★プロローグ(前日編)★
先日の岩手で大阪行きの夜行バスのチケットを取り損ねた私が近畿大会を見に行くにはもう新幹線しかない。時刻表を見るとそのための便は6時16分新横浜発の「のぞみ301号」だけのようだ。前日の8月2日、JR保土ヶ谷駅のみどりの窓口で切符の予約を試みる。休日の大阪行きは需要がありそうだから取れないかも知れない。取れなかったら近畿大会を見に行くのは諦めようと思っていたが、空席はあった(のぞみは全車指定なので)。値段は(片道)14600円。中国の時と違って余り高いと言う感覚はしなかった。切符を買った後は(別に切符を買って)そのまま電車に乗り桜木町へ。パシフィコ横浜で行われているコンピュータ通信ネットワークイベント
★プロローグ(出発編)★
そして翌日。私は4時起きして朝食や出かけの準備をする。まだ家から駅までのバスが無いので歩いて保土ヶ谷駅まで行こうと思っていたのだが、父親が新横浜駅まで車で送ってくれると言うのでそれに甘える事に。着いたのは朝の5時半頃。周辺にはコンビニも無く、ほとんど何も無いような状態である。辺りを歩いたりして時間を潰したら駅の改札を通り、新幹線のホームで待つ事にする。ちょうどダイヤ通りの時刻に「のぞみ301号」が到着したので乗り、早速指定の席に着く。車内は事前の想像に反してかなりすいている。この便は名古屋を通過して新大阪までノンストップで走るので快適である。それでも2時間以上かかるので暇つぶし用に持ってきたポータブルCDプレーヤーを取り出し、東北の時は聴けなかった金月真美の『サマーブレイク』を初めて聴く。歌詞を見ながら2周聴いたころには、もう関西圏に入っているようであった。景色を見ながらゆっくりと片づけをして、8時30分に新大阪駅に到着。そこでは腹痛が起きたりもしたがすぐに回復し、事前の計画通り地下鉄御堂筋線(というより北大阪急行)に乗って千里中央へ、さらに大阪モノレールで会場の万博記念公園へ向かうというルートをとる。その途中で周囲の会話に耳を傾けてみて、改めて大阪へ来たんだなぁと言う事を実感する。そう、野郎も女の子もおばちゃんも、みんな関西弁ベラベラなのである。この光景を目の当たりにした私は軽いカルチャーショックを受けた。千里中央ではもうたくさんの高校生が詰め掛けている。万博公園前に着き外に出るとすぐにエキスポランドが目に付いた。「俺だったら準決勝はここでやるな」と思いつつ、万博記念公園の自然文化園に着く。ここは有料施設なので入場料の150円を払って(もちろん今回参加する高校生はタダ)中に入るといきなり「太陽の塔」を目の当たりにする。そしてしばらく歩くとクイズ会場の「西の広場」に辿り着いた。時刻は9時半頃。
★次なる会場はどこか!?★
今回決勝はここでやるのだから隣のエキスポランドでやった方が手軽だと思うのだがその保証はない。会場に着くと早速調査開始。その途中、明らかに高校生を乗せると思われる1台の大きな観光バスを発見。という事は遠出をするのか? よみうりテレビならどこへ行っても、どんな遠出をしてもおかしくない。3日前の東北の恐怖がよみがえる。取り敢えずバスから離れて調査を続行。その結果、準決勝をエキスポランドでやる事や、2回戦がチキンレース近似値クイズである事などが分かった。あの観光バスは単に勝者の高校生の休憩用という事であろう。よみうりテレビの中元アナの前説によると、そろそろクイズが始まるようなので、なるべくステージが見やすく音声が拾えそうな場所でクイズを見る事にする。
★吉本新喜劇、現る!!★
本番が始まって、聞こえてきたのは福沢アナの声。「…しかし、今回、私が皆さんの前に現れるのは決勝戦のみ! そこでこの近畿大会、私の代わりに強力な助っ人を用意しておいた。出でよ、助っ人たちー!!」
ギターサウンドの後に現れたのは、島木譲二、山田花子、石田靖ら吉本新喜劇の面々であった。
島木「みんなー、燃えてるかぁー!!」
「オーーーッ!!」
石田「よーし、近畿大会最後まで勝ち抜くぞーーっ!」
「オーーーッ!!」
山田「ワタシに惚れるなよーーっ!」
…とまぁちょっとしたやりとりを経て、第1問をいきなり石田が読み上げた。
★三浦&脇浜アナ登場!★
和歌山県 | 204チーム |
滋賀県 | 317チーム |
京都府 | 358チーム |
奈良県 | 368チーム |
兵庫県 | 561チーム |
大阪府 | 1006チーム |
合計 | 2814チーム |
その後YES−NOクイズはあと5問(計6問)しか出さない事が発表される。さらにペーパークイズがなくなった事について
三浦「ということは、ある程度賢くないチームでも勝てるという事ですか」
脇浜「これで奈良高校と東大寺学園ばかりが対戦するという事はなくなります」
おい、司会者がそんな事言っていいのか? それって番組側が(奈良高校はともかく)東大寺学園は目障りだと高校生の前で公言しているようなものじゃないのか(ところでこのくだり、近畿でのオンエアで使われてましたか?)。
YES−NOクイズが終わって勝ち残ったのは和歌山が2チームで他は全て5チーム以上。和歌山のみでの敗者復活アジャストクイズは、最初の抽選で選ばれた2チームがあっさり正解して和歌山の高校生からはブーイング。続くチキンレース近似値クイズの問題は
★凝りに凝った企画の準決勝★
準決勝のクイズは題して「エキスポランド一周双六ゲーム」という、どこかで聞いたようなネーミング。基本的なルールは、このエキスポランドに5つのチェックポイントが設置されていて、先にゴールしたチームから勝ち抜けというもの。第1ポイントのクイズは各府県1チームずつ4つのブロックに分け、抽選で選ばれたブロックに対して一問多答の問題が出題される。脇浜アナの読むその問題をリレー形式で全てのチームが正解すれば全チームが第2ポイントへ進め、その順番に各府県の順位を示すプレートが手渡される。誰かが間違えた場合はまた抽選をやり直す。問題はかなり易しく、5問で全ての順位が確定した。早速高校生の後を付けながら次の目的地へ向かう。
第2ポイントに着くと、もう三浦アナが問題を読んでいる。ここでのクイズは目の前にそびえ立つエキスポランドのシンボルである観覧車「テクノスター」と別のものとを比較するHi&Lowクイズ。どんな問題が出ていたかと言うと
・テクノスターの直径は、世界最大のピザの直径より上か下か?
・テクノスターの直径は、世界最大のパエリアの直径より上か下か?
・テクノスターの直径は、スペースシャトル・エンデバーの全長より上か下か?
・テクノスターの直径は、法隆寺五重塔の高さより上か下か?
・テクノスターの定員は、マクドナルドの店舗数より上か下か?
なお、正解はちゃんと記録していなかったので割愛。ここから第4ポイントまでのルールは正解すると先へ進め、不正解だと足止め。後からやって来た同じ府県の次の順位のチームが正解すれば順位が入れ替わる。
第3ポイントは「大幽霊屋敷」というアトラクションを使ってのクイズ。ここでのクイズはどんなものかは分からなかった(屋敷の中で問題が出されたという事を分かっていなかった)。解答の方法は屋敷から出てきたチームがそばにある灯篭に向かって答えを言う。正解だと目の前の幽霊がバンザイするが、不正解だと幽霊にしばかれる。各府県の順位が確定したところを見てから次のポイントへ向かう。
第4ポイントはただのサイコロ振り。面には「GO!」「STOP」の2種類が書かれていて、ご丁寧に『ごきげんよう』にもあるようなサイコロストッパーまで備えている。そしてそこに「バカボンのパパ」のような格好をした人(誰だか分からんかった)が実況をしているが、こんなの見てもしょうがないのでさっさとこの場を去る。どうでもいいが移動中、ウルトラマンの格好をしている奈良県の西大和学園がエキスポランドで遊んでいる高校生に写真を撮られているのを見た。しかしこの近畿大会、見ていて何か張り合いが無い。やっぱ自分の中では東大寺学園がいてくれないと高校生クイズという気がしない。事実、今日ここへ来た理由の半分は東大寺学園目当てだったし。
それはさておき、いよいよ決勝進出をかけての最終ポイントに到着。場所は大型のウオータースライダー「スプラッシュフォール」。乗り物が池のところまで来ると巨大な水しぶきがあがる、富士急ハイランドの「グレートザブーン」のようなアトラクションで、しかもその水しぶきを客がかぶるための橋も設置されている。これまでのチェックポイントで順位を入れ替えてきた高校生が全て揃い、各府県ごとに順位に沿った列が作られてからルールが説明される。まず各府県の1位から3択クイズに挑戦し、正解なら決勝進出。不正解なら列の最後尾に並び直して次の順位のチームが3択に挑戦する。そして正解発表の方法は、各チームの一人が「決勝」と書かれたボードを受け取り、先程書いた橋の上でボードを掲げたまま水しぶきを浴びて「決勝」の文字が残っていれば正解。水に流されていれば不正解というもの。
最初の会場に戻ると、高校生達は何故か番組のロゴマークをあしらった紅白2種類の団扇を持っていて、ステージの左右両エリアに分けられている。そして準決勝にあれだけの時間がかかっていたにも関わらずまだ中元アナが抽選会をやっていた。よく持ちこたえられたものだ。それと、抽選をする時に流れる音楽が他の予選でも流れていたものの他に、明らかによみうりテレビが作ったと思われるものも流されていた。そんなのまでいちいち作るかい>よみうりテレビ 抽選会が終わるとスタッフが決勝のセットを設営する。これまた明らかによみうりテレビが作ったと思われる紅白に色分けされた早押し席が設置された。運大王決定戦に関係があるのだろう。あの団扇の紅白は何を基準に分けたのだろうかと思ったが、スタッフの会話から「登録番号の偶数が白で奇数が赤」と言う事が分かった。私は参加者ではないただの見学者なのでスピーカーに程近い柵の外で見ようとしていたのだがスタッフに「危ないから(柵の)中に入って」と言われたが、いいのだろうか。回りを見ると何かアンテナのようなものが何本か立てられている。「危ない」というのはここから火花でも飛び散るのだろうか? 私はそこから離れて柵の中に入る事にするが、何か居心地が悪い。そしてしばらくして、BGMが流れ出した。
★そして決勝。福澤登場!★
大阪府 | 私立初芝富田林高校 VS 私立清風高校 |
京都府 | 私立洛星高校(下津チーム) VS 私立洛星高校(土井チーム) |
奈良県 | 私立西大和学園高校 VS 県立畝傍高校 |
和歌山県 | 私立智辯学園和歌山高校 VS 県立南部(みなべ)高校 |
滋賀県 | 県立虎姫高校(橋本チーム) VS 県立虎姫高校(フジミ(漢字不明)チーム) |
兵庫県 | 県立伊丹高校 VS 県立加古川東高校 |
特に和歌山県の2チームは共に敗者復活アジャストクイズで勝ち上がったチームである。決勝のルールは、全体早押しで2ポイント取ると同じ県の相手チームとの通過・阻止をかけての早押しになる、ただし阻止席に回るのは1人だけ。通過席のチームが正解すれば全国大会進出となる。通過側の誤答・阻止側の正解は1ポイントに戻ってまた全体早押しへ。そして紅白のセットは、それぞれの色から勝ち抜けたチーム数で運大王決定戦の予備抽選を行うので敗者たちは自分の色のグループを応援することになる。
★最後の運大王決定戦★
クイズが終わったらいよいよ最後の運大王決定戦である。「ここで東大寺とか灘とかが運大王獲ったら面白いんだけどなぁ」というのが私の感覚なのだが、はてさて。決勝で予告されたようにまず予選通知葉書の半券による予備抽選で紅白計6チームを選び終わり、この段階で運大王の可能性が無くなったチームがぞろぞろと帰り始める。そして最終決定戦のルールは中部と全く同じ。「このルールなら出る!」と思った私は「運大王予想」を試みる事にした。
★教祖謁見★
今年の高校生クイズの旅の仕上げ。それは「教祖謁見ミニオフ」の敢行である。これまでの予選では実現出来なかったが最後のチャンスである今回こそやろうというものである。その「教祖」とは大前剛志さん。第6回で優勝した東大寺学園の人で、優勝以前から現在まで各地の予選。更には全国大会や各予選の番組までをも見て回っている「ミスター高校生クイズ」である。ところで何故にこの人が「教祖」なのか? 大前さんのFQUIZへの書き込みを引用する形で説明しよう。
>北陸大会では、「大前さんですか。僕も予選を回っているんですよ」という人に
>4人も声をかけられてしまいました。さらに沖縄でも。(中略)一部スタッフの
>間では、これを「大前教」というらしい。
大前さんとは直接面識はないものの、FQUIZ上で何度もやり取りしているのでちゃんと名乗れば分かって貰えるだろうと言う判断である。大前さんを見つけ、勇気を出して声をかける事に。
「すいません。あのぅ大前剛志さんでしょうか?」
「はいそうです」
「あ、はじめまして、FQUIZの●●です。いつも会議室でお世話になってます。」
いよいよ「(一人で勝手に)教祖謁見ミニオフ」の開始である。まず今大会の感想を求めた所
「いやぁ、また美人コンテストでしたねぇ。私の予想した通りのチームが運大王になりましたよ」
美人コンテスト…しまった、すっかりそれを忘れていた(この後自分が予想したチームを話したが、さっき書いたようにあくまでも直感です。決して好みで選んだ訳ではありません。好みでいったら私だって芦屋南を選んでますよぉ。だから見る目が無いとか趣味が悪いなんて思わないで下さい>大前さん)。今年の各予選のYES−NOクイズの戦績を尋ねると、46勝8敗(うち全問正解は4地区)との事。大前さんなら50勝超えてるかと思ったが、それでも凄まじい正解率である。その他には全国大会の予想をしてみたり(私は「最初のクイズで代表を7チーム(運大王が7チーム出たので)落としておき、後から登場した運大王と入れ替え戦をやって2回戦は49チームでやる」「何事も無かったかのように56チームが普通にクイズをやる」とか話したが、ご存知の通り結果は全てハズレ)、今年の各予選についての話をしたり(例えば前回の東北から正解発表がショボくなったとか)、「大前さんは香港へも行くんですか?」と聞いてみたり(この時は明確な回答は得られなかったが、その後のFQUIZへの書き込みを読んでいると、どうやらマジで香港へ行ったようである)、今年の高校生クイズの裏話をして下さったり(例えば「今年出たYES−NOの中には昨年作られてボツになった(そして今年復活した)問題もある(EX:東北の4問目など)」なぜそんな事が分かるのか? そのタネ明かしもして貰ったが、非常にヤバいのでここには書けない)、近くの高校生を捕まえてツーショット写真を撮って貰ったり(出来上がった写真を見ると、私はかなり凶悪に写ってしまっている(泣)。それにしても昔はこうゆうのには結構反発してたものだが年を取るごとにミーハーになっていく…)。
ずっとここにいてもしょうがないのでこれからどうするかを聞く。私はそのまま新幹線で帰るが大前さんは実家に戻られるとの事なので、それならばと新大阪駅までご一緒させて貰う事にした。それからも歩きながら話の続きをするが、その中で特筆すべきは高校生クイズが今回で最終回になるかも知れないと言う事を話していた。一応その根拠も聞いておいたのだが今の時点ではまだ書かないでおく(前述の裏話から考えても信憑性はあると思う)。本当にそうなった時には書けるようになるかも知れない。その一方で、ウルトラクイズ復活の準備は進んでいるようだという事も聞いた。この近畿大会の形式について、準決勝は気合の入った内容の割にはどこかで聞いたようなネーミングだとか、決勝の形式は前回と全く同じだといった、何か褒めたようなけなしたような話をした。だが今大会の構成を第13回ウルトラクイズで優勝した(そして私にとっては人生を決定付ける大きな要因となった)あの長戸勇人氏が手掛けていた事を、この時二人は知る由も無かった。そして電車の中でも話は続く。内容は高校生クイズに限らず、他のクイズ番組の話にも及ぶ(その内容は書いていい事かどうか分からないのでここにはあえて書かないでおく)。その他にもいろいろな事を話した。新大阪に着いたのでここでお別れ。1時間半くらいで「教祖謁見ミニオフ」は幕を閉じた。でも自分一人がかなり舞い上がってたので(おまけに口下手だし)大前さんには気味悪く思われたであろう。
この後は車内での食糧を買いに駅を出る。だが周辺にはコンビニどころか店らしい店が無い。大阪駅ならいろいろとあるのだろうか(横浜駅と新横浜駅の周辺事情に似ていると思った)? どれだけさ迷い歩いただろうか、やっとコンビニを見つけて目的達成。だが駅に戻ると1階の入口にコンビニがあった(2階の出口から出たので気付かなかった)。それまでの苦労は一体…。その後は駅ビルの売店で家族への土産に生八つ橋を買い、帰りの新幹線の切符を、確実に座りたいので指定席で(指定席料金もこの際高いとは思わない)買う。ちなみに今回の旅費(必要経費のみ)を計算すると…
のぞみ(14,600円)+ひかり(13,600円)+(北大阪急行(320円)+大阪モノレール(220円))×2+万博記念公園入場料(150円)+エキスポランド入場料(800円)=30,230円
近畿だけでもこれだけかかる。今年全体で10万円以上は今回の旅に費やした事になる。でもそんな事言ったら全ての予選を回った大前教祖は…。