− 第20回北海道大会 −


 これまで北海道大会へは、費用が圧倒的にかかる事に加え、県別に分かれていないのでクイズの分量が少ない事もあり、行く気にはなれなかった。しかし、ここ2回のホーム&アウェーの会場が続けて北海道になって「全国大会会場の旅・北海道編」を敢行する絶好の機会である事、東京と和歌山で同一校が2つの代表枠をせしめたので今度も同じ事が起こるのか!? 福永アナと「持ち物チェック」をこの目で見たくなった事(笑)、そして札幌南高校の優勝旗返還と見所づくしの今回、行かない手はない。それにクイズに関係なく北海道(あと沖縄)は死ぬまでに是非一度は行ってみたかったし(^_^;)。でもこの時期北海道への航空チケットは取りづらい。おかげで行きは全日空、帰りは月曜朝8時発のエアドゥと変則的な便を使わざるを得なかった。運賃も往復42000円と、覚悟はしていたと言え非常に堪える。

 大会前日の8月5日、家を出てから京急を乗り継いでまず羽田空港へ。受付カウンターで搭乗手続きを済ませてからしばらくは周辺を散策。搭乗ロビーに駅の改札のようなゲートを経て機内へ。座席が中央側の、通路を挟んだ場所なのが残念。今までに夜行バス・新幹線・ブルートレイン・船(フェリー・高速艇)には乗ってきたが、飛行機は初めてで今までにない高揚感が私にはあった。機体が滑走路に入り、加速して浮上したところで「うおぉー」と頭の中で小躍り(^_^;)。目の前のスクリーンには機体に取り付けられたカメラで外の風景が映し出されてはいるが、所詮スクリーン。迫力は感じない。座席から離れた窓を覗いても見えるのは翼と雲だけ(;_;)。機内サービスのオレンジジュースを飲んでいるとスクリーンに『ピカチュウピチュウでチュウ』を上映していたので折角だからと見る。さすがANA(笑/でも私が乗ったのは「ポケモンジャンボ」じゃないから。念の為)。10時半ごろに新千歳空港に到着したが、雨がぱらついているのが残念。

 この日は札幌市内をいろいろ散策。宿はいつものようにカプセルホテルにするつもりだったが、どこも満室! 今までそんな事は一度も無かったのに…。やはり国内屈指の観光地で全国民憧れの的である北海道ならではということか(しかも丁度観光シーズンだしな)。仕方が無いので翌日の会場の最寄駅である地下鉄新道東駅のバスターミナル脇で生まれて初めての野宿を余儀無くされた。持って来た長袖をはおり、建物の陰に隠れるように眠りについた。時刻にして深夜2時くらいだったであろう。

 目が覚めたのは午前4時ごろでロクに寝られなかった。しかも寝る前よりも遥かに寒い!! 長袖着てても全身に悪寒が走る。8月なのにこれが北海道の気候か。今まで生きていてこれほどまでに命の危険を感じた事はなかった。真夏の時期だったからまだ良かったものの、冬だったら(秋や春でも?)絶対に死んでただろう。この夏の猛寒(!)に耐えつつ周辺を散策し、6時半ごろにやって来る最初のバスまでひたすら待ちながら凌ぎ続けた。バスに乗って会場のモエレ沼公園に到着したのは7時前。この公園、ハッキリ言って素晴らしい! 入口からクイズ会場の広場まで10分近く歩いた程広大で、周囲を囲む沼・緑広がる芝生の広場・そして特筆すべきはピラミッドを模した人工山の頂上からの360度パノラマ(!)による札幌の風景。遠くには前日行った野幌森林公園の百年記念塔も見える。北海道へ行ったなら是非見て欲しいスポットだと断言する。下を見下ろすと既に準決勝と決勝のセットが出来あがっており、今回移動が全くないのが分かる。バス乗り場から受付ゲートまでの順路には過去の北海道大会の第1問が全て掲示されている。高校生に出目勝負をさせる気なのか? ステージからは「山下元気かー!?」とEディレクターの声が聞こえる。そう、東北に続いてのコンボでやってきた神(山下)や局長や原くんらがやってきたのである。彼らと合流し、私と同様この景色に感激している。そしてクイズ会場の広場を見下ろすと、毎年恒例の高校生を北海道の地形になるように集めて人絵を作っている様子がハッキリと分かる。いつもはヘリからのカメラでしか見られないのでこれは嬉しい。そしてその空撮用ヘリコプターが会場周辺を何度も旋回する。高い位置にいる分ヘリがかなり近づく事になるのでこちらの方向に向かってくる度にドキッとさせられ、それはそれは大迫力のシロモノだった。受付も終わり、いよいよ第1問の発表である。

「北の大地の民芸品・木彫りの熊の第一号は、
冬の期間の仕事として、北海道で独自に生み出されたものである。」


 合図と共に北海道の人絵が崩れ去り、高校生達が思い思いのエリアに別れていく。ところでこの問題で引っかかるのは、何をもって「木彫りの熊の第一号」を定義するのだろう。もしYESなら古代の時代まで遡って他に存在しない事を確かめなければならず、そんなのは不可能。よってNOだ。高校生の方だがYESとNOの割合が7:3といったところ。  「ロープマン」がエリアを区切ると例によって大画面にオープニングムービーが流れてステージの穴から福澤アナが登場し、いろいろ喋った後に優勝旗返還。ここしばらく優勝したのが3年生チームだったので校長が返還するパターンが続いたが、前回は2年と3年の学年混合チーム。卒業で抜けたメンバーを補充した札幌南高校の前回優勝チームがステージ脇から上がって来てあっさりと優勝旗を返還しただけ。案外つまらなかった。ちょっとインタビューしてからどちらかのエリアに行ってもらう段に。彼らが選んだYESエリアの高校生は大喜び。そして今回の正解発表は、コンサドーレ札幌の高木選手がシュートしたボールがYESまたはNOのパネルを打ち抜くところを大画面に映し出すというもの。結果、正解はNOだった(それにしてもここであの事前番組(怒)の取材をしているとはちっとも知らなかった)。そんなに間違えるとは思えないこの問題で、ディフェンディングチャンピオンをはじめとした約7割が散った。そこへ

「ちょっと待ったーーーーー!」


札幌テレビ(STV)の福永アナが2人の女性アナを引き連れて敗者復活を要求する。今回の条件は、J2リーグのチームを全て答えること。当然全て正解して敗者復活戦をすることになるが、これを読んでる皆さんはこのくだりが答えを事前に暗記している事も含めて全部台本通りなのはお気付きであろう。最後にコンサドーレ札幌を残して「さぁ皆さんご一緒に!」と高校生達にも答えさせるあたり台本の存在を露骨に際立たせてしまう。で、YES−NOクイズの続き。

2問目「Jリーグの試合、雪が降った時のために、色付きのボールが用意されている。」
3問目「1万円札が半分に破れても、半分の5000円に替えてもらえる。」
4問目「ここ北海道と四国が、本州と陸続きになった年は同じである。」
5問目「『それいけアンパンマン』の「ばいきんまん」のモデルになったのは、ハエである。」



正解はYES・YES・NO・YESの順だが1問ずつコメントを。

2問目は普段からスポーツニュースに目を通していれば簡単に分かる。
3問目は過去の高校生クイズにもウルトラクイズにも出てる○×の超定番問題。クイズを志すものなら絶対押さえておくべきもの。
4問目は完全な知識問題。要は青函トンネルと瀬戸大橋が出来た年の時間軸を思い浮かべればいい。
5問目が今回一番難しかったと思う。でも普通の人の感覚からして、ばいきんまんに「ハエ」のイメージがあるかと聞かれれば「NO」と答えるであろう。だから意外性でYES。従ってこの問題文は問題作成者が思いついたものではなく、事実が先にあってそれを問題にしたと推察できる。

5問終わった時点で残るは23チーム。勝ち抜けられるのは20チームとの事だがここで全チーム合格にしてYES−NOクイズを終わらせた。今回私は全問正解だった。

 いよいよ敗者復活戦。福澤アナと同様に、ステージの穴からフュッと福永アナが登場。前回は西城秀樹のヤングマンの衣装だったが今回は「無敗の男」ということでヒクソン・グレイシー(つまるところ裸に白タイツ)だ。

福永「ヒクソーン! ヒクソーン!
あーーヒクソーーーン!!」


局長「最低ー!」
(ちなみに北海道大会の番組を見ると高校生が思いっきり引いてるのが分かる)

ルールは北海道大会のマンネリ名物企画(笑)なのでいちいち語るまでもないが今回のネーミングは「持ち物大抽選会」。ところでこのコーナーだけディレクターがE氏ではなくSTVの人になる。地元スタッフが企画進行を仕切る事は他ではないはずだ。となるとこの企画はSTVたっての希望なのか? いったい何がSTVを持ち物チェックに駆り立たせるんだろう。北海道の高校生や視聴者は毎年これでも飽きていないのだろうか。参加者に送られる通知には「今年も持ち物チェックやります」と書いてあったらしいし。て事はさっきの敗者復活を要求するシーンはいったい何だったんだ! ところでその担当ディレクターだが、福永アナを「クソン・グレイシー」と呼び、声がE氏に激似(爆)なので仲間内で「親戚なんじゃないのか!?」という話になる。

まず最初に選ばれた条件はカメラ。続いて電卓(純粋な電卓のみ。ノートパソコンや電卓機能付き携帯など「電卓の機能を持った他の物」はNG)、目薬。4回目の抽選をしようとしたその時!

「ちょっと待ったーーーーーっ!!」


山の頂上から誰かがそう叫んだ。私や局長には誰だか分からないが、高校生達は騒ぎ出し、大喜びで一斉に山のほうへ向かってくる。神が知ってたので聞くと彼は大泉洋という、北海道ではかなり有名なローカルタレントだそうだ。道内各局の情報番組などによく出ているらしい。そういえば数日前にSTVのHPを見た時「北海道大会にビッグゲストが来る!」と、顔にモザイクをかけた誰かの画像を載せてたが、この人だったのか。大泉がてこずりつつ急斜面の山を降りていくと、何と「敗者復活戦の敗者復活戦」をやるという。つまり現時点で確定したはずの敗者の中から大泉が指定したものを持っていれば前の3つのものを持っていなくても4つ目以降の抽選に参加できる。そして指定したのは20世紀末ということで「20世紀梨」。後で梨なら何でもいいと言い出すが、今の時期全チーム捜してもいる訳ないだろ…と思っていたらやっぱりいなかった。それならばと次に指定したのは「ポケベル」。数年前は高校生のトレンドグッズだったポケベルも携帯電話花盛りのご時世、持っていたのはわずか2チーム! 実はこの「持ち物チェック」は高校生の世相を見事に浮き彫りにする名企画なのである(ホントか?)。これが終わると大泉はディレクターに追い払われるかのようにステージから消えていった。

 再び福永アナが抽選を続ける。体温計、2000円札、水着ときてまだ9チームも残っている。2000円札や水着はともかく、なんで体温計なんざ持ってるんだ。7回目の抽選…出た! 「高校生世相反映シリーズ」が。持ち物チェックには「今流行っている物」がいつも登場する。過去の例として「カラオケボックスの会員証」「プリクラで撮った写真」「ドラえもんグッズ」「ピカチュウグッズ」などがそれだ。そして今回は「キックボード」。これで1チームだけになり、敗者復活戦は終わった。復活チームは何と準々決勝が免除されて準決勝からクイズに参加するそうだ。

 正式な勝者23チームに待ち受ける準々決勝は5ポイント先取の前進三択。ここでも多地区同様に司会は福永アナだ。準決勝へ行けるのは10チーム。展開として6問目でまず1チーム勝ち抜け、9問目で残り座席をオーバーしてのサドンデスになった。つまりここでは3ポイントのハンデをつけられたとしても勝つチャンスがあったわけだ。11問目で決着が付いた。





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