− 第20回近畿大会 −

 前日の和歌山大会に続いての近畿大会。今回の宿は大阪の局長邸。朝5時半ごろ、局長に私が借りた枕に蹴りを入れられて起床。結局ロクに寝られなかった。普段物凄く寝起きの悪い私は「腹筋起き」で一つ気合を入れると神と局長は自分には出来ないと驚かれた。お前ら俺より若いのにそんな事言ってどうする! 身だしなみを整え、シャツを替えて、荷物をまとめて局長邸を出て、今回の第一会場の万博記念公園へと向かう。

会場に着いてまずやることは次の会場探しなのだが、その過程で明らかに我々への対策がなされた跡が見受けられる。苦戦の予感を感じるも、意外にも今回は10分くらいで分かった。だが今回の移動先は何と京都! まさに移動の最強タッグ「よみうりテレビ with E」の本領発揮! 私は長戸勇人氏が近畿大会の構成を手掛けるようになってから、いつ氏のお膝元である京都でやるのかと考えていたのだが、まさかこんな大移動という形でやるとは思わなかった。でもそれなら何で第一会場を嵐山東公園にしないのだろう? 多分現在において一番参加者を確保しやすい会場が万博公園だからと思われる。

 和歌山県がいないにもかかわらず参加チーム数は3511チーム。関東以外で1万人を超える予選は本当に久し振りだ。参加者数のジリ貧傾向で大会の成立自体が危ぶまれている地区もある中、どうして近畿だけが。昨夜局長邸で見た『クイズ至上主義』の影響なのだろうか? 伝統的な視聴者参加クイズ番組は大阪制作が多いし、やはり関西にはクイズが受け入れられる風土が出来上がっているのだろう。しばらく経ってから同じくここにやって来た#quizメンバー達と合流し、私が京都行きを発表すると伊丹空港に荷物を預けた松が思い切り愚痴っていた。

12時前にYES−NOクイズが終わると、三浦アナと今年よみうりテレビに入社した森若佐紀子アナがステージに現われ、高校生にはもう敗者復活戦をやると約束したと言ってそれを要求する。渋る福澤アナ。そんな中で出した敗者復活を認める条件は森若アナがモーニング娘。の『恋のダンスサイト』でおなじみの「SEXYビーム」をやって高校生をなびかせられたら、というもの。1万人を超える高校生を前に

森若「SEXY ビーーーーーム!!」

だが高校生の反応は冷ややかなものだった。これに業を煮やしたか

福澤「乳首はそんな下じゃないだろ! それじゃジャイアント馬場さんの乳首じゃないか!!」

んでもって仕切り直し。

森若「SEXY ビーーーーーム!!」

福澤「ビーチク、バッチリ、SEXYビーム!」

とか言って敗者復活を認めたのだった。と…とても放送出来る内容じゃない。こういった数々の下ネタや男子校バッシングで福澤アナ自ら全国の高校生を幻滅させている訳だ。それにしても森若アナ、これがアナウンサーとしての初仕事らしく、汚れアナへの道を邁進する事にならないか老婆心ながら心配だ。網の噂では関西の高校生に「SEXYビーム森若」とバカにされてるとかいないとか。

 準々決勝は「映像二択ペーパークイズ」。大画面に二択の映像問題を50問立て続けに映し出し、挑戦者は即決で解答用紙に記入。各府県4チームが準決勝進出となる。問題は松が持参したビデオカメラで全問収録に成功し皆大喜びしたところで大前さんと合流。どうして昨日来なかったのか聞くと、4月幕張メッセで開かれた「旅フェア」という国と地方自治体による国内旅行振興イベント内で企画された、オリジナルパックツアーのモニター抽選会に当選し、タダで旅行してたから。モニターなので必ず参加しなければならないのでどうしようもなかったそうだ。今回は移動距離が長いので敗者復活戦を見てから行ったのでは間に合わないかも知れない。そこでここに残って敗者復活戦を見る者。一足先に準決勝地に向かう本隊、更に先に決勝地へ向かう者に手分けして行動する事になり、私・局長・石井くん・そして大前さんの「四天王(局長談)」が本隊として万博公園をまず後にした。

 南茨木へと向かう大阪モノレールの車内で局長の携帯に万博公園組から連絡が。それによると敗者復活戦は抽選で選ばれたチームが電話をかけ、それに出た家族が問題に正解したら復活というルール。そして復活したのは灘高校で会場は大ブーイングの嵐との事だった。万博組は追って本隊と合流する運びとなる。その後阪急・京福電鉄を乗り継いで準決勝地・太秦映画村に着いた丁度同じくしてスタッフを乗せたバスがやってきて、我々の存在に気付くとギッと睨みつける。それでも開始までまだ相当時間があるようだ。その後やってきて団体用入口で待機している挑戦者をチェックしたら、奈良県は東大寺学園3チームに奈良学園。これで3年連続で同じ構図の対決となった訳だ。そうこうしている間に…

Eディレクターだ!


「藤田ぁ、何でここ来るのが分かったんだよ。教えろよ」と局長に話しかけるが彼はのらりくらりとした返答でかわす。もちろんそうゆう手の内は秘密なんだけどね。Eディレクターが仕事に戻ろうと我々から離れ始めたその時!

「Eさんはそんなに移動が好きなんですか?
そんなに運大王が嫌なんですか?」


私は呼び止めるかのように、かねてから聞いてみたかったこの問いをぶちまけた。すると

「運大王!? 嫌だね!!!!!」


Eディレクターは物凄い形相で私にこう怒鳴りつけた(↑これでもまだ表現が足りないなぁ(爆))。これが今までで最高の「E語録」となった事はお分かり頂けるだろう。「僕は運大王の制度はあっていいと思うんですけどねぇ。高校生に夢持たせられるし」と言うと「何で高校生に夢持たせられんだよ!!」それに続いて「敗者復活があるだろうが!」と吠え、私が「あんな滅茶苦茶なハンデをつけて負けさせて、復活チームの心を弄ぶくらいなら最初から敗者復活などない方がいい」と返すと「高校生の意見は違うんだよ!!」と更なるシャウト。ここでのバトルはここまでだったが、これまでのベストバウトだったことは間違い無い。でもまだ話したい・聞きたい事は大量にあるので私からもう一言

「今度は公開討論で決着をつけようぞ!! 実現した際のパフォーマンスの準備はあるぞ。俺は本気だからなー。」>Eディレクター、Hプロデューサー、それから構成作家M氏

(`∀´)ノ

遅れて万博公園を出たメンバーも到着して合流。何だ、敗者復活戦を見てから行っても充分間に合ったか。ついに準決勝が始まるようで、高校生が映画村の中に入るのを確認してから我々も入場券を買って後を追う。

 準決勝は各府県1チームずつ4グループによる団体戦で5種類のゲームやクイズを各チームバラバラで行いその合計点を競うというもの。その内容を箇条書きで紹介する。

「知力」名付けて「三者三様三択クイズ」。各メンバーが選択肢を示す3つの箱にそれぞれ入り、10問限定の三択クイズを出題。正解の選択肢を担当する人だけ顔を出したらポイント。これは高校生クイズでは時々出てくる「個室三択(勝手に命名)」。ちなみに選択肢はグループ毎に異なる。実例として選択肢が「A・B・C」で「スキューバダイビングで、講習を終えたダイバーに与えられる証明書は何カード?」といった具合(正解は「C」カード)。他に出た選択肢は「松・竹・梅」「金・銀・銅」「東京・京都・大阪」。特筆すべきはここの司会が立原啓裕だった事。
「体力」まず90秒の時間を与えられ、メンバー1人乗せた駕籠を残り2人で担いで所定のところまで往復し(こんな風に)、残り時間で1問多答クイズに挑戦。ただし答える順番が決まっており(「日本の都道府県名を五十音順に」など)、何番目まで答えられるかがポイントなる。司会は大田アナ。
「記憶力」寸劇を見せ、それについての設問に答える。ここでは森若アナが司会。
「金銭感覚」セットに置かれた10個の物の中から江戸時代にあった物を選び、更に当時の値段順に並べ替える。司会はなく、テープの音声だけで進行したようだ。
「ぬるり」ただのウナギの掴み取り。司会は三浦アナ。


アナウンサー3人+タレントを同時進行で使うという、準キー局の制作力を見せつけさせるこの人海戦術企画に対してこちらも人海戦術(?)。ネット組は各所の問題を記録しようとここでも手分け。私は特に記録はせず、主に知力・体力のパートをハシゴしながら様子を見ていた。体力で「熱狂的阪神ファン」というジャンルを聞いて「阪神の現役選手を背番号の若い順に」と考えていたらビンゴだった。全てのグループがクイズ・ゲームを終えての結果発表は、奉行所のお白州のセットで遠山の金さん扮する三浦アナが裃を脱ぎ、桜吹雪の上に着けた腕章の色と同じ色のはちまきをつけた1グループが決勝進出となり、各府県のもう1チームは別の方法で決める。そこから少し歩いたところにある堀の脇に解答テーブルが3台あるのを見つけたが、時刻はもう5時を回っており警備員に閉園時間だから速やかに出て行くよう言われる。私は帰るフリして物陰に隠れて見ようとしたところを原くんに制止され、我々ネット組は渋々映画村を出て行った。

ところで決勝地に先乗りしていたメンバーも5時で閉まって追い出されたと言う連絡が入り、すっかり諦めムードと化していた。私が皆に諦めるなと半ば強引に決勝地を目指すよう促す。まずここできょうこじゃさんとてぃがさんの奈○女コンビが撤退し、残りメンバーでまずはJR花園駅を目指して線路沿いの道をひたすら歩く。花園駅から京都行きの電車に乗ると、さっき離脱したばかりのきょうこじゃさんとてぃがさんが乗っていた。2人は一つ前の太秦駅から乗っていたのである。目的地の丹波口駅に着くと今度こそ女性陣二人が離脱し、またしてもひたすら歩き続けて決勝地の梅小路蒸気機関車館に辿り着いた。ちょうど同じ頃、高校生もやってきて中に入っていくが、入口付近にはスタッフが警備していてそのまま入る事が出来ない。そこで外から決勝を見られないか周辺を歩き回るが、セットがわずかに見えるだけでどんなものかが全く分からない。だいぶ過ぎてから入口には誰もいなくなっていたのでそっと入り込む。不法侵入である。建物のかげに隠れていてもあっさりスタッフに見つかり「入っちゃダメだよ! ここは5時閉館だよ!」とどやされるも、無理矢理追い出されるような事はされなかったのでお構いなしにその場に居続ける。

 決勝は兵庫と大阪の対戦が終わっており、京都の対戦が始まろうとしているところだった。ルールは簡単に言うと、かつてFNSクイズ王決定戦でやってた「対決! 30秒クイズ・長戸Remix」。もっと分かりやすく言うと「対戦型タイムショック」。具体的なルールは、転車台両端の解答席に両チームのメンバー1人が着き、転車台が1分間で1回転する間に6問(つまり10秒に1問)出題される問題を双方同時に解答(相手の声が聞こえないようヘッドホン着用)。これを3人分(計18問)行い、合計点の多いチームが全国大会進出となる。同点の場合は1ポイント先取の早押し。2人目までは両チームの席後方にある電光ボードに得点がリアルタイムで変化していく。大将戦ではポイントが伏せられ、終わって3人揃ったところで片方ずつ、あるいは双方同時に発表されて勝負は終わる。時計に見立てた転車台が回転しつつクイズが進行するさまは感動もので、このようなシチュエーションでクイズをしている高校生をちょっと羨ましく感じた。でも不法侵入中という非常にヤバい立場にあるのと、翌日東京で仕事なので今日中に新横浜に着く新幹線に乗らなければならないので京都の対戦と、奈良の対戦は途中までしか見ず、同じく不法侵入中の大前さんに結果だけメールで教えて貰えるようお願いしてから自主的にこの場を去った。

外で待ってた仲間とも合流し、もう時間がないから帰ろうと促してから遠く見える京都タワーを頼りに京都駅目指してひたすら歩く。私は今回京都に行くと知ってから、時間に余裕があればあの巨大な駅ビルで遊びたいなと思っていたのだがそうはいかない。私はここで仲間と別れ、コンビニで500mlペットボトル3本を買ってから一人新幹線に乗り込んだ。そして1時間もしたらドリンクは全部飲み干していて、まだ物足りないほどだった。家に帰ってから第一問の事を話したら母は知っていた…。



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