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(平成11年法律第149号) |
内閣総理大臣 | 小渕 恵三 |
民法の一部を改正する法律 |
目次中「第六章 扶養」を | 「 | 第五章の二 保佐及び補助 第一節 保佐 第二節 補助 第六章 扶養 |
」 | に改める。 |
第 | 八条 後見開始ノ審判ヲ受ケタル者ハ成年被後見人トシテ之ニ成年後見人ヲ付ス |
但日用品ノ購入其他日常生活ニ関スル行為ニ付テハ此限ニ在ラズ |
第 | 十一条 精神上ノ障害ニ因リ事理ヲ弁識スル能力ガ著シク不十分ナル者ニ付テハ家庭裁判所ハ本人、配偶者、四親等内ノ親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又ハ検察官ノ請求ニ因リ保佐開始ノ審判ヲ為スコトヲ得但第七条ニ定メタル原因アル者ニ付テハ此限ニ在ラズ |
第 | 十一条ノ二 保佐開始ノ審判ヲ受ケタル者ハ被保佐人トシテ之ニ保佐人ヲ付ス |
但第九条但書ニ定メタル行為ニ付テハ此限ニ在ラズ |
六 | 相続ノ承認若クハ放棄又ハ遺産ノ分割ヲ為スコト |
但第九条但書ニ定メタル行為ニ付テハ此限ニ在ラズ |
保佐人ノ同意ヲ得ルコトヲ要スル行為ニ付キ保佐人ガ被保佐人ノ利益ヲ害スル虞ナキニ拘ラズ同意ヲ為サザルトキハ家庭裁判所ハ被保佐人ノ請求ニ因リ保佐人ノ同意ニ代ハル許可ヲ与フルコトヲ得 |
第 | 十三条 第十一条本文ニ定メタル原因止ミタルトキハ家庭裁判所ハ本人、配偶者、四親等内ノ親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人又ハ検察官ノ請求ニ因リ保佐開始ノ審判ヲ取消スコトヲ要ス 家庭裁判所ハ前項ニ掲ゲタル者ノ請求ニ因リ前条第二項ノ審判ノ全部又ハ一部ヲ取消スコトヲ得 |
第 | 十四条 精神上ノ障害ニ因リ事理ヲ弁識スル能力ガ不十分ナル者ニ付テハ家庭裁判所ハ本人、配偶者、四親等内ノ親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又ハ検察官ノ請求ニ因リ補助開始ノ審判ヲ為スコトヲ得但第七条又ハ第十一条本文ニ定メタル原因アル者ニ付テハ此限ニ在ラズ 本人以外ノ者ノ請求ニ因リ補助開始ノ審判ヲ為スニハ本人ノ同意アルコトヲ要ス 補助開始ノ審判ハ第十六条第一項ノ審判又ハ第八百七十六条の九第一項ノ審判ト共ニ之ヲ為スコトヲ要ス |
第 | 十五条 補助開始ノ審判ヲ受ケタル者ハ被補助人トシテ之ニ補助人ヲ付ス |
第 | 十六条 家庭裁判所ハ第十四条第一項本文ニ掲ゲタル者又ハ補助人若クハ補助監督人ノ請求ニ因リ被補助人ガ特定ノ法律行為ヲ為スニハ其補助人ノ同意ヲ得ルコトヲ要スル旨ノ審判ヲ為スコトヲ得但其同意ヲ得ルコトヲ要スル行為ハ第十二条第一項ニ定メタル行為ノ一部ニ限ル 本人以外ノ者ノ請求ニ因リ前項ノ審判ヲ為スニハ本人ノ同意アルコトヲ要ス 補助人ノ同意ヲ得ルコトヲ要スル行為ニ付キ補助人ガ被補助人ノ利益ヲ害スル虞ナキニ拘ラズ同意ヲ為サザルトキハ家庭裁判所ハ被補助人ノ請求ニ因リ補助人ノ同意ニ代ハル許可ヲ与フルコトヲ得 補助人ノ同意ヲ得ルコトヲ要スル行為ニシテ其同意又ハ之ニ代ハル許可ヲ得ズシテ為シタルモノハ之ヲ取消スコトヲ得 |
第 | 十七条 第十四条第一項本文ニ定メタル原因止ミタルトキハ家庭裁判所ハ本人、配偶者、四親等内ノ親族、未成年後見人、未成年後見監督人、補助人、補助監督人又ハ検察官ノ請求ニ因リ補助開始ノ審判ヲ取消スコトヲ要ス 家庭裁判所ハ前項ニ掲ゲタル者ノ請求ニ因リ前条第一項ノ審判ノ全部又ハ一部ヲ取消スコトヲ得 前条第一項ノ審判及ビ第八百七十六条の九第一項ノ審判ヲ総テ取消ス場合ニ於テハ家庭裁判所ハ補助開始ノ審判ヲ取消スコトヲ要ス |
第 | 十八条 後見開始ノ審判ヲ為ス場合ニ於テ本人ガ被保佐人又ハ被補助人ナルトキハ家庭裁判所ハ其本人ニ係ル保佐開始又ハ補助開始ノ審判ヲ取消スコトヲ要ス 前項ノ規定ハ保佐開始ノ審判ヲ為ス場合ニ於テ本人ガ成年被後見人若クハ被補助人ナルトキ又ハ補助開始ノ審判ヲ為ス場合ニ於テ本人ガ成年被後見人若クハ被保佐人ナルトキニ之ヲ準用ス |
三 | 後見開始ノ審判ヲ受ケタルコト |
第 | 八百四十条 前条の規定によつて未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によつて、未成年後見人を選任する。未成年後見人が欠けたときも、同様である。 |
第 | 八百四十一条 父若しくは母が親権若しくは管理権を辞し、又は親権を失つたことによつて未成年後見人を選任する必要が生じたときは、その父又は母は、遅滞なく未成年後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。 |
第 | 八百四十二条 未成年後見人は、一人でなければならない。 |
第 | 八百四十三条 家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、職権で、成年後見人を選任する。 成年後見人が欠けたときは、家庭裁判所は、成年被後見人若しくはその親族その他の利害関係人の請求によつて、又は職権で、成年後見人を選任する。 成年後見人が選任されている場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に掲げる者若しくは成年後見人の請求によつて、又は職権で、更に成年後見人を選任することができる。 成年後見人を選任するには、成年被後見人の心身の状態並びに生活及び財産の状況、成年後見人となる者の職業及び経歴並びに成年被後見人との利害関係の有無(成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と成年被後見人との利害関係の有無)、成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。 |
第 | 八百四十五条 後見人がその任務を辞したことによつて新たに後見人を選任する必要が生じたときは、その後見人は、遅滞なく新たな後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。 |
第 | 八百四十六条 後見人に不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由があるときは、家庭裁判所は、後見監督人、被後見人若しくはその親族若しくは検察官の請求によつて、又は職権で、これを解任することができる。 |
第 | 八百四十七条 次に掲げる者は、後見人となることができない。 | |
一 | 未成年者 | |
二 | 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人 | |
三 | 破産者 | |
四 | 被後見人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並びに直系血族 | |
五 | 行方の知れない者 |
第 | 八百四十九条の二 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、成年被後見人、その親族若しくは成年後見人の請求によつて、又は職権で、成年後見監督人を選任することができる。 |
第 | 八百五十八条 成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たつては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。 |
第 | 八百五十九条の二 成年後見人が数人あるときは、家庭裁判所は、職権で、数人の成年後見人が、共同して又は事務を分掌して、その権限を行使すべきことを定めることができる。 家庭裁判所は、職権で、前項の規定による定めを取り消すことができる。 成年後見人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 |
第 | 八百五十九条の三 成年後見人は、成年被後見人に代わつて、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。 |
後見人が後見の事務を行うために必要な費用は、被後見人の財産の中から支弁する。 |
第五章の二 | 保佐及び補助 |
第一節 | 保佐 |
第 | 八百七十六条 保佐は、保佐開始の審判によつて開始する。 |
第 | 八百七十六条の二 家庭裁判所は、保佐開始の審判をするときは、職権で、保佐人を選任する。 第八百四十三条第二項から第四項まで及び第八百四十四条から第八百四十七条までの規定は、保佐人について準用する。 保佐人又はその代表する者と被保佐人との利益が相反する行為については、保佐人は、臨時保佐人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。ただし、保佐監督人がある場合は、この限りでない。 |
第 | 八百七十六条の三 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被保佐人、その親族若しくは保佐人の請求によつて、又は職権で、保佐監督人を選任することができる。 第六百四十四条、第六百五十四条、第六百五十五条、第八百四十三条第四項、第八百四十四条、第八百四十六条、第八百四十七条、第八百五十条、第八百五十一条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項及び第八百六十二条の規定は、保佐監督人について準用する。この場合において、第八百五十一条第四号中「被後見人を代表する」とあるのは、「被保佐人を代表し、又は被保佐人がこれをすることに同意する」と読み替えるものとする。 |
第 | 八百七十六条の四 家庭裁判所は、第十一条本文に掲げる者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によつて、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。 本人以外の者の請求によつて前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。 家庭裁判所は、第一項に掲げる者の請求によつて、同項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。 |
第 | 八百七十六条の五 保佐人は、保佐の事務を行うに当たつては、被保佐人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。 第六百四十四条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項、第八百六十二条及び第八百六十三条の規定は保佐の事務について、第八百二十四条ただし書の規定は保佐人が前条第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人を代表する場合について準用する。 第六百五十四条、第六百五十五条、第八百七十条、第八百七十一条及び第八百七十三条の規定は保佐人の任務が終了した場合について、第八百三十二条の規定は保佐人又は保佐監督人と被保佐人との間において保佐に関して生じた債権について準用する。 |
第二節 | 補助 |
第 | 八百七十六条の六 補助は、補助開始の審判によつて開始する。 |
第 | 八百七十六条の七 家庭裁判所は、補助開始の審判をするときは、職権で、補助人を選任する。 第八百四十三条第二項から第四項まで及び第八百四十四条から第八百四十七条までの規定は、補助人について準用する。 補助人又はその代表する者と被補助人との利益が相反する行為については、補助人は、臨時補助人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。ただし、補助監督人がある場合は、この限りでない。 |
第 | 八百七十六条の八 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被補助人、その親族若しくは補助人の請求によつて、又は職権で、補助監督人を選任することができる。 第六百四十四条、第六百五十四条、第六百五十五条、第八百四十三条第四項、第八百四十四条、第八百四十六条、第八百四十七条、第八百五十条、第八百五十一条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項及び第八百六十二条の規定は、補助監督人について準用する。この場合において、第八百五十一条第四号中「被後見人を代表する」とあるのは、「被補助人を代表し、又は被補助人がこれをすることに同意する」と読み替えるものとする。 |
第 | 八百七十六条の九 家庭裁判所は、第十四条第一項本文に掲げる者又は補助人若しくは補助監督人の請求によつて、被補助人のために特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。 第八百七十六条の四第二項及び第三項の規定は、前項の審判について準用する。 |
第 | 八百七十六条の十 第六百四十四条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項、第八百六十二条、第八百六十三条及び第八百七十六条の五第一項の規定は補助の事務について、第八百二十四条ただし書の規定は補助人が前条第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被補助人を代表する場合について準用する。 第六百五十四条、第六百五十五条、第八百七十条、第八百七十一条及び第八百七十三条の規定は補助人の任務が終了した場合について、第八百三十二条の規定は補助人又は補助監督人と被補助人との間において補助に関して生じた債権について準用する。 |
第 | 九百六十九条の二 口がきけない者が公正証書によつて遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、前条第二号の口授に代えなければならない。この場合における同条第三号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述」又は「自書」とする。 前条の遺言者又は証人が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第三号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により遺言者又は証人に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。 公証人は、前二項に定める方式に従つて公正証書を作つたときは、その旨をその証書に付記しなければならない。 |
前項の場合において、遺言者が通訳人の通訳により申述したときは、公証人は、その旨を封紙に記載しなければならない。 |
口がきけない者が前項の規定によつて遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項の口授に代えなければならない。 第一項後段の遺言者又は他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口授又は申述を受けた者は、同項後段に規定する筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者又は他の証人に伝えて、同項後段の読み聞かせに代えることができる。 |
口がきけない者が前項の規定によつて遺言をする場合には、遺言者は、通訳人の通訳によりこれをしなければならない。 |
(施行期日) | |
第 | 一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、第九百六十九条、第九百七十二条、第九百七十六条及び第九百七十九条の改正規定、第九百六十九条の次に一条を加える改正規定並びに次条の規定は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。 |
(民法の一部改正に伴う経過措置の原則) | |
第 | 二条 この法律による改正後の民法(次条において「新法」という。)の規定は、次条第三項の規定による場合を除き、当該改正規定の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、改正前の民法(次条において「旧法」という。)の規定によって生じた効力を妨げない。 |
(禁治産及び準禁治産の宣告等に関する経過措置) | |
第 | 三条 旧法の規定による禁治産の宣告は新法の規定による後見開始の審判と、当該禁治産の宣告を受けた禁治産者並びにその後見人及び後見監督人は当該後見開始の審判を受けた成年被後見人並びにその成年後見人及び成年後見監督人とみなす。 |
2 | 旧法の規定による心神耗弱を原因とする準禁治産の宣告は新法の規定による保佐開始の審判と、当該準禁治産の宣告を受けた準禁治産者及びその保佐人は当該保佐開始の審判を受けた被保佐人及びその保佐人とみなす。 |
3 | 前項に規定する準禁治産者以外の準禁治産者及びその保佐人に関する民法の規定の適用については、第八百四十六条、第九百七十四条及び第千九条の改正規定を除き、なお従前の例による。 |
4 | 旧法の規定による禁治産又は準禁治産の宣告の請求(この法律の施行前に当該請求に係る審判が確定したものを除く。)は、新法の規定による後見開始又は保佐開始の審判の請求とみなす。 |
法務大臣 | 臼井日出男 | |
内閣総理大臣 | 小渕 恵三 |