− 第20回四国・岡山大会 −

 今年の高校生クイズ予選鑑賞の旅は四国岡山から。夜行バスで一旦坂出で降り、まだ時間に余裕があるし四国は多分今回で最後になるだろと、快速マリンライナーで高松へ遊びに行く。高松駅周辺は市街地の反対側には木々生い茂った山々が見え、ひらけてるんだかさびれてるんだかよく分からない光景。玉藻公園(高松城跡。海水をひいて作った堀が特徴)を見てから高松の市街地を歩き、16回の第一会場でだった高松中央公園に足を踏み入れての感想は「こんな狭いスペースで高校生クイズの予選が出来たのか」。予定の滞在時間を大幅に過ぎたところで本来の目的地へと向かう。高松駅で慌てて各駅停車の列車に乗り込むと3の倍数の高校生でごったがえしている。周囲からはYES−NOクイズがサドンデスに戻った事が話題となっており、ネットの普及と力を改めて認識する。丸亀駅に着き、大きな道沿いに歩いていくうちに第一会場の丸亀城芝生広場に到着。

 いつものように早速次の会場の情報を探る。スタッフに対策されないよう(え? マネをするバカをこれ以上出さない為じゃなくて(爆)?)、その具体的な方法は秘密だ。その過程で「四国放送」という単語が私の中に入ってくる。と言う事は徳島へ行くのか!? 更なる情報を得ようとした矢先に私の携帯が鳴り出す。私と同じく高校生クイズ予選の旅をしている「YES−NOクイズ突破支援局」の管理者・藤田雄亮(通称局長)からだ。電話に出ると今回の決勝地は坂出だと聞かされ、沖縄(北谷村→玉城村)と九州(福岡市→大分県日田市)でとんでもない移動をした事を知っているだけに内心ホッとする。ステージの裏側も含めて会場内をグルっと回ってから局長と合流。その後、山形の醤油屋石井くん、17回の全国大会に出た岡山朝日高校OBの「ひとし」くん、18回に出た玉島高校OBの「ぜいたく王子」くんとも合流し、今回はこの5人で行動する事になる。遠目にしか見えなかったが何となく爆笑問題の太田に似ている西日本放送の山口アナの前説や報道局長の開会宣言を経ていよいよ大会が始まる。大画面に映し出される今回のオープニングムービーは、いつものように昨年の映像をつなぎ合わせて作ったものだが過去2回のものに比べて淡白な印象を受けた。私は18回のものが一番の好みだ。

 ステージから福澤アナが登場するが、今回は中央の穴からフュッと飛び出してくるスタイルだ。いつもの前口上から始まってこれまた恒例のネタ「ファイヤー」の発声練習の段になる。「『ファ』の発音は下唇を血が出るくらいに噛む!」はいつも通りだが今年はさらに新ネタがくっつく。

福澤「『ファ』の次は『イヤーン!!』です。」

「皆さんご一緒に『イヤーン!!』」 「イヤーン!!」(これを3回)
「次は女の子だけで『イヤーン!!』」 「イヤーン!!」(これまた3回)
「今度は男の子だけで『イヤーン!!』」 「イヤーン!!」

ここですかさず「はーい、もう結構です」と言って止める(これが地区によっては「耳が汚れます」といったフレーズがくっついたりする)。

 山口アナが「ちょっと待ったーーー!!」。自分が福澤夫人と同じ小豆島出身で、出身高校も同じだとかいうやりとりを経て敗者復活を要求する。福澤アナが提示した条件は、「嵐」のメンバーをフルネームで全て言えたら、というもの。ちなみに先週の九州ではモー娘。の全メンバーのフルネームだった。と言っても事前に全て暗記しているのは明白なので、高校生にメンバーの名前を聞いて回る場面はあまりにも白々しくて見る気も起きない。制限時間が過ぎ、当然全て正解して敗者復活戦をやる事になった。

 2問目で香川県を除く4県で勝ち抜けチームが現れ、高知県は3問目で終了。ここで王子の指摘。福澤アナのアナウンスによれば、3問目の高知県の敗者は7チームで、初めて敗者が出た。…という事は高知はたった15チームしか参加していない(実際は違ってたようだけど)。15回の秋田県が29チームだった事があったが、これは驚異的である。いつか来るぞ。参加者が勝ち抜け数を割ってYES−NOクイズが、更には県別代表制が出来なくなる日が。そんな事はともかくとして、YES−NOクイズは9問で終わった。今日の戦績は7勝2敗。

 ここから司会が山口アナに代わり、準々決勝を前にして行われた敗者復活戦は「誕生日ビンゴ」。1〜12(月)の数字が入った箱と1〜31(日)の数字が入った箱から一つずつ取り出し、その月日が誕生日の人がメンバーにいる全てのチームが復活となる。最初の抽選で選ばれたのは10月8日。ここで1チームが復活するが、何とこの日は局長の誕生日! 高校生が「もう1回!」と主張するので再び抽選を行い、そして出たのは7月12日。ここで5チーム復活するが、今度はこの私の誕生日ではないか!! これは間違い無く今回のネタ大賞! それにしてもこれ、我々に対する嫌がらせですか?>スタッフ

 YES−NOクイズ勝者と敗者復活チームが挑む準々決勝は5ポイント先取の三択クイズで、各県4チームが準決勝進出。ただし復活チームは8問正解しなければならない。この形式でこのハンデを付けられたら勝つのはまず不可能である(王子も「早押しの3点差はひっくり返せるけど三択の3点差はひっくり返せない」と言ってたし)。毎度の事だが折角敗者復活しても滅茶苦茶なハンデをつけられて絶対負けさせる構成になっている(一昨年の旭川西や昨年の広大附属は異例と言える)。まさに復活チームは演出上の小道具でしかない。考えられる理由としてはこんなところか()内は簡単な私の批評だ。

・運だけの復活チームが勝っては勝ち残りチームに失礼(私はそうは思わない。次のクイズに進んだという点で全く同等の権利を有すると考えている)
・復活チームは出来が悪いから勝たれては後々の進行上困る(YES−NOクイズの勝者でも出来が悪いチームはいくらでもいるのは定説である。復活チームの方が出来が良かったりするのを私自身見てるし)

私は何のハンデもつけず、勝者チームと同じ条件でクイズをさせるべきだと考えている。テレビ的な事を考えるなら、準々決勝免除でもいいくらい。そんな事して高校生の心を弄ぶくらいなら最初から敗者復活など無くていいと思う。誤解のないよう言っておくが、敗者復活に反対なのでは決してなく、これでは何のための敗者復活なのか分からないと言っているのだ。

 準決勝の開始まで時間があり、トイレに行って戻って来ると局長がスタッフと話をしている。番組BGMの話になり、局長は『ハリウッド』やシンキングタイム・勝ち抜けジングルなどが収録されたサントラが出たら2万でも買うと言い出す。私も続いて「パーティーグッズとして売ったらどうですか? 『マジカル頭脳パワー』とのセットでもいいですから」と言うと「スペシャル番組とレギュラー番組は扱いが違うから」と返される。それから敗者復活の例の事に触れると「ハハ、隠れ敗者復活かぁ」と笑いながら言った。局長が名刺を渡すと「(突破支援局を)見てるよ」。そういった話をして、この人は仕事に戻っていった。局長から聞いたが、その人はあのHプロデューサーだったそうな。気付かなかった。印象としては非常に友好的で気さくな感じの人だった。結構気軽にものが言えたし。私は局長に「俺ねぇ、Eさんとトークバトルしたい」と漏らしたら「ケンカになるよ!」と、半ば制止するかのように返された。それはそれで望むところではあるが(爆)。どうです? やりますか? やりませんか? 俺は本気だぞー。

 その後5人が集まり、18回で優勝した筑駒のリーダーで我が同胞・自主規制神とその彼女・ペコちゃんの話になり、私が「結婚するなら是非式はリーガロイヤル早稲田でやって欲しい!」と言うとぜいたく王子は「そうなったら俺、5万包むよ!」と返してきた。その場では言わなかったが、本当にそうなったら私がその式次第をプロデュースしてやるぞ(核爆)。

 準決勝は各県1チーム、4グループによる団体戦。ルールは問題が出たら各グループの1チームが三人四脚で数メートル進み、持っている大きなうちわで早押しスイッチを扇ぎ倒す。ダブルチャンスあり。正解するとそのチームが抜け、全チームが正解した2グループが決勝進出。誤答は次の問題で3メートル後方からのスタートとなる。

うちわ戦士
高知の決勝は女子対決。左が高知南。右が高知学芸
4時過ぎに全ての対戦が終わり、あとは表彰式を残すのみとなったところで突如あの男が我々の背後から姿を現わす。

「制作のEです。」

Eディレクターだ!!!

(BGM:土…もとい、ダースベイダーのテーマ。でもこれではあまりにもアレなんで(笑)、私的には『クロノトリガー』の「ラヴォスのテーマ」を提唱する。前出のHプロデューサーなら『スターウォーズ エピソード1』の「アナキン・スカイウォーカーのテーマ」だろう)

「まぁ座って」の一言で全員アスファルトの上に正座。各会場で聞くあの低い声で「インターネットに流すのか?」と言われて全員がビクつき、「情報流すのはいいけどさ、(我々が収録現場にズケズケと入り込んだ事について)ルールは守ろうよ」とやんわりとしながらもキツい一言。一目見てもバリバリの温厚モードであるにも関わらずこの威圧感。まさに5人は蛇に睨まれた蛙状態で黙り込んでしまう。数時間前に丸亀で話をしたHプロデューサーとは大違いである。更に「マニアじゃなくて一般の人に向けた、支援するようなページ作りをしてくれ」という意味合いの事を言われる。それに対して私は「興味の無い人には何を言っても無駄」と、自らの体験談を交えて述べる。Eディレクターは「それは君の経験・考えであって」と、頑として跳ね返す。それとは別に「藤田って誰だ?」と聞いてきて局長が名乗り上げるとHプロデューサーと同様に「見てるよ」と言った。番組の上層スタッフもチェックしている事が判明し、突破支援局も番組に一定の影響を及ぼしている事になるだろう。こんなやりとりをして、Eディレクターの説教(今年最初のバトル)が終わった。しかし言いたい事の10分の1も言えず、かねてからこのEディレクターと前回の全国大会一回戦(石原慎太郎)ばりのトークバトルをしたいと思っていた私はとても悔しかった。チャンスを目前にしながら実行出来なかった自分をただただ恥じた。

 表彰式を終えると我々は高クイ論を中心にいろいろ話をしながら鴨川駅へと戻り、「讃岐うどんを食べたい」という局長たっての意向に基づき高松へ。局長の裏テーマ「高Q(こうきゅー)グルメの旅」の敢行である。それにしても1日の間に2度も高松を訪れる事になるとは思わなかった。駅近くに店を見付けて皆それぞれに注文する。食べながら3月のファミコンオープンを中心に話が展開する。その中にあって石井くんは入りにくそうだったけど。7時を過ぎた頃、高松駅でまず局長とお別れ。4人は快速マリンライナーに乗り、坂出に着いたところで3人と別れた。さぁ、まだ帰りのバスまで1時間以上ある。それまでの間は駅近くのサティ内のゲームコーナーで5曲設定のDDRをしたり(お前、まだそんな体力残ってるのか)、コンビニで雑誌を立ち読みしたりして時間を潰し帰りのバスを待つ。定刻通りに横浜行きの夜行バスがやって来て、3度目の四国に別れを告げる。そして翌朝、前日同様眠れたという実感が得られぬまま横浜の地に到着し、そのまま自宅へと向かっていった。



高校生クイズのページに戻る ホームページに戻る