーーーっ!!」
「YES! YES!」 「NO! NO!」
「さぁそれでは、いよいよ正解を発表する! いくぞっ! 正解は…正解は…正解は…これだーーーーーーーーーっ!!」
バーーーン!! 爆破されたのはNOの船であった(あーあ、のっけから間違えるとは)。問題の解説がなされたあと勝者によるバンザイ三唱と相成った。
板谷「さあさあ、負けてしまったNOの諸君も、あわてて帰る事はありません。先程も申した通り、今年の高校生クイズ、負けてしまった敗者の方にも優しい高校生クイズ。最後まで残っていれば運だけで勝ち残れる運大王。さらには県代表をかけての敗者復活もございます。あわてて帰る事の無いよう最後までお待ち下さい。」
この後スタッフは勝者をクイズエリア全体へ分散させ、敗者は各県別に分かれさせている。
板谷「YESの諸君に第2問を発表いたします。1問目で勝ち抜いたからと言って気を抜かぬよう、問題をよく聞いて考えて下さい。」
板谷「制限時間は2分間。それではまいりましょう。YES−NOクイズ、移動開始!」
確かこれはいくらか前に『たけしのTVタックル』で同様のランキングを紹介していて、ハワイが1位だったんだよな…と思い出し、NOと判断。そしてタイムアップ。人数的には圧倒的にNOの方が多い。
「さぁ、かなりNOの方が多いようです。」
「それではまず、数で圧倒しているYES、聞いてみようかぁ!? 絶対YESと言える自信はあるかーーっ!」「オーーーッ!」
おい、YESとNOを間違えてるぞ。
「ごめんなさい(ここで板谷アナはブーイングの嵐に襲われる)。わたくし舞い上がっておりました。もう一度仕切り直させて頂きます。本当にみなさんゴメンなさい。多いのはNOのみなさんでございましたね。YESのみなさんゴメンなさい。多いのはYESのみなさんですね(おい、また間違えてるぞ)。…いけませんいけません。かなり頭がパニくっております。もう一度、もう一度だけ仕切り直させて頂きたいと思います。人数が多いのは、NOのみなさんですね。」「ウオーーーッ!」
「しかしクイズは数じゃない! 少なかろうが、YESが正解だーーーっと思う!」 「ウオーーーッ!」
「なかなかおぼつかない司会ではございますが、一歩一歩成長していきたいと思いますので、その点はご協力よろしくお願いします。さあ、それでは2問目の正解を発表したいと思います。」
「YESのみんな自信はあるかーーーっ」 「オーーーッ!」
「NOのみんな絶対NOと言えるかーーーっ!」 「オーーーッ!」
「さあ正解の発表は、後ろにあります仕掛花火が爆発するようになっております。もしYESが正解であれば、YESのイメージカラー・青い花火が。NOが正解であれば、NOのイメージカラー・赤い仕掛花火が上がる事となっております。」
「それでは、思いの限りをぶつけよ。カモンYES−NOコーーール!!」
「YES! YES! 」 「NO! NO!」
「それではいくぞーーっ! 正解は…正解は…正解は…これだーーーーーーーーーっ!!」」
パーン バンバンバンバン 打ち上がったのは赤い花火。そして3問目。
普通の人の感覚からして、スピードが速い方がより電力を使うと思うだろうからその意外性でNOと判断。正解発表の方法はYES・NOそれぞれから1チームずつ呼び出し、セッティングされた2つのボタンをそれぞれ同時に押させ、その後YESなら青の、NOなら赤のテープがカラーシューターから発射される。その結果、ステージからは赤いテープが会場に舞い下りたが、おりからの強風でテープがタワーやに絡まったり、自分の所にも飛んできたりでチトまいった。ここでスタッフが各県ののぼりを用意して残りの勝者を県別に分けさせる。よってここからは県別別れクイズである。
特に何も思い浮かぶものはなかったがYESだと思った。正解発表の方法はステージ上にあるYES・NO両サイドに建てられているタワーのどちらか一方から火が吹くというもの。その結果正解はYESだった。
「柔道王国ニッポン」という出だしがいかにもと思わせぶりなのと問題文に「すべて」がつく問題はNOである場合が多いからとNOと考える。人数的にもかなりNOの方が多く、特に長野県は全チームNOへ行った。正解発表はこれまたステージから火が吹く(ただし4問目とは位置が違う)。結果正解はNOであった。長野県は全チーム正解だったがもし正解がYESだったらどうなっていたのだろう…とこの時は思った。こうしてYES−NOクイズ5問が終了し、残った全チームが勝ち抜けとなった。だが勝ち残ったチームはまだまだ多く、愛知県などは山のようにいる。(ペーパークイズが無くなったという情報は入っていたので)次はどんなクイズをやるのだろうか。そしてこの時はなぜ敗者を県別に分かれさせたか、まだ分からなかった。
★これまた新形式の2回戦★
今度は今まで見ていたのと反対側の場所に移り、次のクイズを見る事にする。2回戦は「チキンレース近似値クイズ」。
《ルール》
・まず各県共通の、ある長さが答えとなる近似値クイズを1問出題。
・解答するチームは県ごとに用意されたレーンを進んでいき、正解だと思う位置に(もちろん目分量)そのチームリーダーの靴の片方を置く(つま先の位置を解答の位置と見なす)。
・正解の地点に近い各県4チームが準決勝進出となる。
・靴の中には参加葉書の半券に正解と思う長さの数値を書き込み、それを入れておく。これは靴の場所による判定が不能だった場合、それに書き込まれた数値を参照する。
・ただし、正解の地点をオーバーしているとそのチームは失格となる。つまり前へ進んで他のチームを抜きつつも、正解地点をオーバーする恐怖との駆け引きが「チキンレース」たる名の由来である。例外として、正解地点をオーバーしなかったのが3チーム以下の場合はオーバーしたチームの中から正解地点に近いチームが勝ち抜けとなる。
そして出た問題は
なんか想像がつきにくい。一応土俵の直径は知ってたのでそれを+αし、オーバーすると失格なので少なく見積もり17m73cmという自分の答えを出しておく。正解発表の方法は、スタッフが正解の位置を指し示す立て札を持ってレーンを前進する。その立て札にはヒモがついているのでそれがまっすぐ伸びた所が正解地点となるのでそこに看板を置く。そしてその正解は20m58cm(ナゴヤドーム:64.30m 名古屋城:48.27m 土俵:4.55m)だった。スタッフが急いで勝者を確保してこのクイズは終わった。運の要素はかなり強いがなかなか面白い形式だと思う。
2回戦が終わると会場の端に集まっていた敗者をステージ前へ移動させ、コンサートや高校生クイズグッズその他の抽選会を行なおうとしている。また会場周辺にはドリンクやカップラーメンを売る模擬店が設置されている。プリクラもあるような事も言っていたので周囲を見渡してみるが、そんなものは無かった。置けばよかったのに。クイズラやライオンくんや福澤アナとのツーショットフレームを備えた「高校生クイズバージョンプリクラ」を。そして準決勝を行なう間、コンサート・抽選会の司会として中京テレビの女性アナ(名前聞いてなかった)が登場した。本番前に私が見た、休憩所で台本を読んでいた人である。しばらくして板谷アナが何人かの女子高生に囲まれながら休憩所に向かって歩いているのを見た。向こうじゃそんなに人気あるのかなぁ>板谷アナ さて私も昼食である。部外者が番組の設置した模擬店の世話になる訳にはいかないのでもともと会場近くにある売店で買うのだが、ここでも高校生がたくさん並んでいてかなり時間をくってしまった。ちょうど昼食を食べ終えた頃に勝者が準決勝を行なう砂浜に向かっていたので私も早速ついていく。付けられている校名プレートはチームリーダーがメッシュのタンクトップで背中には高校生クイズのロゴマークがあしらわれている。他のメンバーはゼッケンで、背中は正面と同じく県名・学校名・メンバー名が全てプリントアウトされた字で書かれている。これまでゼッケンの文字は県名以外全て手書きで背中には各々のメッセージが書かれていたが、それが無くなって少し寂しい気がする。その中でも特に目立つのは、メンバー3人がウェディングドレスを着ている愛知県の旭丘高校である。準決勝のセットはA・B二つのブロックに分けられていて、テーブルにはヤシの木の形をしたプレート(?)が貼られている。朝見た「ヤシの木」と書かれたダンボール箱はこうゆう意味だった訳だ。
★準決勝「カウントダウンビーチフラッグスクイズ」★
周囲を見るとギャラリーが集まっているのが分かる。だが参加者である高校生はさほど多くなく、たまたま居合わせた一般人の方が多いといった感じ。ギャラリーから「やっぱ旭丘すごいよねぇ」という会話が聞こえる。やはり相当の進学校なのだろう。本番が始まると早速録音機能付きウォークマンのスイッチを入れる。だがこの強風の中で音はちゃんと拾えるか心配だ。
《ルール》
・ABそれぞれのブロックから代表者を1人出し解答権をかけてのジャンケンを行ない、先に1〜3回(その回数はラウンドごとに抽選で決める)勝ったブロックがクイズに挑戦。
・問題はランキングに関するもので、1位から6位までの項目を順不同で読み上げる。
・砂浜には6種類に色分けされた旗が2本ずつ計12本立てられていて(もちろん出題の際どの色がどの項目なのかは伝えられる)、それぞれの色ごとにその問題の選択肢が書かれている。
・スタートの合図と共に各チームの代表者が走り込み(ハンデとして女性は前もってスタートラインから3歩進んでからスタート)、ライフセービングの「ビーチフラッグス」の要領でより順位の高いと思う旗を取る。旗を取り終えたチームは自分のチームの席に戻り、取った旗を正面に見せておく。
・順位(正解)が5位から順に読み上げられていく。1位は5P、2位は4P、…6位は0P。先に10P以上取った各県2チームが決勝進出。
・既に1チーム抜けていて、2チームが同時に10Pを超えていた場合はランキングを読み終えた段階で得点のより高い方を優先。それも同じ場合はサドンデスを行なう。
一見ややこしそうだが実際に見てみると割と分かりやすい。ポイント状況も席の前に置かれている透明ケースにポイントが入る度にボールをその個数入れるようになっているし。ウェディングドレスを着ている旭丘は走れるように1人だけ着替えている。広場からはコンサートの音が聞こえてくるが気にならない。そしてクイズが始まり、ラウンドもそこそこ進む。だが旗取りの段になって1つの問題点が浮上する。上に書いたように女性は前もって3歩進めるのだが、その際にまるで3段跳びのようなやり方で前進する人がいる。当然スタッフに「ジャンプしちゃダメ!」と注意され、一歩一歩前進していた。その時も歩幅いっぱいだったが許容範囲であろう。周囲から「そこまでして勝ちたいか…」と聞こえたが、私に言わせりゃ「そりゃそうだ」である。
それにしても音声がかなり小さく、しかも折りからの強風で聞き取りにくい。マイクを手に取り前に出して音を拾う事に努めるが、聞いてみると風の音に掻き消されていてほとんど聞き取れなかった。クイズの方は最初の方は当てモノが多かったが進行していくにつれて知識問題の比重が上がっていき、簡単になっていく。割とコンスタントにポイントが入る形式なのだがかなり時間がかかった。旭丘も決勝進出を決めた。準決勝が終わって最初の感想は「長かった」であったが、展開的には両ブロック同じ位に解答権が回り、各県各チームともポイントが拮抗していてなかなか良かったのでこの所要時間には納得している。最初の会場に戻るとまだ抽選会をやっている。そして私は決勝の模様をよく見ようと恥も外聞も無く高校生の群集の中に潜り込む。みんな座っているので自分も座り、ウォークマンの準備を始める。
それが終わるとスタッフが決勝のセッティングを始め、テーブルやマイクを設置する。そしてボタンチェックに入り、「ポーン」の音が鳴り出すと高校生達から「オーーー」と聞こえ、テンションが上がってきているのが分かる。更に「ピンポン」「ブー」の音でますますヒートアップ。全ての準備を終え、いよいよ決勝の収録である。
板谷「今回のこの高校生クイズ中部大会、参加チームは1405チーム、4485人が参加しております(だがこの数字、計算が合ってない。どうしてこのような間違いが起こるのだろうか)。その中から選ばれた10チームっ! 早速登場して頂きましょう。決勝進出チームの入場です!」
会場にBGMが流れ、各県ののぼりを持ったファイナリスト達が会場の中央に空けられた通路からステージへ向かっていく。板谷アナによる各チームの紹介アナウンスとあいまって、その雰囲気はまるでプロレスの入場シーンを醸し出していた。以下にその対戦組み合わせを紹介する。
静岡県 | 県立静岡高校 | VS | 県立浜松江之島高校 |
愛知県 | 県立旭丘高校 | VS | 県立丹羽(にわ)高校 |
長野県 | 県立松本深志高校 | VS | 私立松本第一高校 |
岐阜県 | 県立大垣東高校 | VS | 県立郡上(ぐじょう)高校 |
三重県 | 私立皇学館高校 | VS | 県立四日市南高校 |
板谷「以上10チームが、見事この決勝戦まで駒を進めました。それでは決勝戦のルールをここで説明したいと思います。決勝戦、題して…タイトルは『敗者の気持ちHi&Lowクイズ』。さて、このHi&Lowクイズ、今このステージの下に、今日敗者となってしまった女子高生50人に来て頂いております。この方々にご協力をよろしくお願いしたいと思います。さてHi&Lowクイズ、まず早押しクイズに挑戦して頂きます。2ポイント獲得したチームは『敗者の気持ちHi&Low』にチャレンジ。そして先程申し上げました、今日の敗者となってしまったこちらのかわいらしい女子高校生たちに質問をいたします。女子高校生たちが、その質問の答えを現わすその数字がのちほど発表されます。その女子高校生の気持ちが“ある一定の数”よりも上か下か、HiかLowかを当てて頂きます。早押しで2ポイント獲得してHi&Lowに挑戦する。Hi&Lowで見事女子高校生の気持ちを当てたチーム、このチームが全国大会となります。よろしいでしょうか? 質問は今受け付けます。…大丈夫ですか? それでは…97年全国高等学校クイズ選手権中部大会・決勝戦。司会はもちろんこの方にお任せいたしましょう。みなさん、立ってお迎え下さい! 準備はよろしいでしょうか!? 高校生クイズ、この人がいなければ始まりません! それではお呼びいたしましょう! ファイヤー福澤朗ーーーっ!!」
★福澤登場★
ついに福澤アナがBGMと共にステージに登場し、会場はハイテンションの極みに達しようとしていた。
「ヤッホーーーッ!! やぁみなさん暑い中、暑い中本当におまっとさんでございました。決勝戦、おいしいトコだけジャジャジャジャーーーン!!」 「ワーーッ!!」
「はい板谷くんお疲れ様でした。お前も大きくなったもんだなぁ(といいつつヘッドパットをかます)」
板谷アナとのちょっとしたやり取りを経て
「まぁ何はともあれね、これから決勝戦を始めたいと思いますけども。一応わたくしもですね、発声練習を兼ねてね、何とか拳を突き上げない事には…」
「はいみなさん、握り拳を天に突き上げて…ハイちょっと脇触ってみて。濡れていたら情熱の証です(笑)。そして、チクチクしてたら剃り残しだ!(大笑)」
「みんなっ燃えているかぁーーーっ!」 「オーーッ!」
「その握り拳に偽りは無いかぁーーーっ!」 「オーーッ!」
「まだまだ香港の夢は捨ててないぞーーーっ!」 「オーーッ!」
「香港行ったら、おいしいマンゴープリン食べるぞーーーっ!」 「オーーッ!」
「マンゴーは好きかぁーーーっ!」 「オーーッ!」
「マンゴー!」 「マンゴー!」
「マンゴー!」 「マンゴー!」
「マンゴーーーーー!!」 「マンゴーーー!」
「FIRE」三唱に代わって「マンゴー」三唱と相成った。だがこの時私には「ふーん、香港はマンゴープリンが名物なんだぁ」としか思ってなく、この言葉の真意をまだ理解出来ていなかった(え? 男なら気付けって? 悪かったな)。今度はステージ上の10チームに対して
「さぁ、決勝進出10チーム、燃えているかぁーーっ!」「オーッ!」
「絶対に東京に行く自信はあるかぁーーっ!」「オーッ!」
福澤「いいですねぇ。中部大会のみなさん元気あってやりがいありますよ。板谷くんはねぇ、えーとこの後は決勝戦のお手伝いをして頂いて…」
そして板谷アナはステージの下にいる敗者の女子高生50人のインタビュアーをする事になった。周囲から「いいなぁー」という声が聞こえる。
板谷「じゃあみなさんよろしくお願いいたします」
福澤「もし好きだったら触っちゃってもいいからね。ねぇー。でもヘソより下はやめてね。年頃だから(観衆笑)。」
福澤「はい、えー…わたくしつい、2時間ほど前に、名鉄常滑線にやってまいりました。新舞子の駅に降り立ちました。帽子を目深にかぶって歩いてここまで来たので誰にも気付かれませんでした(観衆:笑/筆者:ウソつけ)。」
この後、ルールの確認と注意事項が述べられる。
福澤「必ず、僕が学校名を読み上げてから答えを言って下さい。いいですね。学校名を読み上げてから答えるように。僕が学校名を読み上げる前に言った答えはですね、無効といたします。必ず松本深志なら『松本深志』と言ってから答えを言うように。いいですね。難しい名前の学校は特に無いですね。なお、ギャラリーの皆さんに1つお願いいたします。全国大会進出をかけての真剣勝負ですからね。答えが分かっても口には出さないように。いいですか。頭の中で眠らせて下さい。では参りましょう。早押しボタンに手を置いて。僕が問題を一言でも読んでしまったら、その後ポンと上がったその早押しボタンは有効と見なしますからね。では参りましょう。問題!」
★企画倒れの決勝戦★
「今年10月開業。東京/と…」 「松本深志!」 「あさま」 ピンポンピンポン
この速攻押しにギャラリーは騒然。
「凄いなぁ松本深志(オオーーッ!)。頭の中は何でも揃ってるんだなぁ。品数の多さはマツモトキヨシを上回ってるかも知れない。」
ところでこの中部地方にマツモトキヨシはあるのだろうか? そして2問目は郡上が誤答。3問目は松本深志が正解し、通過クイズ最初のチャレンジである。
「さ、よろしいでしょうか? ではこれから敗者・女子高生50人を使ってのHi&Lowクイズを行ないます。では最終決定権を持つ、1名! あちらの黄色いお立ち台に進んで下さい。…寺島くんですね。寺島くん。」
「それではですね。女子高生の皆さん50人に、手元のボタン・スイッチを押して貰う訳なんですが、そのスイッチの塩梅がよろしいかどうか、これ簡単にリハーサルを行ないます。これはクイズじゃありませんから…。こういった問題でテスト。わたくし、非常に興味のある所です。まず手始めに、問題『私・福澤朗なら付き合っても良い…と思っている』そう思う人は、スイッチ・オン!」
BGMが鳴り、50人の女子高生はその間にスイッチを押す。
「今、この会場でこの答えを知っているのは僕だけですね。なるほどねぇ。ちなみに寺島くん。これが50人の半分・25人よりも、Hiだと思いますか? Lowだと思いますか? 前を向いて答えて」
「Hi!」 ピンポンピンポン そして歓声と拍手が起こる。
「この多いと見るか少ないと見るか、非常にその、煮え切らない答えですねこれは(笑)。26名(爆笑)。ねぇ。さ、こんな感じで。ねぇ、実際、寺島くん答えて貰う時はねぇ、HiとLowの札を上げて貰いますからね。よろしいですか。実際に(ステージ下の正面にある)その電光掲示板に答えが出るのは僕が『オープン』と言った後に電光掲示板には数字が出る仕組みになっております。そんな感じで女子高生の皆さんにはですね。気軽にスイッチを押して頂きたいと思います。では早速参りましょう。松本深志高校に対する『敗者の気持ちHi&Lowクイズ』。正解すれば東京行きが決定いたします。」
ギャラリーからは「がんばれー」といった声援が飛び交う。
「フフーン…(観衆笑)。あ、なるほどねぇ。そうですかぁ。今まじまじと皆さんをですねぇ、姿形を眺めてるところです。さて、本日この会場でナンパされた、この質問。平均年齢45歳の男性。つまり女子高生の皆さんにとってはお父さん方の世代ですね。平均年齢45歳の男性50人にも聞いております。その結果、15人が『ナンパされるだろう』と答えました。では松本深志高校・寺島くんへの問題。本日女子高生50人、この会場でナンパされた。アンケートの数値は、15人よりHi or Low? …ホールドアップ!」
「Low!」
「Lowを上げました。つまり14人以下であると予想した訳ですね。いいですか? …14人以下であれば正解。松本深志は東京行きが決定いたします。では早速答えを見てみる事にいたしましょう。敗者・50人の女子高生の答え…オープン!!」
この問題も正解し、郡上高校も勝ち抜けた。その後、板谷アナが女子高生にインタビューを試みるがほとんど誰もしゃべろうとしない。答えたくはないわな。こんなの。
7問目:広末涼子のデビュー曲『MajiでKoiする5秒前』/
ここでボタンが押されたが、この段階で私の頭には以下の問題文が浮かんだ。
1:〜を作詞作曲したのは?
2:〜を作詞作曲したのは竹内まりや。では『大スキ!』は?
3:〜で、「ちょっと苦手」と歌われている街はどこ?
でもこの分だと素直に1番かな。
「皇学館」 「竹内まりや」 ピンポンピンポン
「よく先を読んだねぇ。これもし問題が『ではサビの部分を歌って下さい』だったらどすんの(笑)?」
「あ、歌います」
「じゃちょっと歌ってみてよ」
「ずっ とまっえっかっらーっ」
と、中途半端なところで歌うのを止めるので「もうちょっと(キリのいいとこまで)歌えよ」と思った。8問目を四日市南が正解し、三重県は両チームにリーチがかかる。そして9問目で旭丘が正解し、福澤アナとのやり取りが始まる。
「花嫁トリオいいですよ。…それレンタル衣装なの? 花嫁衣裳は」
「中古を買いました」
「あ、買ったんだ。一着いくらなの?」
「7000円くらい」
「そんなに安いの。じゃあ上手く行かなかった人のドレスかもしれないねぇ(笑)」
10問目で静岡高校が2ポイント目を獲得して通過クイズへ。
福澤「この“特別”といった意味合いは、それぞれ皆さんの判断にお任せします(笑)。」
そして今度も正解。インタビューでは相変わらず皆黙り込んでいる。ましてやこんな設問では…。福澤アナは「顔にボカシを入れるってのはどう?」「プライバシー保護の為に音声を変えてもいいよ」と言っていたが、そんなのを信用する訳が無い。そして「本当に好きならば、たとえ親友の彼氏でも奪う。」で旭丘が、「『コギャル』と言われるとムカつく。」四日市南が順に勝ち抜けた。
結局通過クイズを間違えたのは一回も無く(つまり挑戦したチームは全て一発で成功して勝ち抜けて、事実上ただの2ポイント先取早押しとなった。1回くらい間違えてくれないと面白くないと思ったのだが)、あっという間に全国大会進出チームが全部決まった。通過クイズの答えは全てLow。インタビューも全然会話にならないわで大失敗もいいところである。基準の対象もせめて「東京の女子高生」にした方がまだ迷う要素はあったのではないだろうか。早押しクイズの方は使用問題数がたったの14問。誤答は3問でキャンセルはなし。敗者5チームのうち正解を出したのは皇学館だけ。今回の勝者チームは概ね優秀だったと言えよう。表彰式を終え、いよいよお待ちかねの「アレ」である。
★今年の目玉企画・運大王決定戦★
冒頭でも書いた通り、今年の高校生クイズの決定的な特徴はこの「運大王システム」の導入にある。それを決める為の「運大王決定戦」がこれから行われる。ここでのルールをかいつまんで書くと、まずスタッフから敗者にアイスキャンディーが配られ、福澤アナの合図と共に一斉に食べる。棒に「当たり」と書かれているものが5本あるのでそれをゲットした人がいるチームが最終決定戦に進出となる。そしてこの抽選をものにした5チームがステージ上に上がってくる。その5チームは先程決勝で使った10台の早押しテーブルの中から好きな席を選ぶ。10台のうち1台だけ早押しのスイッチが作動するものがあるのでその席を選んだチームが運大王となる。だがその席に誰もいなければ運大王は「なし」である。各々がここぞという席を選び、いよいよ運命の時を迎える。
福澤 「目指せ東京!」
高校生「運・大・王!」
福澤 「スイッチ・オン!」
ポーン 見事運大王となったのは浴衣を着た女性チーム、愛知県の丹羽高校であった(ただし決勝で負けたチームとは違う)。3人とも大喜びである。そして私はこの「運大王システム」はあっていいと思う。そしてそれが終わると2回目のグッズ抽選会が行われる(もちろん運大王の可能性が無くなってもすぐに帰らないようにする為)。それを見届けた後、多くの高校生と共に新舞子を後にした。その時刻は5時頃だったろうか。
すし詰めの名鉄常滑線の列車に乗って新名古屋駅に着くと、折角名古屋に来たからとしばらく駅周辺をブラブラしたあとJR名古屋駅に入り帰りの新幹線の切符を買う。だが指定席も自由席も満席状態で、仕方なく車両端にあるドアの前の通路(乗ったのはひかり号で名古屋から新横浜までノンストップなので乗り降りの邪魔にはならない)に立つ。だがこのスタンスを2時間も続けられないので途中で座り込んで眠りこけていた。そして気がつけば、顔と両腕の皮膚が真っ赤。見事なサンバーンの日焼け状態になっていた。そのおかげでしばらくの間ヒリヒリ痛くてしょうがなく、風呂もまともに入れなかった。これを教訓に次からは日焼け止めクリームを持って行こうと心に決めたのだった。