− 第18回関東大会(簡易版) −


 この日は5時起きして6時に家を出る。東急東横線や西武池袋線を乗り継いで西武ドームに到着したのはまだ9時前。来ている高校生もまだまばら。周辺を歩いているとテレビカメラが内蔵されたボックスがあり、そこで何かパフォーマンスをしてという事前番組の企画。オンエアは8/29(土)午後4時から1時間弱。珍しく全国放送の当日の夕方じゃない。まっとうな学生や勤め人に見て貰えるよう配慮したのか。どうやら今回は生放送じゃない? 大半の予選を見てきた者の立場からしても是非放送して貰いたい場面は山ほどあるんだけど今年こそは大丈夫なんだろうなぁ。あと、特設なんだろうショップでは番組のHPで宣伝されていた「600個限定・運大王ピンバッチ」も売っている。売ってる物のラインナップを見て「ポケットピカチュウ」に対抗して「ポケットなんだろう」を作ればいいのにと思った(^_^;)。ドーム入口前を見てみると、今回はないと思っていた例の大画面があるし、セットも大掛かり。しばらくすると既に予選を勝った代表40チームも出てくる。が、まだリハーサルの段階なのですぐに引っ込む。しばらく広場を歩き回っていると原くんと合流。そして彼に筑波大附属駒場高校クイズ研の山下雄太くんを紹介され、自分の名刺を渡しておいたが、すぐに別れた。

 10時10分頃に前説が始まり、同20分頃に福澤アナ登場。いろいろ喋った後、代表40チームのお披露目。だが運大王の9チームの姿が無い。そして第一問が全国大会の第一問でもある事が発表された。

「世界の通貨の中で、水に浮くコインは、日本の1円玉だけである。」


1問目の発表をすると代表チームが引っ込み、続いて第2問が発表される。しかし1問目はなんでこれが関東の1問目なんだろうと首を傾げる。2問目の方はサッカーワールドカップと西武ドームに関する計算問題で、むしろこっちの方が1問目に相応しいと思うけど。発表が済むと福澤アナはさっさと舞台から消えた。いよいよ大会が本格化し、自分も計算をしたりして自分の答えを決めておく。1問目はあれこれ考えて悩んだが結局第一印象のまま固めてしまう。原くんの結論も私のそれと一致していた。12時過ぎに受付が終了し、ゲートが閉ざされる。入口前にあった大画面も撤去された。同25分頃、ライオン専務による応援の言葉と日本テレビ編成局次長による開会宣言を経て、他の予選でも流れたオープニングムービーが流れて福澤アナが「皇帝姿」で登場。いろいろ叫んだり、高校生クイズ用CM撮影で福澤アナの「高校生クイズも」に続いて「営業中!」とシャウトさせたり、各都県の参加チーム数を発表したり(山梨166、群馬335、栃木472、茨城479、神奈川876、千葉918、埼玉1434、東京2245で合計6925。少ない。これで関東大会史上最低の数を記録。もう少しで6回の中部(5998チーム)に追いつかれるぞ)してから40の代表が1チームずつYESかNOのシートまで走りこんで行き、関東の参加者はその選択に一喜一憂する。そして正解発表を迎えるのだが、我々が見ているそばで片方だけ係員をヤケに配置していたり、勝者を誘導するためのロープが既に張られていて一足早く正解が分かってしまった。そして私は関東1問目3年連続不正解の憂き目に(;_;)。正解が発表され、狂喜乱舞する高校生を見てから不正解側のゲートが開いたので早速入りこむ。代表40チームは福澤アナに「覚悟しておいて下さい」と言われ、このクイズの意味を知らされないまま客席中心部のボックス席に移動する。ドーム内やジャンボトロンが見えた所で第2問の正解発表。また不正解。これまで片方は当てていたのに今年は両方(T_T)。ここで第1回抽選会が行われ、まずどの都県と対象にするかの抽選を行い、ここでは栃木県に決定。そしてその中から5チームに賞品を与える事になった。

 2問正解したチームがグラウンドに降りるが、かなり少ない。スタッフが「2問目をちゃんと計算した人」「あてずっぽで当てた人」を質問していたが、後者の方が多い。福澤アナから「あと5問しかやりません」と宣言される。3問目は圧倒的多数が正解、4問目は半々に分かれ、その後の問題は多い方が正解していった。決勝進出は各都県5チームと告げられ、YES−NOクイズの勝ち残りは山梨が1、群馬が4、その他の都県は6チーム以上。ここで福澤アナが引っ込み羽鳥アナが登場。まず敗者復活アジャストクイズで群馬から5チーム、山梨から10チームを抽選する。該当者がグラウンドにやってくるまでの間、6都県による2回戦が行われる。形式は昨年と同じ7ポイント先取の3択クイズ。まず7問目で東京が1、千葉が2チーム勝ち抜け。8問目で東京が丁度残り4チームを埋める。神奈川は9問目で4チーム抜け、10問目で3チームが7Pに到達してサドンデスとなり、16問目で決着。続々と決まる中、困ったのがもともと6チームしかいない栃木県(レベルの低いチームが抜けるのを待たなければならないから)。サドンデスになる事無く、20問で終了した。そして決勝のセットを設営している間、第2回抽選会が敢行された。

 決勝はこれまた昨年と同様のルール。その中には筑駒の山下くんが残っている。クイズでは開成高校(これまたクイズ研)と出入りの激しいクイズを展開したが彼のチームが2抜けを果たし、念願の全国大会進出を決めた。だが決勝全体と通して出た問題が先日の四国岡山で聞いたものとバンバン重複している。九州のバラマキで中国の問題を流用したのと同じである(後で原くんに話すとその他のところで出た問題もあったそう)。どうせ放送されないからか、昨年に続いて本を出さないからか、何たる手抜き。

★最後の運大王決定戦★
 5時10分に決勝が終わると運大王決定戦。グラウンドの後ろにはいつの間にか運大王の9チームがいる。福澤アナの「運大王 入場!!」の掛け声と共に運大王達が手をつなぎ合い横一列に並んで走りこむ。それにしても浴衣の開邦高校、看護婦の桃陵高校、そしてガチャピンの修猷館(しゅうゆうかん)高校と女子チームが目立つ目立つ。形式は言わずもがな。関東からは2チーム出すと思っていたのだが、ここでも運大王は1チームのみとのこと。ここではもし「王手(リーチではない)」がかかったら客席最前列のネットに張り付くよう指示される。まず1文字目に「ふ」、2文字目に「け」が出たので福澤アナが「フケが出たらライオンシャンプー!!」と叫んで「これも世渡りです」と締める。8文字目の「き」で最初の王手が出て、その後続々と王手のチームが続出する。そして15文字目の「も」でビンゴが出た。運大王になったのは群馬県立吉井高校の男子チーム。関東代表の表彰式では県立千葉高校の誰かが何かの問いに「林原めぐみさん」と答えていた。福澤アナには「まぁ見てないと思うけど」と返されたが、隣にいた声優好きの原くんはすかさずスタンドプレーに乗り出していた。それが済むと、すぐさま全国大会が始まる。オープニングを考えると関東の代表だけ条件が違ってくるんじゃないかと思ったが、そこにぬかりはなく、各チームごとにそれぞれ違った問題のYES−NOクイズが出題され、問題が出されると国旗10択クイズの時に流れる音楽と共にYESかNOのシートに走りこむ。9問終わると続いて、まだ撤収されていない10台の解答テーブルの上で運大王の全国大会が行われる。

★人身御供となった運大王★
 タイトルは「気合充分書き書きクイズ」。形式はサドンデスのボードクイズで勝ち残れるのは1チームのみ! しかも運大王には校名プレートはなく、問題が出る度にフリップに答えと共に学校名も書き込まなければならない冷遇ぶり。まず「今年のサッカーワールドカップで優勝した国は?」という全員正解できる問題からスタート。3問目「イモリとヤモリ。両生類なのはどっち?」で、今しがた運大王になったばかりの吉井高校が失格。4問目「米の生産量世界一の国は?」で開邦高校ともう1チームが失格(正解は中国)。5問目「犬のシェパードの原産国は?」で一気に5チームが失格し、近畿の明星(めいせい)高校と九州の修猷館高校の一騎打ちとなった(正解はドイツ)。明星は何ら目立つ所の無い男子チーム。かたや修猷館はメンバー3人がガチャピンの着ぐるみを着た女子チーム。会場での好感度は一目瞭然で、みんな修猷館を応援している。ちょうど東北の決勝での岩谷堂高校と同じである。その後の2問は双方正解。そして8問目「英字のアルファベットは26種類。ではギリシャ文字は何種類?」書いた答えは明星は「24」、修猷館は「26」。そして正解は24! こうしてギャラリーを落胆させつつ運大王全国大会は幕を下ろした。問題は一般常識もあってかなり易しく、クイズの勉強をしている人ならまず間違えないレベルで、私も全問正解だった。それにしてもこんな企画をやったら運大王のありがたみが無くなるんではないか!? 昨年よりはマシだろうけど、これじゃあ高校生達はこんな目にあってまで運大王にはなりたくないと思うだろう。

※知っての通りこの模様は全く放送されず、最初から運大王は無かったかのような扱いになっていた。これは最初から、運大王をやめるための運大王だったわけだ。実際次の19回では黙って運大王をやめたのだし。言い換えればこの10チームは「Eディレクターの生贄」にされた訳だ。

 福澤アナのアナウンスでは、次の2回戦は「結婚式」と「お葬式」に分かれていて、先程のYES−NOクイズに正解したチームが「結婚式」に招待される。今までの流れを整理すると、関東以外の代表40チームのうち、全国大会の第1問に正解したのは12チーム、不正解28チーム。関東代表の個別のYES−NOクイズでは正解が5チームで不正解は4チーム。明星高校はどちらのコースかを抽選で選び「結婚式」を引いた。この時点で「結婚式」行きは18チームだが、「結婚式」に招待されるのは40チーム。不正解の32チームは残り22の席をかけて、札上げ式のYES−NOクイズが行われ、4問で「結婚式」行きのチームと「お葬式」行きの10チームが決定した。

 日もとっぷり暮れてもう7時30分。一昨年の関東が終わったのも丁度この時分だったろうか。これで全てが終わったと思いきや、今頃になって第3回抽選会をやると発表された。運大王決定戦も終わって人が殆ど残っていないのにそんな事やってどうする。全国大会進出チームはスタッフに誘導されてレストラン「獅子」に入りこむ。そこにはテレビカメラもあって気になったのだが、私は原くんと一緒に帰る事になり、その後の事はオンエアまで待つ事にした。果たして「結婚式」「お葬式」とは何を意味するモノなのか!? 大きな謎を残したまま西武ドームを後にするのであった。



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