− 国民クイズ常識の時間 オーディション −


日本テレビの『国民クイズ常識の時間』は、セット中央にいるタレントの対決クイズと並行して100人の一般解答者(タレント枠もあるが)が「小さな日本」として出場できる、新しいタイプの視聴者参加型クイズ番組だ。これは“青帽子”を脱出する大きなチャンスだ! とばかりに公式サイトの募集フォームに応募。しばらくして番組の制作会社から電話が来て、受ける予選日時の選択。番組収録は来年の1月23日で朝9時に京王稲田堤駅に集合。予選の結果は1月20日までに合格者にのみ通知するとの説明を受けた。

※青帽子
かつてTBS系列で放送された『史上最強のクイズ王決定戦』の予選会場では参加者をクイズ戦歴から3種類に分け、用意されたサンバイザーの色で区別していた。青帽子とは「テレビのクイズ番組の出場経験が無い者(予選止まり)」を指す。他はクイズ番組出場経験者(優勝なし)の「黄帽子」、クイズ番組優勝経験者の「赤帽子」がある。


12月13日。早めに家を出て、集合時間の25分前には麹町の日本テレビ4番館に到着。少ししてから年配の男性と30代くらいの女性の方と「会場はここでいいんですか?」と声がかかったのをきっかけに話をすることに。聞くと男性の方は既に定年を過ぎており、番組に応募したのではなく、エキストラ登録か何かをしている方のようで、制作会社から人数が足りないから来てくれみたいな事を言われて来たそうだ。やっぱ60代以上は応募者があまりいないようなので大チャンスだよなぁとつくづく思った。

しばらくしてからスタッフがやって来ると、参加者を一列に並ばせ、各自名前を申告した上で入構証が渡される。その際に女性の名前はNさんという事を知る。入構証を各自見える所に身につけてからスタッフの先導の下「第○けいこ室」(「¥マネーの虎」の収録やってる所?)という部屋に通された。その場にいたのは私やNさんを含めて28名。

まずはプロフィール表への記入からで、項目は氏名・生年月日・住所・職業(詳細に書かされる)・出身地などの個人的なものから学歴(大卒者は大学名も明記)、配偶者・子供・孫・パソコン・テレビ出演経験の有無。そして好きなプロ野球チームや「リストラされたことがありますか?」といったものもあった。それからスタッフにポラロイドカメラで顔写真を撮られ、プロフィールシートに添付するよう指示される。この事からも写真写り(容姿)も選考基準なのは明らかだ。やっぱテレビだし(^^;)。しかし、髭剃りも念入りにし、いつも以上に身だしなみに気を使い、スーツを着て予選に臨んだのに私の写真写りは最悪。我ながら鬱に。

次に50問の筆記クイズで制限時間は30分。問題は常識系(世間に広く知れ渡っている事柄)で、多分かなりの人が8割取れるだろう(そうゆう私は自己採点で34点だったが(泣)。昔からスポーツと時事は苦手なのだ)。傾向としては流行、社会、芸能、スポーツなどのニュース系を中心に、幾分かの定番問題が混じっている感じ。さらに全ての解答欄を埋めるよう指示されるので、分からない問題にはいかにボケるかもポイントかも知れない。既に出場した人の話では筆記の成績は選考の対象にはしないらしいが(番組の性質上、出来すぎる人が多くても困るだろうし)、果たしてどうだか。

最後の面接はスタッフ1人に対し受験者7人による集団式。私と同じ組にはFNSやいくつかのオープン大会で見たことのある永野滋宣さんもいた。この人とスタッフとのやり取りは、プロフールシートのテレビ出演経験の欄にウルトラクイズと書いていたようで、その説明。確かに16回の東京ドーム予選の所に偶然映ってたっけ。でも出たと映ったは違うからね!! そして2〜3人を経て私の番。スタッフから出た言葉は「で、(筆記は)どうでしたか?」それだけ。受け答えがちゃんとハキハキと言えなかったのと、少ししゃべり過ぎたかなという感じの失敗気味で、「こりゃ落ちたな」という感触だった。俺は永野さん以下か(涙)。それにスタジオ解答者は「小さな日本」と言われているように、年齢・性別・職業・出身地のバランスを取らなければならない。特に30歳前後(学生・サラリーマン風)の男からの応募が最も多いであろうし(実際の番組でも20・30代が最も優秀。エキストラとして集めらた(番組を見たことも無いような)高齢者層とは違い、やる気もあり、それなりの対策も講じていると考えられるからだろう)、その激戦に打ち勝てる内容だったとはどうしても思えなかった。そういえば道蔦さんは以前ミリオネアの予選についてFQUIZにこう書いてるし(これはこの番組にも同じ事が言えるはず)。

>予選会にもかなりの人数を呼んではいるようですが、なかなか生き残れる人が
>いないようです。(中略)30歳前後、独身、会社員・公務員という肩書の方が
>多くて、かなりインパクトがないと、クイズの成績はよくても埋もれてしまう
>可能性が大きいですね。


それに対してNさんは筆記の漢字の間違いを紙でそっと指摘しただけで、何も言われも聞かれもしなかった。それと面接担当スタッフが2〜3人くらいに「(筆記の)漢字の間違いがあって勿体無い」と指摘した上で「今まで何千人と面接してきたが、漢字の間違いをする人が非常に多い」と言っていた。かくいう私も後になって漢字の間違いを1つあったのが判明したのだが、その時私にはその指摘が無かった。指摘する人には「本番ではそうゆう事の無いように」と、私には「もうこいつは落とすから関係無い」というメッセージが見て取れるのだ。

帰りの電車でNさんの職業を聞くとピアノ講師とのことで、「この人はきっと予選を通るだろうな」と思った。スタッフが出したいのは「個性的な職業の人」だというのは公式サイトの募集文からも分かっていたし。Nさんとは永田町駅で別れ、私はそのまま帰路についた。

 1月20日、ついに連絡の電話が来なかった。よって予選落ちが決定。

 1月23日、事前に通知されていた番組収録の日。いてもたってもいられず、出場者の待ち合わせ場所となる京王稲田堤駅に向かう。朝9時前に着き、雪が降る中待っていると私の予想通り予選を通過したNさんの姿が見えた。本人は(面接で何も言われも聞かれもしなかったので)「絶対ダメだと思ってた」と、私とは正反対の予想をしていたようだ。失礼ながら年齢を聞くと45歳とのことで、やはりこの年代の女性で、しかもピアノ講師という職業はスタッフの興味を引くには十分な肩書きだ。私が落ちた事を伝えると「ウソ」と驚いた様子(まぁ受かったからここにいると思ったんだろうし)。それから私が3日がかりで当時の記憶から引っ張り出して復元した筆記クイズ全50問のメモをNさんに見せて自己採点して貰った所、31点との事だった。40代の女性でこれだけ取れれば十分だろう。他にも大学生の娘さんが勝手に応募して一緒に予選を受けたが娘さんが落ちて自分だけ受かったお母さん(よくあるパターンだ)とも話をする機会もあり、予選落ちした人間にしては充実した時間だった(^_^;)。スタッフがやってきて出場者を整列させる段になり、Nさんらとお別れに。ミニバスによるピストン輸送で出場者が運ばれていき、Nさんが乗り込む番になる頃、私は大声で「がんばって!」と声をかけた。それが私に出来る精一杯の応援だから…。Nさんを見送ったのを確認すると、もうやることは無いからと、稲田堤を後にして帰路についた。午後8時、番組の放送を見ると20代枠の解答者席にスペシャル版の時に福沢アナと共にパーフェクト取って賞金ゲットしていた青山学院大の人がバッチリ映ってるじゃないか! これには非常に腹が立った。60代や70代で人数が足りない場合は仕方ないとしても、ただでさえ20代は(おそらく最も)競争率高いんだから(出たい人より出したい人であっても)同じ人を二度も三度も出すな! アタック25は一度出たら最低5年出られないんだしさ。

 翌日昼過ぎ、私の携帯が鳴った。公衆電話からで、電話を取るとNさんだった。昨日携帯番号等を書いた自分の名刺を渡しておいたのだった。用件は収録の概要報告で、番組の内容はすっかりバラエティー化し、「小さな日本」に出された問題も2回撮りで計7問と「クイズはおまけ」との事だった。賞金も1問正解につき一律5000円で「小学生の子とか1問も正解できなくて可哀想だった」とも話していた。問題の内容は「放送まで取っておきたい」と私の方から開示を断り、放送日を教えてもらって電話を切った。そして教わった2回の放送ではとにかくNさんが映ってないか画面をチェックし続けたが、結局かけらも映っていなかった。一応名刺にはここのURLも明記しているが、見てくれているだろうか。Nさんにはこちらから連絡は取れないが、きっと今も元気にピアノを教えていることだろう。

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