− #quiz REAL Ver1.00 −



 2003年8月16日。いよいよ今日「#quiz REAL Ver1.00」本番である。朝8時に会場入りし、9時に会場のホールが明け渡されると設営スタート。先日の会場リハーサルで決めたとおりに解答席やスタッフ用机の設置、舞台の高さ設定使用するパソコンや配線の設置、機材の動作確認に大忙し。会場備え付けの大画面の表示チェックといったシステムの最終確認に手間がかかり、結局30分押しで参加者の受付を開始。大会開始直前に大前さんもやってきたが、この人は参加せずに見学。私を含めたスタッフ数人が「参加してほしかったなぁ」とボヤく。スタッフの私でも初めて見る大会内容の説明ムービーとオープニングムービー(なかなかカッコ良かったぞ)を経て大会スタート。参加総数は90人で昨今のオープン大会としてはまずまずの人数。しかも高校生の参加者が(参加費を無料にしたこともあり)他のフルオープン大会よりも多く見られたのは嬉しい。この大会は4つの予選ラウンド「#1〜#4」を用意し、そのいずれかで勝った計48名が本選(準決勝)に進出する「敗者拾い上げ方式」を採用。そのうち#4と決勝の内容は秘密にしている。

 まず#1は今回最初の目玉「映像の50」は大画面に50問の映像(音声)問題を15分間に渡って次々に出題し、得点上位15人が勝ち抜けと言う、自主規制神の渾身の企画とも言える。問題に仕掛けられた数々のネタに会場からは笑いが漏れ続け、画面に大きく「終了」の文字が流れると会場からは拍手喝采! ペーパーの終了時には会場中からため息が響き渡るのが普通だが、こうした拍手が起こったのはこれまで数多(あまた)開かれたオープン大会のペーパーでも初めてではないだろうか。

 次は#2「1○1×パーティー」なのだが私は#1の採点作業のため別室へ移動。この曲者ペーパーでトップを取ったのは38点の片岡桂太郎さん。前日に全ての問題を見た上で予想トップは35点くらいと言ったら他のスタッフに「絶対35も取れねえ!」と言われてたのだが、この点数には採点スタッフ一同驚き。ボーダーラインは31点で「同点の場合は1問目からのPK方式で順位が決定」のルールにより弾かれた人が何人かいた。ホールに戻って来た時には#2の決勝が始まろうしている頃で、大前さんがいつの間にか会場から消えていた。クイズが始まると最初に勝ち抜けたのは片岡さんと言う「ダブルトップ通過」を果たす。#2の通過枠は15人で、そのうち#1との両方を勝ち抜いたのは7人。

 #3「コース別クイズ」は「タイムショック(TS)」「双六ゲーム」「指名リーグ」「多トリビア」「ビシバシ!」の5つから参加登録が早かった人から順に選び(定員はいずれも16人)、各3名が勝ち抜け。TSはショックポイント(SP)付きの「生島バージョン」がベース。各挑戦者はSPを0〜12の中から任意に設定し、設定数の少ない人から順に挑戦。通常問題の正解は1PでSP問題の正解は3P。ただしSP問題の不正解は即失格。#3の中ではこのTSが映像演出も相まって一番受けが良かったかな。展開としてはSP問題の不正解による失格が後半特に続出し、勝者の得点は14・14・12Pと、SPの数を少なめに設定してそこそこの正解数を出した人が勝った具合だ。

双六ゲームは中盤まで誤答が続くコマもなかなか進まない地味な展開だったが終盤になってふりだしで賽の目が6で正解する人が続出(サイコロは早押し機と連動している)。「他の人と同じコマにとまったら更に6つ進む」という双六ゲーム特有のルールがフル稼働して1問の正解でも30マス以上進む事態が発生して会場は盛り上がった。

「多トリビア」は出題される一問多答問題にいくつ正解出来るかの「ノルマ」を設定し、1分間で解答用紙に答を記入。答合わせの後いくつ正解したかを申告し、成功ならノルマの数だけ得点が加算され、失敗ならノルマの数だけマイナスとなる。この企画のポイントはノルマ設定時にパッドを押した時「へぇ」音が鳴り、皆が連打して「へぇ」「へぇ」「へぇ」と会場に鳴り響く『トリビアの泉』さながらの光景が見られるので「多トリビア」のネーミングがある。ちなみに出題時のアタック音も番組からサンプリングしたものを使用している。印象に残る展開は「歌舞伎十八番の題目」の問題で山下貴三香さんがノルマをフルの「18」に設定して客席がどよめく。申告した正解数は「16」と惜しくも届かなかったが、それでもこの問題のダントツのトップ正解数で会場からは「ナイスファイト!」と惜しみない拍手が送られた。なお、採点終了時に全員の獲得点の合計がプラスなら「○○へぇ」と、マイナスなら「○○はぁ」と表示される作り込みようである。ただ企画の性質上50分もかかってしまって後半ダレた印象があったのと、舞台袖で待機させていた次の企画の出場者が疲れて座り込んでいたのが運営上の反省点。

 #3が終わった時点の通過者は38人。残る通過枠10をかけた#4はシークレット企画その1「○×ミリオン」。サドンデスの○×クイズで16人以下まで残った人がミリオンスロットに挑戦。これを数セット繰り返して売り上げ上位10人が準決勝に進出。補足として「横取り40萬」を出しても他人からは奪えずそのまま自分の得点で、最後の2セットのスロットには「100萬」「200萬」「破産」を追加。○×はスタッフの一人、Hayat0さんがボキャ天に自分の投稿が採用された時のエピソードに関する問題から始まり、最終セットは○×の不正解者が多く一気に5人になったので一人ずつスロットに挑戦(ラストスロット用ソフトも用意されている)することになったが、その一人目の方が200萬を叩き出した時会場は大いに沸き立った。

○×ミリオン1○×ミリオン2
200萬獲得!10萬に散る


 各予選を通過した48人が挑む準決勝は昨年の高校生クイズ全国大会に登場した「カットライン変動サバイバルクイズ」。基本ルールは番組と同じだが「#1と#2の勝者には第1セットにのみアドバンテージを与える」「問題数限定」「各セットの最後は○×クイズ」「各セット終了時のトップ(タイ含む)が決勝進出」といった#quizアレンジが施されている。第1セットでは#1#2共にトップだった片岡さん、第2セットでは古川洋平さんの独走態勢で決勝に勝ち名乗りを挙げる。早押しの途中でただ一人カットラインにいた人が正解してカットラインが上昇する、おそらくこの形式で最高に盛り上がる展開が2回くらい起こり、見ていて非常に楽しめた。決勝に進んだのはオープン大会史上最多であろう16人。

激戦を勝ち抜いた48人


 #4同様シークレットだった決勝は「オールスター感謝祭風三択クイズ」最初の問題が解答者データファイルの不備でノーカウントになる不手際があったが、その後は大半の問題が1秒台で「予選落ち」するという展開が続き、観客の「早ぇよ!」の声に主宰のRED2さんは「ホントはこれ全員でやりたいんですよ」とこぼす。時間の関係で多くのピリオドが1〜2問程度で終わってしまったのが残念だったが、優勝はピリオドチャンピオンを連発した船田剛司さんで、賞品には8インチフロッピーディスクが贈られた。

 こうして「#quiz REAL Ver1.00」は幕を下ろした。昨年5月にRED2さんの「#quiz主催オープンをやろう」という発言から始まり、この会場を予約してからの半年間スタッフ一同学業・仕事の合間を縫っての企画・システム・問題作りに悪戦苦闘し、当日いろいろ不手際はあったものの、ここまでのものを作れた事に(貢献度は低かったけど)スタッフ冥利に尽きる。次回あるのかは全く分からないが、もし「#quiz REAL Ver2.00(仮題)」をやるなら今のシステムをより洗練させ、また(きっと)面白い仕掛けを用意して皆さんを待ち構えているので(まぁテレビのパロディ・リスペクトは変わらないでしょうが)その時はまたよろしくお願いします。高校生以下は無料ですし

※関連リンク

オープン大会参戦記#quiz編
なーんもない日々だけど・8月
今日の鈴木舟太 2003年8月


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