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刑法の一部を改正する法律
(平成7年法律第91号)

公布:平成7年5月12日(官報号外特第87号)
施行:平成7年6月1日(附則第1条

 刑法の一部を改正する法律をここに公布する。

 御 名  御 璽

  平成七年五月十二日

内閣総理大臣 村山 富市 


法律第九十一号

   刑法の一部を改正する法律

 刑法(明治四十年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。

 目次を削り、題名の次に次の目次を付する。
目次
 第一編 総則
  第一章 通則(第一条−第八条)
  第二章 刑(第九条−第二十一条)
  第三章 期間計算(第二十二条−第二十四条)
  第四章 刑の執行猶予(第二十五条−第二十七条)
  第五章 仮出獄(第二十八条−第三十条)
  第六章 刑の時効及び刑の消滅(第三十一条−第三十四条の二)
  第七章 犯罪の不成立及び刑の減免(第三十五条−第四十二条)
  第八章 未遂罪(第四十三条・第四十四条)
  第九章 併合罪(第四十五条−第五十五条)
  第十章 累犯(第五十六条−第五十九条)
  第十一章 共犯(第六十条−第六十五条)
  第十二章 酌量減軽(第六十六条・第六十七条)
  第十三章 加重減軽の方法(第六十八条−第七十二条)
 第二編 罪
  第一章 削除
  第二章 内乱に関する罪(第七十七条−第八十条)
  第三章 外患に関する罪(第八十一条−第八十九条)
  第四章 国交に関する罪(第九十条−第九十四条)
  第五章 公務の執行を妨害する罪(第九十五条−第九十六条の三)
  第六章 逃走の罪(第九十七条−第百二条)
  第七章 犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪(第百三条−第百五条の二)
  第八章 騒乱の罪(第百六条・第百七条)
  第九章 放火及び失火の罪(第百八条−第百十八条)
  第十章 出水及び水利に関する罪(第百十九条−第百二十三条)
  第十一章 往来を妨害する罪(第百二十四条−第百二十九条)
  第十二章 住居を侵す罪(第百三十条−第百三十二条)
  第十三章 秘密を侵す罪(第百三十三条−第百三十五条)
  第十四章 あへん煙に関する罪(第百三十六条−第百四十一条)
  第十五章 飲料水に関する罪(第百四十二条−第百四十七条)
  第十六章 通貨偽造の罪(第百四十八条−第百五十三条)
  第十七章 文書偽造の罪(第百五十四条−第百六十一条の二)
  第十八章 有価証券偽造の罪(第百六十二条・第百六十三条)
  第十九章 印章偽造の罪(第百六十四条−第百六十八条)
  第二十章 偽証の罪(第百六十九条−第百七十一条)
  第二十一章 虚偽告訴の罪(第百七十二条・第百七十三条)
             かんいん
  第二十二章 わいせつ、姦淫及び重婚の罪(第百七十四条−第百八十四条)
        
  第二十三章 賭博及び富くじに関する罪(第百八十五条−第百八十七条)
  第二十四章 礼拝所及び墳墓に関する罪(第百八十八条−第百九十二条)
  第二十五章 汚職の罪(第百九十三条−第百九十八条)
  第二十六章 殺人の罪(第百九十九条−第二百三条)
  第二十七章 傷害の罪(第二百四条−第二百八条の二)
  第二十八章 過失傷害の罪(第二百九条−第二百十一条)
  第二十九章 堕胎の罪(第二百十二条−第二百十六条)
  第三十章 遺棄の罪(第二百十七条−第二百十九条)
  第三十一章 逮捕及び監禁の罪(第二百二十条・第二百二十一条)
  第三十二章 脅迫の罪(第二百二十二条・第二百二十三条)
  第三十三章 略取及び誘拐の罪(第二百二十四条−第二百二十九条)
  第三十四章 名誉に対する罪(第二百三十条−第二百三十二条)
  第三十五章 信用及び業務に対する罪(第二百三十三条−第二百三十四条の二)
  第三十六章 窃盗及び強盗の罪(第二百三十五条−第二百四十五条)
  第三十七章 詐欺及び恐喝の罪(第二百四十六条−第二百五十一条)
  第三十八章 横領の罪(第二百五十二条−第二百五十五条)
  第三十九章 盗品等に関する罪(第二百五十六条・第二百五十七条)
  第四十章 毀棄及び隠匿の罪(第二百五十八条−第二百六十四条)

 第一編第一章を次のように改める。

   第一章 通則

 (国内犯)
第一条 この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。
2 日本国外にある日本船舶又は日本航空機内において罪を犯した者についても、前項
と同様とする。

 (すべての者の国外犯)
第二条 この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯したすべての者に適用する。
 一 削除
 二 第七十七条から第七十九条まで(内乱、予備及び陰謀、内乱等幇助)の罪
 三 第八十一条(外患誘致)、第八十二条(外患援助)、第八十七条(未遂罪)及び
第八十八条(予備及び陰謀)の罪
 四 第百四十八条(通貨偽造及び行使等)の罪及びその未遂罪
 五 第百五十四条(詔書偽造等)、第百五十五条(公文書偽造等)、第百五十七条
(公正証書原本不実記載等)、第百五十八条(偽造公文書行使等)及び公務所又は公務
員によって作られるべき電磁的記録に係る第百六十一条の二(電磁的記録不正作出及び
供用)の罪
 六 第百六十二条(有価証券偽造等)及び第百六十三条(偽造有価証券行使等)の罪
 七 第百六十四条から第百六十六条まで(御璽偽造及び不正使用等、公印偽造及び不
正使用等、公記号偽造及び不正使用等)の罪並びに第百六十四条第二項、第百六十五条
第二項及び第百六十六条第二項の罪の未遂罪

 (国民の国外犯)
第三条 この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国民に適用する。
 一 第百八条(現住建造物等放火)及び第百九条第一項(非現住建造物等放火)の罪、
これらの規定の例により処断すべき罪並びにこれらの罪の未遂罪
 二 第百十九条(現住建造物等浸害)の罪
 三 第百五十九条から第百六十一条まで(私文書偽造等、虚偽診断書等作成、偽造私
文書等行使)及び前条第五号に規定する電磁的記録以外の電磁的記録に係る第百六十一
条の二の罪
 四 第百六十七条(私印偽造及び不正使用等)の罪及び同条第二項の罪の未遂罪
                            かん
 五 第百七十六条から第百七十九条まで(強制わいせつ、強姦、準強制わいせつ及び
準強姦、未遂罪)、第百八十一条(強制わいせつ等致死傷)及び第百八十四条(重婚)
の罪
 六 第百九十九条(殺人)の罪及びその未遂罪
 七 第二百四条(傷害)及び第二百五条(傷害致死)の罪
 八 第二百十四条から第二百十六条まで(業務上堕胎及び同致死傷、不同意堕胎、不
同意堕胎致死傷)の罪
 九 第二百十八条(保護責任者遺棄等)の罪及び同条の罪に係る第二百十九条(遺棄
等致死傷)の罪
 十 第二百二十条(逮捕及び監禁)及び第二百二十一条(逮捕等致死傷)の罪
 十一 第二百二十四条から第二百二十八条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等
略取及び誘拐、身の代金目的略取等、国外移送目的略取等、被略取者収受等、未遂罪)
の罪
             
 十二 第二百三十条(名誉毀損)の罪
 十三 第二百三十五条から第二百三十六条まで(窃盗、不動産侵奪、強盗)、第二百
                     こん
三十八条から第二百四十一条まで(事後強盗、昏酔強盗、強盗致死傷、強盗強姦及び同
致死)及び第二百四十三条(未遂罪)の罪
 十四 第二百四十六条から第二百五十条まで(詐欺、電子計算機使用詐欺、背任、準
詐欺、恐喝、未遂罪)の罪
 十五 第二百五十三条(業務上横領)の罪
 十六 第二百五十六条第二項(盗品譲受け等)の罪

 (公務員の国外犯)
第四条 この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国の公務員に適用す
る。
 一 第百一条(看守者等による逃走援助)の罪及びその未遂罪
 二 第百五十六条(虚偽公文書作成等)の罪
 三 第百九十三条(公務員職権濫用)、第百九十五条第二項(特別公務員暴行陵虐)
及び第百九十七条から第百九十七条の四まで(収賄、受託収賄及び事前収賄、第三者供
賄、加重収賄及び事後収賄、あっせん収賄)の罪並びに第百九十五条第二項の罪に係る
第百九十六条(特別公務員職権濫用等致死傷)の罪

 (条約による国外犯)
第四条の二 前三条に規定するもののほか、この法律は、日本国外において、第二編の
罪であって条約により日本国外において犯したときであっても罰すべきものとされてい
るものを犯したすべての者に適用する。

 (外国判決の効力)
第五条 外国において確定裁判を受けた者であっても、同一の行為について更に処罰す
ることを妨げない。ただし、犯人が既に外国において言い渡された刑の全部又は一部の
執行を受けたときは、刑の執行を減軽し、又は免除する。

 (刑の変更)
第六条 犯罪後の法律によって刑の変更があったときは、その軽いものによる。

 (定義)
第七条 この法律において「公務員」とは、国又は地方公共団体の職員その他法令によ
り公務に従事する議員、委員その他の職員をいう。
2 この法律において「公務所」とは、官公庁その他公務員が職務を行う所をいう。

第七条の二 この法律において「電磁的記録」とは、電子的方式、磁気的方式その他人
の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機に
よる情報処理の用に供されるものをいう。

 (他の法令の罪に対する適用)
第八条 この編の規定は、他の法令の罪についても、適用する。ただし、その法令に特
別の規定があるときは、この限りでない。

 第九条から第二十一条までを次のように改める。

 (刑の種類)
           
第九条 死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科科を主刑とし、没収を付加刑とする。

 (刑の軽重)
第十条 主刑の軽重は、前条に規定する順序による。ただし、無期の禁錮と有期の懲役
とでは禁錮を重い刑とし、有期の禁錮の長期が有期の懲役の長期の二倍を超えるときも、
禁錮を重い刑とする。
2 同種の刑は、長期の長いもの又は多額の多いものを重い刑とし、長期又は多額が同
じであるときは、短期の長いもの又は寡額の多いものを重い刑とする。
3 二個以上の死刑又は長期若しくは多額及び短期若しくは寡額が同じである同種の刑
は、犯情によってその軽重を定める。

 (死刑)
第十一条 死刑は、監獄内において、絞首して執行する。
2 死刑の言渡しを受けた者は、その執行に至るまで監獄に拘置する。

 (懲役)
第十二条 懲役は、無期及び有期とし、有期懲役は、一月以上十五年以下とする。
2 懲役は、監獄に拘置して所定の作業を行わせる。

 (禁錮)
第十三条 禁錮は、無期及び有期とし、有期禁錮は、一月以上十五年以下とする。
2 禁錮は、監獄に拘置する。

 (有期の懲役及び禁錮の加減の限度)
第十四条 有期の懲役又は禁錮を加重する場合においては二十年にまで上げることがで
き、これを減軽する場合においては一月未満に下げることができる。

 (罰金)
第十五条 罰金は、一万円以上とする。ただし、これを減軽する場合においては、一万
円未満に下げることができる。

 (拘留)
第十六条 拘留は、一日以上三十日未満とし、拘留場に拘置する。

 (科料)
第十七条 科料は、千円以上一万円未満とする。

 (労役場留置)
第十八条 罰金を完納することができない者は、一日以上二年以下の期間、労役場に留
置する。
2 科料を完納することができない者は、一日以上三十日以下の期間、労役場に留置す
る。
3 罰金を併科した場合又は罰金と科料とを併科した場合における留置の期間は、三年
を超えることができない。科料を併科した場合における留置の期間は六十日を超えるこ
とができない。
4 罰金又は科料の言渡しをするときは、その言渡しとともに、罰金又は科料を完納す
ることができない場合における留置の期間を定めて言い渡さなければならない。
5 罰金については裁判が確定した後三十日以内、科料については裁判が確定した後十
日以内は、本人の承諾がなければ留置の執行をすることができない。
6 罰金又は科料の言渡しを受けた者がその一部を納付したときは、罰金又は科料の全
額と留置の日数との割合に従い、納付した金額に相当する日数を控除して留置する。
7 留置の執行中に罰金又は科料の一部を納付したときは、その金額を、前項の割合で、
残りの日数に充てる。
8 留置一日の割合に満たない金額は、納付することができない。

 (没収)
第十九条 次に掲げる物は、没収することができる。
 一 犯罪行為を組成した物
 二 犯罪行為の用に供し、又は供しようとした物
 三 犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として
得た物
 四 前号に掲げる物の対価として得た物
2 没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。ただし、犯
人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものである
ときは、これを没収することができる。

 (追徴)
第十九条の二 前条第一項第三号又は第四号に掲げる物の全部又は一部を没収すること
ができないときは、その価額を追徴することができる。

 (没収の制限)
第二十条 拘留又は科料のみに当たる罪については、特別の規定がなければ、没収を科
することができない。ただし、第十九条第一項第一号に掲げる物の没収については、こ
の限りでない。

    こう
 (未決勾留日数の本刑算入)
        こう
第二十一条 未決拘留の日数は、その全部又は一部を本刑に算入することができる。

 第二十二条から第二十四条までを次のように改める。

 (期間の計算)
第二十二条 月又は年によって期間を定めたときは、暦に従って計算する。

 (刑期の計算)
第二十三条 刑期は、裁判が確定した日から起算する。
2 拘禁されていない日数は、裁判が確定した後であっても、刑期に算入しない。

 (受刑等の初日及び釈放)
第二十四条 受刑の初日は、時間にかかわらず、一日として計算する。時効期間の初日
についても、同様とする。
2 刑期が終了した場合における釈放は、その終了の日の翌日に行う。

 第一編第四章を次のように改める。

   第四章 刑の執行猶予

 (執行猶予)
第二十五条 次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言
渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、そ
の執行を猶予することができる。
 一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
 二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその
執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその執行を猶予された者が一年以下
の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様
とする。ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を
犯した者については、この限りでない。

 (保護観察)
第二十五条の二 前条第一項の場合においては猶予の期間中保護観察に付することがで
き、同条第二項の場合においては猶予の期間中保護観察に付する。
2 保護観察は、行政官庁の処分によって仮に解除することができる。
3 保護観察を仮に解除されたときは、前条第二項ただし書及び第二十六条の二第二号
の規定の適用については、その処分を取り消されるまでの間は、保護観察に付せられな
かったものとみなす。

 (執行猶予の必要的取消し)
第二十六条 次に掲げる場合においては、刑の執行猶予の言渡しを取り消さなければな
らない。ただし、第三号の場合において、猶予の言渡しを受けた者が第二十五条第一項
第二号に掲げる者であるとき、又は次条第三号に該当するときは、この限りでない。
 一 猶予の期間内に更に罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ、その刑について執行猶
予の言波しがないとき。
 二 猶予の言渡し前に犯した他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その刑につい
て執行猶予の言渡しがないとき。
 三 猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられたことが発覚したとき。

 (執行猶予の裁量的取消し)
第二十六条の二 次に掲げる場合においては、刑の執行猶予の言渡しを取り消すことが
できる。
 一 猶予の期間内に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。
 二 第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付せられた者が遵守すべき事項を
遵守せず、その情状が重いとき。
 三 猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その執行を猶予され
たことが発覚したとき。

 (他の刑の執行猶予の取消し)
第二十六条の三 前二条の規定により禁錮以上の刑の執行猶予の言渡しを取り消したと
きは、執行猶予中の他の禁錮以上の刑についても、その猶予の言渡しを取り消さなけれ
ばならない。

 (猶予期間経過の効果)
第二十七条 刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予の期間を経過したとき
は、刑の言渡しは、効力を失う。

 第二十八条から第三十条までを次のように改める。

 (仮出獄)
                     しゅん
第二十八条 懲役又は禁錮に処せられた者に改悛の状があるときは、有期刑については
その刑期の三分の一を、無期刑については十年を経過した後、行政官庁の処分によって
仮に出獄を許すことができる。

 (仮出獄の取消し)
第二十九条 次に掲げる場合においては、仮出獄の処分を取り消すことができる。
 一 仮出獄中に更に罪を犯し、罰金以上の刑に処せられたとき。
 二 仮出獄前に犯した他の罪について罰金以上の刑に処せられたとき。
 三 仮出獄前に他の罪について罰金以上の刑に処せられた者に対し、その刑の執行を
すべきとき。
 四 仮出獄中に遵守すべき事項を遵守しなかったとき。
2 仮出獄の処分を取り消したときは、出獄中の日数は、刑期に算入しない。

 (仮出場)
第三十条 拘留に処せられた者は、情状により、いつでも、行政官庁の処分によって仮
に出場を許すことができる。
2 罰金又は科料を完納することができないため留置された者も、前項と同様とする。

 第一編第六章及び第七章を次のように改める。

   第六章 刑の時効及び刑の消滅

 (刑の時効)
第三十一条 刑の言渡しを受けた者は、時効によりその執行の免除を得る。

 (時効の期間)
第三十二条 時効は、刑の言渡しが確定した後、次の期間その執行を受けないことによ
って完成する。
 一 死刑については三十年
 二 無期の懲役又は禁錮については二十年
 三 十年以上の有期の懲役又は禁錮については十五年
 四 三年以上十年未満の懲役又は禁錮については十年
 五 三年未満の懲役又は禁錮については五年
 六 罰金については三年
 七 拘留、科料及び没収については一年

 (時効の停止)
第三十三条 時効は、法令により執行を猶予し、又は停止した期間内は、進行しない。

 (時効の中断)
第三十四条 死刑、懲役、禁錮及び拘留の時効は、刑の言渡しを受けた者をその執行の
ために拘束することによって中断する。
2 罰金、科料及び没収の時効は、執行行為をすることによって中断する。

 (刑の消滅)
第三十四条の二 禁錮以上の刑の執行を終わり又ははその執行の免除を得た者が罰金以
上の刑に処せられないで十年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。罰金以下
の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで五年
を経過したときも、同様とする。
2 刑の免除の言渡しを受けた者が、その言渡しが確定した後、罰金以上の刑に処せら
れないで二年を経過したときは、刑の免除の言渡しは、効力を失う。

   第七章 犯罪の不成立及び刑の減免

 (正当行為)
第三十五条 法令又は正当な業務による行為は、罰しない。

 (正当防衛)
第三十六条 急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得
ずにした行為は、罰しない。
2 防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することがで
きる。

 (緊急避難)
第三十七条 自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるた
め、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超え
なかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その
刑を減軽し、又は免除することができる。
2 前項の規定は、業務上特別の義務がある者には、適用しない。

 (故意)
第三十八条 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある
場合は、この限りでない。
2 重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事
実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
3 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとする
ことはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。

 (心神喪失及び心神耗弱)
第三十九条 心神喪失者の行為は、罰しない。
2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

第四十条 削除

 (責任年齢)
第四十一条 十四歳に満たない者の行為は、罰しない。

 (自首等)
第四十二条 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽す
ることができる。
2 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができ
る者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。

 第四十三条及び第四十四条を次のように改める。

 (未遂減免)
第四十三条 犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することが
できる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除
する。

 (未遂罪)
第四十四条 未遂を罰する場合は、各本条で定める。

 第四十五条から第五十四条までを次のように改める。

 (併合罪)
第四十五条 確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする。ある罪について禁錮
以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪
とに限り、併合罪とする。

 (併科の制限)
第四十六条 併合罪のうちの一個の罪について死刑に処するときは、他の刑を科さない。
ただし、没収は、この限りでない。
2 併合罪のうちの一個の罪について無期の懲役又は禁錮に処するときも、他の刑を科
さない。ただし、罰金、科料及び没収は、この限りでない。

 (有期の懲役及び禁錮の加重)
第四十七条 併合罪のうちの二個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、
その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを長期とする。た
だし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。

 (罰金の併科等)
第四十八条 罰金と他の刑とは、併科する。ただし、第四十六条第一項の場合は、この
限りでない。
2 併合罪のうちの二個以上の罪について罰金に処するときは、それぞれの罪について
定めた罰金の多額の合計以下で処断する。

 (没収の付加)
第四十九条 併合罪のうちの重い罪について没収を科さない場合であっても、他の罪に
ついて没収の事由があるときは、これを付加することができる。
2 二個以上の没収は、併科する。

 (余罪の処理)
第五十条 併合罪のうちに既に確定裁判を経た罪とまだ確定裁判を経ていない罪とがあ
るときは、確定裁判を経ていない罪について更に処断する。

 (併合罪に係る二個以上の刑の執行)
第五十一条 併合罪について二個以上の裁判があったときは、その刑を併せて執行する。
ただし、死刑を執行すべきときは、没収を除き、他の刑を執行せず、無期の懲役又は禁
錮を執行すべきときは、罰金、科料及び没収を除き、他の刑を執行しない。
2 前項の場合における有期の懲役又は禁錮の執行は、その最も重い罪について定めた
刑の長期にその二分の一を加えたものを超えることができない。

 (一部に大赦があった場合の措置)
第五十二条 併合罪について処断された者がその一部の罪につき大赦を受けたときは、
他の罪について改めて刑を定める。

 (拘留及び科料の併科)
第五十三条 拘留又は科料と他の刑とは、併科する。ただし、第四十六条の場合は、こ
の限りでない。
2 二個以上の拘留又は科料は、併科する。

 (一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合等の処理)
第五十四条 一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である
行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
2 第四十九条第二項の規定は前項の場合にも、適用する。

 第五十六条及び第五十七条を次のように改正する。

 (再犯)
第五十六条 懲役に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日
から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときは、再犯
とする。
2 懲役に当たる罪と同質の罪により死刑に処せられた者がその執行の免除を得た日又
は減刑により懲役に減軽されてその執行を終わった日若しくはその執行の免除を得た日
から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときも、前項
と同様とする。
3 併合罪について処断された者が、その併合罪のうちに懲役に処すべき罪があったの
に、その罪が最も重い罪でなかったため懲役に処せられなかったものであるときは、再
犯に関する規定の適用については、懲役に処せられたものとみなす。

 (再犯加重)
第五十七条 再犯の刑は、その罪について定めた懲役の長期の二倍以下とする。

 第五十九条を次のように改める。

 (三犯以上の累犯)
第五十九条 三犯以上の者についても、再犯の例による。

第六十条から第六十五条までを次のように改める。

 (共同正犯)
第六十条 二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

 (教唆)
第六十一条 人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
2 教唆者を教唆した者についても、前項と同様とする。

  ほう
 (幇助)
         ほう
第六十二条 正犯を幇助した者は、従犯とする。
2 従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。

 (従犯減軽)
第六十三条 従犯の刑は、正犯の刑を減軽する。

 (教唆及び幇助の処罰の制限)
第六十四条 拘留又は科料のみに処すべき罪の教唆者及び従犯は、特別の規定がなけれ
ば、罰しない。

 (身分犯の共犯)
第六十五条 犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者
であっても、共犯とする。
2 身分によって特に刑の軽重があるときは、身分のない者には通常の刑を科する。

 第六十六条及び第六十七条を次のように改める。

 (酌量減軽)
第六十六条 犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができ
る。

 (法律上の加減と酌量減軽)
第六十七条 法律上刑を加重し、又は減軽する場合であっても、酌量減軽をすることが
できる。

 第一編第十三章を次のように改める。

   第十三章 加重減軽の方法

 (法律上の減軽の方法)
第六十八条 法律上刑を減軽すべき一個又は二個以上の事由があるときは、次の例によ
る。
 一 死刑を減軽するときは、無期の懲役若しくは禁錮又は十年以上の懲役若しくは禁
錮とする。
 二 無期の懲役又は禁錮を減軽するときは、七年以上の有期の懲役又は禁錮とする。
 三 有期の懲役又は禁錮を減軽するときは、その長期及び短期の二分の一を減ずる。
 四 罰金を減軽するときは、その多額及び寡額の二分の一を減ずる。
 五 拘留を減軽するときは、その長期の二分の一を減ずる。
 六 科料を減軽するときは、その多額の二分の一を減ずる。

 (法律上の減軽と刑の選択)
第六十九条 法律上刑を減軽すべき場合において、各本条に二個以上の刑名があるとき
は、まず適用する刑を定めて、その刑を減軽する。

 (端数の切捨て)
第七十条 懲役、禁錮又は拘留を減軽することにより一日に満たない端数が生じたとき
は、これを切り捨てる。

 (酌量減軽の方法)
第七十一条 酌量減軽をするときも、第六十八条及び前条の例による。

 (加重減軽の順序)
第七十二条 同時に刑を加重し、又は減軽するときは、次の順序による。
 一 再犯加重
 二 法律上の減軽
 三 併合罪の加重
 四 酌量減軽

 第七十三条から第七十六条までを次のように改める。

第七十三条から第七十六条まで 削除

 第二編第二章を次のように改める。

   第二章 内乱に関する罪

 (内乱)
第七十七条 国の統治機構を破壊し、又はその領土において国権を排除して権力を行使
し、その他憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として暴動をした者は、
内乱の罪とし、次の区別に従って処断する。
 一 首謀者は、死刑又は無期禁錮に処する。
 二 謀議に参与し、又は群集を指揮した者は無期又は三年以上の禁錮に処し、その他
諸般の職務に従事した者は一年以上十年以下の禁錮に処する。
 三 付和随行し、その他単に暴動に参加した者は、三年以下の禁錮に処する。
2 前項の罪の未遂は、罰する。ただし、同項第三号に規定する者については、この限
りでない。

 (予備及び陰謀)
第七十八条 内乱の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の禁錮に処する。

 (内乱等幇助)
第七十九条 兵器、資金若しくは食糧を供給し、又はその他の行為により、前二条の罪
を幇助した者は、七年以下の禁錮に処する。

 (自首による刑の免除)
第八十条 前二条の罪を犯した者であっても、暴動に至る前に自首したときは、その刑
を免除する。

 第二編第三章の章名及び第八十一条から第八十八条までを次のように改める。

   第三章 外患に関する罪

 (外患誘致)
第八十一条 外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。

 (外患援助)
第八十二条 日本国に対して外国から武力の行使があったときに、これに加担して、そ
の軍務に服し、その他これに軍事上の利益を与えた者は、死刑又は無期若しくは二年以
上の懲役に処する。

第八十三条から第八十六条まで 削除

 (未遂罪)
第八十七条 第八十一条及び第八十二条の罪の未遂は、罰する。

 (予備及び陰謀)
第八十八条 第八十一条又は第八十二条の罪の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年
以下の懲役に処する。

 第二編第四章から第十一章までを次のように改める。

   第四章 国交に関する罪

第九十条及び第九十一条 削除

 (外国国章損壊等)
第九十二条 外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、
除去し、又は汚損した者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪は、外国政府の請求がなければ公訴を提起することができない。

 (私戦予備及び陰謀)
第九十三条 外国に対して私的に戦闘行為をする目的で、その予備又は陰謀をした者は、
三月以上五年以下の禁錮に処する。ただし、自首した者は、その刑を免除する。

 (中立命令違反)
第九十四条 外国が交戦している際に、局外中立に関する命令に違反した者は、三年以
下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

   第五章 公務の執行を妨害する罪

 (公務執行妨害及び職務強要)
第九十五条 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者
は、三年以下の懲役又は禁錮に処する。
2 公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるために、
暴行又は脅迫を加えた者も、前項と同様とする。

 (封印等破棄)
第九十六条 公務員が施した封印若しくは差押えの表示を損壊し、又はその他の方法で
無効にした者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

 (強制執行妨害)
第九十六条の二 強制執行を免れる目的で、財産を隠匿し、損壊し、若しくは仮装譲渡
し、又は仮装の債務を負担した者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 (競売等妨害)
第九十六条の三 偽計又は威力を用いて、公の競売又は入札の公正を害すぺき行為をし
た者は、二年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金に処する。
2 公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的で、談合した者も、前項と同様とする。

   第六章 逃走の罪

 (逃走)
第九十七条 裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者が逃走したときは、一年以
下の懸役に処する。

 (加重逃走)
第九十八条 前条に規定する者又は勾引状の執行を受けた者が拘禁場若しくは拘束のた
めの器具を損壊し、暴行若しくは脅迫をし、又は二人以上通謀して、逃走したときは、
三月以上五年以下の懲役に処する。

 (被拘禁者奪取)
第九十九条 法令により拘禁された者を奪取した者は、三月以上五年以下の懲役に処す
る。

 (逃走援助)
第百条 法令により拘禁された者を逃走させる目的で、器具を提供し、その他逃走を容
易にすべき行為をした者は、三年以下の懲役に処する。
2 前項の目的で、暴行又は脅迫をした者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

 (看守者等による逃走援助)
第百一条 法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者を逃走
させたときは、一年以上十年以下の懲役に処する。

 (未遂罪)
第百二条 この章の罪の未遂は、罰する。

   第七章 犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪

 (犯人蔵匿等)
第百三条 罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は
隠避させた者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

 (証拠隠滅等)
第百四条 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造
若しくは変造の証拠を使用した者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

 (親族による犯罪に関する特例)
第百五条 前二条の罪については、犯人又は逃走した者の親族がこれらの者の利益のた
めに犯したときは、その刑を免除することができる。

 (証人等威迫)
第百五条の二 自己若しくは他人の刑事事件の捜査若しくは審判に必要な知識を有する
と認められる者又はその親族に対し、当該事件に関して、正当な理由がないのに面会を
強請し、又は強談威迫の行為をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処
する。

   第八章 騒乱の罪

 (騒乱)
第百六条 多衆で集合して暴行又は脅迫をした者は、騒乱の罪とし、次の区別に従って
処断する。
 一 首謀者は、一年以上十年以下の懲役又は禁錮に処する。
 二 他人を指揮し、又は他人に率先して勢いを助けた者は、六月以上七年以下の懲役
又は禁錮に処する。
 三 付和随行した者は、十万円以下の罰金に処する。

 (多衆不解故)
第百七条 暴行又は脅迫をするため多衆が集合した場合において、権限のある公務員か
ら解散の命令を三回以上受けたにもかかわらず、なお解散しなかったときは、首謀者は
三年以下の懲役又は禁錮に処し、その他の者は十万円以下の罰金に処する。

   第九章 放火及び失火の罪

 (現住建造物等放火)
第百八条 放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦
船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

 (非現住建造物等放火)
第百九条 放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又
は鉱坑を焼損した者は、二年以上の有期懲役に処する。
2 前項の物が自己の所有に係るときは、六月以上七年以下の懲役に処する。ただし、
公共の危険を生じなかったときは、罰しない。

 (建造物等以外放火)
第百十条 放火して、前二条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じ
させた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2 前項の物が自己の所有に係るときは、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処す
る。

 (延焼)
第百十一条 第百九条第二項又は前条第二項の罪を犯し、よって第百八条又は第百九条
第一項に規定する物に延焼させたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。
2 前条第二項の罪を犯し、よって同条第一項に規定する物に延焼させたときは、三年
以下の懲役に処する。

 (未遂罪)
第百十二条 第百八条及び第百九条第一項の罪の未遂は、罰する。

 (予備)
第百十三条 第百八条又は第百九条第一項の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二
年以下の懲役に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。

 (消火妨害)
第百十四条 火災の際に、消火用の物を隠匿し、若しくは損壊し、又はその他の方法に
より、消火を妨害した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

 (差押え等に係る自己の物に関する特例)
第百十五条 第百九条第一項及び第百十条第一項に規定する物が自己の所有に係るもの
であっても、差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、又は保険に付したものである場合
において、これを焼損したときは、他人の物を焼損した者の例による。

 (失火)
第百十六条 失火により、第百八条に規定する物又は他人の所有に係る第百九条に規定
する物を焼損した者は、五十万円以下の罰金に処する。
2 失火により、第百九条に規定する物であって自己の所有に係るもの又は第百十条に
規定する物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者も、前項と同様とする。

 (激発物破裂)
第百十七条 火薬、ボイラーその他の激発すべき物を破裂させて、第百八条に規定する
物又は他人の所有に係る第百九条に規定する物を損壊した者は、放火の例による。第百
九条に規定する物であって自己の所有に係るもの又は第百十条に規定する物を損壊し、
よって公共の危険を生じさせた者も、同様とする。
2 前項の行為が過失によるときは、失火の例による。

 (業務上失火等)
第百十七条の二 第百十六条又は前条第一項の行為が業務上必要な注意を怠ったことに
よるとき、又は重大な過失によるときは、三年以下の禁錮又は百五十万円以下の罰金に
処する。

 (ガス漏出等及び同致死傷)
第百十八条 ガス、電気又は蒸気を漏出させ、流出させ、又は遮断し、よって人の生命、
身体又は財産に危険を生じさせた者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2 ガス、電気又は蒸気を漏出させ、流出させ、又は遮断し、よって人を死傷させた者
は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

   第十章 出水及び水利に関する罪

 (現住建造物等浸害)
第百十九条 出水させて、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車
又は鉱坑を浸害した者は、死刑又は無期若しくは三年以上の懲役に処する。

 (非現住建造物等浸害)
第百二十条 出水させて、前条に規定する物以外の物を浸害し、よって公共の危倹を生
じさせた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2 浸害した物が自己の所有に係るときは、その物が差押えを受け、物権を負担し、賃
貸し、又は保倹に付したものである場合に恨り、前項の例による。

 (水防妨害)
第百二十一条 水害の際に、水防用の物を隠匿し、若しくは損壊し、又はその他の方法
により、水防を妨害した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

 (過失建造物等浸害)
第百二十二条 過失により出水させて、第百十九条に規定する物を侵害した者又は第百
二十条に規定する物を浸害し、よって公共の危険を生じさせた者は、二十万円以下の罰
金に処する。

 (水利妨害及び出水危険)
第百二十三条 堤防を決壊させ、水門を破壊し、その他水利の妨害となるべき行為又は
出水させるべき行為をした者は、二年以下の懲役若しくは禁錮又は二十万円以下の罰金
に処する。

   第十一章 往来を妨害する罪

 (往来妨害及び同致死傷)
                       そく
第百二十四条 陸路、水路又は橋を損壊し、又は閉塞して往来の妨害を生じさせた者は、
二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により
処断する。

 (往来危険)
第百二十五条 鉄道若しくはその標識を損壊し、又はその他の方法により、汽車又は電
車の往来の危険を生じさせた者は、二年以上の有期懲役に処する。
2 灯台若しくは浮標を損壊し、又はその他の方法により、艦船の往来の危倹を生じさ
せた者も、前項と同様とする。

 (汽車転覆等及び同致死)
第百二十六条 現に人がいる汽車又は電車を転覆させ、又は破壊した者は、無期又は三
年以上の懲役に処する。
2 現に人がいる艦船を転覆させ、沈没させ、又は破壊した者も、前項と同様とする。
3 前二項の罪を犯し、よって人を死亡させた者は、死刑又は無期懸役に処する。

 (往来危倹による汽車転覆等)
第百二十七条 第百二十五条の罪を犯し、よって汽車若しくは電車を転覆させ、若しく
は破壊し、又は艦船を転覆させ、沈没させ、若しくは破壊した者も、前条の例による。

 (未遂罪)
第百二十八条 第百二十四条第一項、第百二十五条並びに第百二十六条第一項及び第二
項の罪の未遂は、罰する。

 (過失往来危険)
第百二十九条 過失により、汽車、電車若しくは艦船の往来の危険を生じさせ、又は汽
車若しくは電車を転覆させ、若しくは破壊し、若しくは艦船を転覆させ、沈没させ、若
しくは破壊した者は、三十万円以下の罰金に処する。
2 その業務に従事する者が前項の罪を犯したときは、三年以下の禁錮又は五十万円以
下の罰金に処する。

 第二編第十二章の章名及び第百三十条を次のように改める。

   第十二章 住居を侵す罪

 (住居侵入等)
第百三十条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若し
くは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった
者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 第百三十二条を次のように改める。

 (未遂罪)
第百三十二条 第百三十条の罪の未遂は、罰する。

 第二編第十三章から第二十一章までを次のように改める。

   第十三章 秘密を侵す罪

 (信書開封)
第百三十三条 正当な理由がないのに、封をしてある信書を開けた者は、一年以下の懲
役又は二十万円以下の罰金に処する。

 (秘密漏示)
第百三十四条 医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産婦、弁護士、弁護人、公証人又は
これらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて
知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
      とう     
2 宗教、祈祷若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者が、正当な理由が
ないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときも、前
項と同様とする。

 (親告罪)
第百三十五条 この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

   第十四章 あへん煙に関する罪

 (あへん煙輸入等)
第百三十六条 あへん煙を輸入し、製造し、販売し、又は販売の目的で所持した者は、
六月以上七年以下の懲役に処する。

 (あへん煙吸食器具輸入等)
第百三十七条 あへん煙を吸食する器具を輸入し、製造し、販売し、又は販売の目的で
所持した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

 (税関職員によるあへん煙輸入等)
第百三十八条 税関職員が、あへん煙又はあへん煙を吸食するための器具を輸入し、又
はこれらの輸入を許したときは、一年以上十年以下の懲役に処する。

 (あへん煙吸食及び場所提供)
第百三十九条 あへん煙を吸食した者は、三年以下の懲役に処する。
2 あへん煙の吸食のため建物又は室を提供して利益を図った者は、六月以上七年以下
の懲役に処する。

 (あへん煙等所持)
第百四十条 あへん煙又はあへん煙を吸食するための器具を所持した者は、一年以下の
懲役に処する。

 (未遂罪)
第百四十一条 この章の罪の未遂は、罰する。

   第十五章 飲料水に関する罪

 (浄水汚染)
第百四十二条 人の飲料に供する浄水を汚染し、よって使用することができないように
した者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 (水道汚染)
第百四十三条 水道により公衆に供拾する飲料の浄水又はその水源を汚染し、よって使
用することができないようにした者は、六月以上七年以下の懲役に処する。

 (浄水毒物等混入)
第百四十四条 人の飲料に供する浄水に毒物その他人の健康を害すべき物を混入した者
は、三年以下の懲役に処する。

 (浄水汚染等致死傷)
第百四十五条 前三条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、
重い刑により処断する。

 (水道毒物等混入及び同致死)
第百四十六条 水道により公衆に供拾する飲料の浄水又はその水源に毒物その他人の健
康を害すべき物を混入した者は、二年以上の有期懲役に処する。よって人を死亡させた
者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

 (水道損壊及び閉塞)
第百四十七条 公衆の飲料に供する浄水の水道を損壊し、又は閉塞した者は、一年以上
十年以下の懲役に処する。

   第十六章 通貨偽造の罪

 (通貨偽造及び行使等)
第百四十八条 行使の目的で、通用する貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した
者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2 偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若
しくは輸入した者も、前項と同様とする。

 (外国通貨偽造及び行使等)
第百四十九条 行使の目的で、日本国内に流通している外国の貨幣、紙幣又は銀行券を
偽造し、又は変造した者は、二年以上の有期懲役に処する。
2 偽造又は変造の外国の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付
し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。

 (偽造通貨等収得)
第百五十条 行使の目的で、偽造又は変造の貸幣、紙幣又は銀行券を収得した者は、三
年以下の懲役に処する。

 (未遂罪)
第百五十一条 前三条の罪の未遂は、罰する。

 (収得後知情行使等)
第百五十二条 貸幣、紙幣又は銀行券を収得した後に、それが偽造又は変造のものであ
ることを知って、これを行使し、又は行使の目的で人に交付した者は、その額面価格の
三倍以下の罰金又は科料に処する。ただし、二千円以下にすることはできない。

 (通貨偽造等準備)
第百五十三条 貨幣、紙幣又は銀行券の偽造又は変造の用に供する目的で、器械又は原
料を準備した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

   第十七章 文書偽造の罪

 (詔書偽造等)
第百五十四条 行使の目的で、御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を
偽造し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造した
者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2 御璽若しくは国璽を押し又は御名を署した詔書その他の文書を変造した者も、前項
と同様とする。

 (公文書偽造等)
第百五十五条 行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公
務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若し
くは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若し
くは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2 公務所又は公務員が押印し又は署名した文書又は図画を変造した者も、前項と同様
とする。
3 前二項に規定するもののほか、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図
画を偽造し、又は公務所若しくは公務員が作成した文書若しくは図画を変造した者は、
三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

 (虚偽公文書作成等)
第百五十六条 公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を
作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、
前二条の例による。

 (公正証書原本不実記載等)
第百五十七条 公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しく
は義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公
正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、五年以下の懲役
又は五十万円以下の罰金に処する。
2 公務員に対し虚偽の申立てをして、免状、鑑札又は旅券に不実の記載をさせた者は、
一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。

 (偽造公文書行使等)
第百五十八条 第百五十四条から前条までの文書若しくは図画を行使し、又は前条第一
項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供した者は、その文書若しくは図画を偽
造し、若しくは変造し、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は不実の記載若しくは記
録をさせた者と同一の刑に処する。
2 前項の罪の未遂は、罰する。

 (私文書偽造等)
第百五十九条 行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは
事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を
使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月
以上五年以下の懲役に処する。
2 他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造し
た者も、前項と同様とする。
3 前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽
造し、又は変造した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 (虚偽診断書等作成)
第百六十条 医師が公務所に提出すべき診断書、検案書又は死亡証書に虚偽の記載をし
たときは、三年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。

 (偽造私文書等行使)
第百六十一条 前二条の文書又は図画を行使した者は、その文書若しくは図画を偽造し、
若しくは変造し、又は虚偽の記載をした者と同一の刑に処する。
2 前項の罪の未遂は、罰する。

 (電磁的記録不正作出及び供用)
第百六十一条の二 人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、
義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、五年以下の懲役又は五十万
円以下の罰金に処する。
2 前項の罪が公務所又は公務員により作られるべき電磁的記録に係るときは、十年以
下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
3 不正に作られた権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を、第一項の目的で、
人の事務処理の用に供した者は、その電磁的記録を不正に作った者と同一の刑に処する。
4 前項の罪の未遂は、罰する。

   第十八章 有価証券偽造の罪

 (有価証券偽造等)
第百六十二条 行使の目的で、公債証書、官庁の証券、会社の株券その他の有価証券を
偽造し、又は変造した者は、三月以上十年以下の懲役に処する。
2 行使の目的で、有価証券に虚偽の記入をした者も、前項と同様とする。

 (偽造有価証券行使等)
第百六十三条 偽造若しくは変造の有価証券又は虚偽の記入がある有価証券を行使し、
又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者は、三月以上十年以下の懲役に処す
る。
2 前項の罪の未遂は、罰する。

   第十九章 印章偽造の罪

 (御璽偽造及び不正使用等)
第百六十四条 行使の目的で、御璽、国璽又は御名を偽造した者は、二年以上の有期懲
役に処する。
2 御璽、国璽若しくは御名を不正に使用し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を
使用した者も、前項と同様とする。

 (公印偽造及び不正使用等)
第百六十五条 行使の目的で、公務所又は公務員の印章又は署名を偽造した者は、三月
以上五年以下の懲役に処する。
2 公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を不正に使用し、又は偽造した公務所若
しくは公務員の印章若しくは署名を使用した者も、前項と同様とする。

 (公記号偽造及び不正使用等)
第百六十六条 行使の目的で、公務所の記号を偽造した者は、三年以下の懲役に処する。
2 公務所の記号を不正に使用し、又は偽造した公務所の記号を使用した者も、前項と
同様とする。

 (私印偽造及び不正使用等)
第百六十七条 行使の目的で、他人の印章又は署名を偽造した者は、三年以下の懲役に
処する。
2 他人の印章若しくは署名を不正に使用し、又は偽造した印章若しくは署名を使用し
た者も、前項と同様とする。

 (未遂罪)
第百六十八条 第百六十四条第二項、第百六十五条第二項、第百六十六条第二項及び前
条第二項の罪の未遂は、罰する。

   第二十章 偽証の罪

 (偽証)
第百六十九条 法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下
の懲役に処する。

 (自白による刑の減免)
第百七十条 前条の罪を犯した者が、その証言をした事件について、その裁判が確定す
る前又は懲戒処分が行われる前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除すること
ができる。

 (虚偽鑑定等)
第百七十一条 法律により宣誓した鑑定人、通訳人又は翻訳人が虚偽の鑑定、通訳又は
翻訳をしたときは、前二条の例による。

   第二十一章 虚偽告訴の罪

 (虚偽告訴等)
第百七十二条 人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他
の申告をした者は、三月以上十年以下の懲役に処する。

 (自白による刑の減免)
第百七十三条 前条の罪を犯した者が、その申告をした事件について、その裁判が確定
する前又は懲戒処分が行われる前に自自したときは、その刑を減軽し、又は免除するこ
とができる。

 第二編第二十二章の章名及び第百七十四条から第百八十二条までを次のように改める。

              かんいん
   第二十二章 わいせつ、姦淫及び重婚の罪

 (公然わいせつ)
第百七十四条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以
下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

 (わいせつ物頒布等)
第百七十五条 わいせつな文書、図画その他の物を頒布し、販売し、又は公然と陳列し
た者は、二年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処する。販売の目
的でこれらの物を所持した者も、同様とする。

 (強制わいせつ)
第百七十六条 十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした
者は、六月以上七年以下の懲役に処する。十三歳未満の男女に対し、わいせつな行為を
した者も、同様とする。

   かん
 (強姦)
                          かんいん
第百七十七条 暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、
二年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

 (準強制わいせつ及び準強姦)
第百七十八条 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは
抗拒不能にさせて、わいせつな行為をし、又は姦淫した者は、前二条の例による。

 (未遂罪)
第百七十九条 前三条の罪の未遂は、罰する。

 (親告罪)
第百八十条 第百七十六条から前条までの罪は、告訴がなけれぱ公訴を提起することが
できない。
2 前項の規定は、二人以上の者が現場において共同して犯した第百七十六条から前条
までの罪については、適用しない。

 (強制わいせつ等致死傷)
第百八十一条 第百七十六条から第百七十九条までの罪を犯し、よって人を死傷させた
者は、無期又は三年以上の懲役に処する。

 (淫行勧誘)
第百八十二条 営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して姦淫させた者は、三年
以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

 第百八十四条を次のように改める。

 (重婚)
第百八十四条 配偶者のある者が重ねて婚姻をしたときは、二年以下の懲役に処する。
その相手方となって婚姻をした者も、同様とする。

 第二編第二十三章から第四十章までを次のように改める。

         
   第二十三章 賭博及び富くじに関する罪

  
 (賭博)
       
第百八十五条 賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時
         
の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。

 (常習賭博及び賭博場開張等図利)
第百八十六条 常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。
2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役
に処する。

 (富くじ発売等)
第百八十七条 富くじを発売した者は、二年以下の懲役又は百五十万円以下の罰金に処
する。
2 富くじ発売の取次ぎをした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
3 前二項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、二十万円以下の罰金又は科
料に処する。

   第二十四章 礼拝所及び墳墓に関する罪

 (礼拝所不敬及び説教等妨害)
        
第百八十八条 神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をした者は、
六月以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
2 説教、礼拝又は葬式を妨害した者は、一年以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下
の罰金に処する。

 (墳墓発掘)
第百八十九条 墳墓を発掘した者は、二年以下の懲役に処する。

 (死体損壊等)
第百九十条 死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した
者は、三年以下の懲役に処する。

 (墳墓発掘死体損壊等)
第百九十一条 第百八十九条の罪を犯して、死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を
損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

 (変死者密葬)
第百九十二条 検視を経ないで変死者を葬った者は、十万円以下の罰金又は科料に処す
る。

   第二十五章 汚職の罪

 (公務員職権濫用)
第百九十三条 公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利
の行使を妨害したときは、二年以下の懲役又は禁錮に処する。

 (特別公務員職権濫用)
第百九十四条 裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者
がその職権を濫用して、人を逮捕し、又は監禁したときは六月以上十年以下の懲役又は
禁錮に処する。

 (特別公務員暴行陵虐)
第百九十五条 裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者
が、その職務を行うに当たり、被告人、被疑者その他の者に対して暴行又は陵辱若しく
は加虐の行為をしたときは、七年以下の懲役又は禁錮に処する。
2 法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者に対して暴行
又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときも、前項と同様とする。

 (特別公務員職権濫用等致死傷)
第百九十六条 前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、
重い刑により処断する。

 (収賄、受託収賄及び事前収賄)
                          
第百九十七条 公務員又は仲裁人が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若
しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。この場合において、請託を受けた
ときは、七年以下の懲役に処する。
2 公務員又は仲裁人になろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、
賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、公務員又は仲裁人となった場
合において、五年以下の懲役に処する。

 (第三者供賄)
第百九十七条の二 公務員又は仲裁人が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄
賂を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処す
る。

 (加重収賄及び事後収賄)
第百九十七条の三 公務員又は仲裁人が前二条の罪を犯し、よって不正な行為をし、又
は相当の行為をしなかったときは、一年以上の有期懲役に処する。
2 公務員又は仲裁人が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかっ
たことに関し、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれ
を供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときも、前項と同様とする。
3 公務員又は仲裁人であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をし
たこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは
約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。

 (あっせん収賄)
第百九十七条の四 公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるよう
に、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、
賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。

 (没収及び追徴)
第百九十七条の五 犯人又は情を知った第三者が収受した賄賂は、没収する。その全部
又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

 (贈賄)
第百九十八条 第百九十七条から第百九十七条の四までに規定する賄賂を供与し、又は
その申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金に処
する。

   第二十六章 殺人の罪

 (殺人)
第百九十九条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは三年以上の懲役に処する。

第二百条 削除

 (予備)
第二百一条 第百九十九条の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に
処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。

 (自殺関与及び同意殺人)
第二百二条 人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくは
その承諾を得て殺した者は,、六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。

 (未遂罪)
第二百三条 第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。

   第二十七章 傷害の罪

 (傷害)
第二百四条 人の身体を傷害した者は、十年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しく
は科料に処する。

 (傷害致死)
第二百五条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、二年以上の有期懲役に処する。

 (現場助勢)
第二百六条 前二条の犯罪が行われるに当たり、現場において勢いを助けた者は、自ら
人を傷害しなくても、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

 (同時傷害の特例)
第二百七条 二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行によ
る傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができない
ときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。

 (暴行)
第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若
しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

 (凶器準備集合及び結集)
第二百八条の二 二人以上の者が他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える
目的で集合した場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って集合し
た者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 前項の場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って人を集合さ
せた者は、三年以下の懲役に処する。

   第二十八章 過失傷害の罪

 (過失傷害)
第二百九条 過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

 (過失致死)
第二百十条 過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。

 (業務上過失致死傷等)
第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役
若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、
同様とする。

   第二十九章 堕胎の罪

 (堕胎)
第二百十二条 妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法により、堕胎したときは、
一年以下の懸役に処する。

 (同意堕胎及び同致死傷)
第二百十三条 女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者は、二年以下の懲
役に処する。よって女子を死傷させた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

 (業務上堕胎及び同致死傷)
第二百十四条 医師、助産婦、薬剤師又は医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、又はそ
の承諾を得て堕胎させたときは、三月以上五年以下の懲役に処する。よって女子を死傷
させたときは、六月以上七年以下の懲役に処する。

 (不同意堕胎)
第二百十五条 女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、六
月以上七年以下の懲役に処する。
2 前項の罪の未遂は、罰する。

 (不同意堕胎致死傷)
第二百十六条 前条の罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、
重い刑により処断する。

   第三十章 遺棄の罪

 (遺棄)
第二百十七条 老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した
者は、一年以下の懲役に処する。

 (保護責任者遺棄等)
第二百十八条 老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれら
の者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲
役に処する。

 (遺棄等致死傷)
第二百十九条 前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、
重い刑により処断する。

   第三十一章 逮捕及び監禁の罪

 (逮捕及び監禁)
第二百二十条 不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上五年以下の懲役に処す
る。

 (逮捕等致死傷)
第二百二十一条 前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、
重い刑により処断する。

   第三十二章 脅迫の罪

 (脅迫)
第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を
脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫し
た者も、前項と同様とする。

 (強要)
第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して
脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した
者は、三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人
に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。

   第三十三章 略取及び誘拐の罪

 (未成年者略取及び誘拐)
第二百二十四条 未成年者を略取し、又は誘拐した者は、三月以上五年以下の懲役に処
する。

 (営利目的等略取及び誘拐)
第二百二十五条 営利、わいせつ又は結婚の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、
一年以上十年以下の懲役に処する。

 (身の代金目的略取等)
第二百二十五条の二 近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂
慮に乗じてその財物を交付させる目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、無期又は三
年以上の懲役に処する。
2 人を賂取し又は誘拐した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮
する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたときも、
前項と同様とする。

 (国外移送目的略取等)
第二百二十六条 日本国外に移送する目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、二年以
上の有期懲役に処する。
2 日本国外に移送する目的で人を売買し、又は略取され、誘拐され、若しくは売買さ
れた者を日本国外に移送した者も、前項と同様とする。

 (被略取者収受等)
第二百二十七条 第二百二十四条、第二百二十五条又は前条の罪を犯した者を幇助する
目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を収受し、蔵匿し、又は隠避させた者
は、三月以上五年以下の懲役に処する。
2 第二百二十五条の二第一項の罪を犯した者を幇助する目的で、略取され又は誘拐さ
れた者を収受し、蔵匿し、又は隠避させた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
3 営利又はわいせつの目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を収受した者
は、六月以上七年以下の懲役に処する。
4 第二百二十五条の二第一項の目的で、略取され又は誘拐された者を収受した者は、
二年以上の有期懲役に処する。略取され又は誘拐された者を収受した者が近親者その他
略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、
又はこれを要求する行為をしたときも、同様とする。

 (未遂罪)
第二百二十八条 第二百二十四条、第二百二十五条、第二百二十五条の二第一項、第二
百二十六条並びに前条第一項から第三項まで及び第四項前段の罪の未遂は、罰する。

 (解放による刑の減軽)
第二百二十八条の二 第二百二十五条の二又は第二百二十七条第二項若しくは第四項の
罪を犯した者が、公訴が提起される前に、略取され又は誘拐された者を安全な場所に解
放したときは、その刑を減軽する。

 (身の代金目的略取等予備)
第二百二十八条の三 第二百二十五条の二第一項の罪を犯す目的で、その予備をした者
は、二年以下の懲役に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減
軽し、又は免除する。

 (親告罪)
第二百二十九条 第二百二十四条の罪、第二百二十五条の罪及びこれらの罪を幇助する
目的で犯した第二百二十七条第一項の罪並びに同条第三項の罪並びにこれらの罪の未遂
罪は、営利の目的による場合を除き、告訴がなければ公訴を提起することができない。
ただし、略取され、誘拐され、又は売買された者が犯人と婚姻をしたときは、婚姻の無
効又は取消しの裁判が確定した後でなければ、告訴の効カがない。

   第三十四章 名誉に対する罪

    
 (名誉毀損)
                      
第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかか
わらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなけれ
ば、罰しない。

 (公共の利害に関する場合の特例)
第二百三十条の二 前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目
的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実である
ことの証明があったときは、これを罰しない。
2 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関
する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
3 前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に蘭する事実に係る場合
には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

 (侮辱)
第二百三十一条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処
する。

 (親告罪)
第二百三十二条 この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
2 告訴をすることができる者が天皇、皇后、太皇太后、皇太后又は皇嗣であるときは
内閣総理大臣が、外国の君主又は大統領であるときはその国の代表者がそれぞれ代わっ
て告訴を行う。

   第三十五章 信用及び業務に対する罪

 (信用毀損及び業務妨害)
第二百三十三条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を段損し、又はそ
の業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 (威力業務妨害)
第二百三十四条 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

 (電子計算機損壊等業務妨害)
第二百三十四条の二 人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記
録を損壊し、若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令
を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又
は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、五年以下の懲役又は百万
円以下の罰金に処する。

   第三十六章 窃盗及び強盗の罪

 (窃盗)
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役に処する。

 (不動産侵奪)
第二百三十五条の二 他人の不動産を侵奪した者は、十年以下の懲役に処する。

 (強盗)
第二百三十六条 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五
年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項
と同様とする。

 (強盗予備)
第二百三十七条 強盗の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処す
る。

 (事後強盗)
第二百三十八条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又
は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

  こん
 (昏酔強盗)
          こん
第二百三十九条 人を昏酔させてその財物を盗取した者は、強盗として論ずる。

 (強盗致死傷)
第二百四十条 強盗が、人を負傷させたときは無期又は七年以上の懲役に処し、死亡さ
せたときは死刑又は無期懲役に処する。

 (強盗強姦及び同致死)
第二百四十一条 強盗が女子を強姦したときは、無期又は七年以上の懲役に処する。よ
って女子を死亡させたときは、死刑又は無期懲役に処する。

 (他人の占有等に係る自己の財物)
第二百四十二条 自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人
が看守するものであるときは、この章の罪については、他人の財物とみなす。

 (未遂罪)
第二百四十三条 第二百三十五条から第二百三十六条まで及び第二百三十八条から第二
百四十一条までの罪の未遂は、罰する。

 (親族間の犯罪に蘭する特例)
第二百四十四条 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二
百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
2 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなけれ
ば公訴を提起することができない。
3 前二項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。

 (電気)
第二百四十五条 この章の罪については、電気は、財物とみなす。

   第三十七章 詐欺及び恐喝の罪

 (詐欺)
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項
と同様とする。

 (電子計算機使用詐欺)
第二百四十六条の二 前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機
に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁
的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理
の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲
役に処する。

 (背任)
第二百四十七条 他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を
図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を
加えたときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 (準詐欺)
第二百四十八条 未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、
又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処
する。

 (恐喝)
第二百四十九条 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項
と同様とする。

 (未遂罪)
第二百五十条 この章の罪の未遂は、罰する。

 (準用)
第二百五十一条 第二百四十二条、第二百四十四条及び第二百四十五条の規定は、この
章の罪について準用する。

   第三十八章 横領の罪

 (横領)
第二百五十二条 自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。
2 自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した
者も、前項と同様とする。

 (業務上横領)
第二百五十三条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処
する。

 (遺失物等横領)
第二百五十四条 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以
下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

 (準用)
第二百五十五条 第二百四十四条の規定は、この章の罪について準用する。

   第三十九章 盗品等に関する罪

 (盗品譲受け等)
第二百五十六条 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償
で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
2 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処
分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。

 (親族等の間の犯罪に関する特例)
第二百五十七条 配偶者との間又は直系血族、同居の親族若しくはこれらの者の配偶者
との間で前条の罪を犯した者は、その刑を免除する。
2 前項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。

   第四十章 毀棄及び隠匿の罪

 (公用文書等毀棄)
第二百五十八条 公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、三月以上七
年以下の懲役に処する。

 (私用文書等毀棄)
第二百五十九条 権利又は義務に関する他人の文書又は電磁的記録を毀棄した者は、五
年以下の懲役に処する。

 (建造物等損壊及び同致死傷)
第二百六十条 他人の建造物又は鑑船を損壊した者は、五年以下の懲役に処する。よっ
て人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

 (器物損壊等)
第二百六十一条 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、
三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

 (自己の物の損壊等)
第二百六十二条 自己の物であっても、差押えを受け、物権を負担し、又は賃貸したも
のを損壊し、又は傷害したときは、前三条の例による。

 (境界損壊)
第二百六十二条の二 境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法に
より、土地の境界を認識することができないようにした者は、五年以下の懲役又は五十
万円以下の罰金に処する。

 (信書隠匿)
第二百六十三条 他人の信書を隠匿した者は、六月以下の懲役若しくは禁錮又は十万円
以下の罰金若しくは科料に処する。

 (親告罪)
第二百六十四条 第二百五十九条、第二百六十一条及び前条の罪は、告訴がなければ公
訴を提起することができない。

   附 則
 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日〈平成7年5月12日〉から起算して二十日を経過した日〈平成7年6月1日〉から施行する。

 (経過措置)
第二条 この法律の施行前にした行為の処罰並びに施行前に確定した裁判の効力及びその執行については、なお従前の例による。ただし、この法律による改正前の刑法第二百条、第二百五条第二項、第二百十八条第二項及び第二百二十条第二項の規定の適用については、この限りでない。
2 
前項の規定にかかわらず、併合罪として処断すべき罪にこの法律の施行前に犯したものと施行後に犯したものがあるときは、この法律による改正後の刑法(以下この条において「新法」という)第十条第十四条第四十五条から第五十条まで及び第五十三条の規定を適用し、一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れる場合において、これらの罪名に触れる行為にこの法律の施行前のものと施行後のものがあるときは、新法第十条及び第五十四条同条第二項において適用する第四十九条第二項を含む。)の規定を適用する。
3 前項の規定により同項に規定する新法の規定を適用した後の刑の加重減軽、刑の執行の猶予その他の主刑の適用に関する処理については、新法の規定を適用する。

 (刑法等の一部を改正する法律の一部改正)
第三条 刑法等の一部を改正する法律(昭和六十二年法律第五十二号)の一部を次のように改正する。

  附則第二項中「改正後の」を削り、「第四条ノ二」を「第四条の二」に改める。

 (鉄道営業法の一部改正)
第四条 鉄道営業法(明治三十三年法律第六十五号)の一部を次のように改正する。

  第三十条ノ二中「告訴ヲ待テ其ノ罪ヲ論ズ」を「告訴アルニ非ザレバ公訴ヲ提起スルコトヲ得ズ」に改める。

 (工場抵当法等の一部改正)
第五条 次に掲げる法律の規定中「告訴ヲ待テ之ヲ論ズ」を「告訴アルニ非ザレバ公訴ヲ提起スルコトヲ得ズ」に改める。
 一 工場抵当法(明治三十八年法律第五十四号)第五十条
 二 弁理士法(大正十年法律第百号)第二十二条第二項
 三 農業動産信用法(昭和八年法律第三十号)第二十条

 (鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律ノ一部改正)
第六条 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(大正七年法律第三十二号)の一部を次のように改正する。

  第二十二条ノ二中「告訴ヲ待チテ之ヲ論ズ」を「告訴アルニ非ザレバ公訴ヲ提起スルコトヲ得ズ」に改める。

 (暴力行為等処罰に関する法律等の一部改正)
第七条 次に掲げる法律の規定中「第四条ノ二」を「第四条の二」に改める。
 一 暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)第一条ノ二第三項
 二 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第七十六条の四
 三 人質による強要行為等の処罰に関する法律(昭和五十三年法律第四十八号)第五条

 (種苗法等の一部改正)
第八条 次に掲げる法律の規定中「告訴をまつて論ずる」を「告訴がなければ公訴を提起することができない」に改める。
 一 種苗法(昭和二十二年法律第百十五号)第十三条第二項
 二 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第五十六条第二項
 三 有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律(昭和二十六年法律第百三十五号)第十三条第二項
 四 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第百九十六条第三項
 五 意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第六十九条第二項
 六 著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第百二十三条第一項
 七 有線テレビジョン放送法(昭和四十七年法律第百十四号)第三十五条第二項
 八 半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和六十年法律第四十三号)第五十一条第二項

 (あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律等の一部改正)
第九条 次に掲げる法律の規定中「告訴を待つて論ずる」を「告訴がなければ公訴を提起することができない」に改める。
 一 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第十三条の五第二項
 二 歯科衛生士法(昭和二十三年法律第二百四号)第十六条第二項
 三 漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第百四十三条第二項
 四 診療放射線技師法(昭和二十六年法律第二百二十六号)第三十三条第二項
 五 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第六十条第二項
 六 道路交通事業抵当法(昭和二十七年法律第二百四号)第二十二条
 七 臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律(昭和三十三年法律第七十六号)第二十一条第二項
 八 実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第五十六条第二項
 九 理学療法士及び作業療法士法(昭和四十年法律第百三十七号)第二十一条第二項
 十 通関業法(昭和四十二年法律第百二十二号)第四十一条第二項
 十一 柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)第二十六条第二項
 十二 視能訓練士法(昭和四十六年法律第六十四号)第二十一条第二項
 十三 技術士法(昭和五十八年法律第二十五号)第五十九条第二項
 十四 外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法(昭和六十一年法律第六十六号)第六十七条第二項
 十五 外国医師又は外国歯科医師が行う臨床修練に係る医師法第十七条及び歯科医師法第十七条の特例等に関する法律(昭和六十二年法律第二十九号)第十九条第二項
 十六 社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六十二年法律第三十号)第五十条第二項
 十七 臨床工学技士法(昭和六十二年法律第六十号)第四十五条第二項
 十八 義肢装具士法(昭和六十二年法律第六十一号)第四十五条第二項

 (公認会計士法の一部改正)
第十条 公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)の一部を次のように改正する。

  第五十二条第二項中「告訴を待つて、これを論ずる」を「告訴がなければ公訴を提起することができない」に改める。

 (刑事訴訟法の一部改正)
第十一条 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。

  第二十八条中「から第四十一条まで」を「又は第四十一条」に改める。
  第三百三十三条第二項中「言渡」を「言渡し」に、「第二十五条ノ二第一項」を「第二十五条の二第一項」に改める。
  第三百四十九条第二項中「第二十六条ノ二第二号」を「第二十六条の二第二号」に、「言渡」を「言渡し」に、「基いて」を「基づいて」に改める。
  第三百四十九条の二第二項中「第二十六条ノ二第二号」を「第二十六条の二第二号」に、「言渡」を「言渡し」に、「取消」を「取消し」に改める。

 (刑事訴訟法の一部改正に伴う経過措置)
第十二条 この法律の施行前に犯したこの法律による改正前の刑法第四十条の規定を適用しない罪に当たる事件については、前条の規定による改正後の刑事訴訟法第二十八条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (性病予防法の一部改正)
第十三条 性病予防法(昭和二十三年法律第百六十七号)の一部を次のように改正する。

  第二十八条第二項中「告訴を待つてこれを論ずる」を「告訴がなければ公訴を提起することができない」に改める。

 (少年法の一部改正)
第十四条 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)の一部を次のように改正する。

  第三十七条第一項第四号中「の罪及び第三十条第一項に関する第六十二条第二項」を「及び第六十二条第二号」に改める。
  第六十五条前段中「刑法第二百条の罪以外の」を削り、同条後段を削る。

 (建設業法等の一部改正)
第十五条 次に掲げる法律の規定中「第二百八条ノ二」を「第二百八条の二」に改める。
 一 建設業法(昭和二十四年法律第百号)第八条第八号
 二 宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第五条第一項第三号の二、第十八条第一項第五号の二及び第五十二条第七号
 三 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第七条第三項第四号
 四 積立式宅地建物販売業法(昭和四十六年法律第百十一号)第六条第六号
 五 有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律(昭和六十一年法律第七十四号)第七条第一項第六号
 六 抵当証券業の規制等に関する法律(昭和六十二年法律第百十四号)第六条第一項第六号
 七 商品投資に係る事業の規制に関する法律(平成三年法律第六十六号)第六条第一項第四号
 八 特定債権等に係る事業の規制に関する法律(平成四年法律第七十七号)第三十三条第一項第五号
 九 不動産特定共同事業法(平成六年法律第七十七号)第六条第六号

 (通訳案内業法の一部改正)
第十六条 通訳案内業法(昭和二十四年法律第二百十号)の一部を次のように改正する。

  第五条の五第三項中「第百九十七条ノ二、第百九十七条ノ三、第百九十七条ノ五」を「第百九十七条の二、第百九十七条の三、第百九十七条の五」に改める。

 (公職選挙法の一部改正)
第十七条 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の一部を次のように改正する。

  第十一条第一項第四号中「第百九十七条《収賄及び事前収賄罪》、第百九十七条ノ
                   おう
二《第三者供賄罪》、第百九十七条ノ三《枉法収賄及び事後収賄罪》又は第百九十七条
ノ四《あつせん収賄罪》」を「第百九十七条《収賄、受託収賄及び事前収賄》、第百九
十七条の二《第三者供賄》、第百九十七条の三《加重収賄及び事後収賄》又は第百九十
七条の四《あつせん収賄》」に改める。
 (破壊活動防止法の一部改正)
第十八条 破壊活動防止法(昭和二十七年法律第二百四十号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一項各号列記以外の部分中「左に」を「次に」に改め、同項第一号中「第七十八条(内乱の予備、陰謀)、第七十九条(内乱等の幇助)」を「第七十八条(予備及び陰謀)、第七十九条(内乱等幇助)」に、「第八十七条(外患誘致及び外患援助の未遂)又は第八十八条(外患誘致及び外患援助の予備、陰謀)」を「第八十七条(未遂罪)又は第八十八条(予備及び陰謀)」に改め、同項第二号中「左に」を「次に」に、「第百六条(騒擾)」を「第百六条(騒乱)」に、「第百八条(現住建造物放火)又は第百九条第一項(非現住建造物放火)」を「第百八条(現住建造物等放火)又は第百九条第一項(非現住建造物等放火)」に、「第百二十五条(汽車、電車等往来危険)」を「第百二十五条(往来危険)」に、「第百二十六条第一項又は第二項(汽車、電車等の顛覆等)」を「第百二十六条第一項又は第二項(汽車転覆等)」に、「第九十五条(公務執行妨害、職務強要)」を「第九十五条(公務執行妨害及び職務強要)」に改める。
  第四十条の見出し中「騒擾」を「騒乱」に改める。

 (執行猶予者保護観察法の一部改正)
第十九条 執行猶予者保護観察法(昭和二十九年法律第五十八号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「第二十五条ノ二第一項」を「第二十五条の二第一項」に、「すみやかな」を「速やかな」に改める。
  第四条中「第二十五条ノ二第一項」を「第二十五条の二第一項」に、「言渡」を「言渡し」に改める。
  第八条第一項中「第二十五条ノ二第二項」を「第二十五条の二第二項」に、「基き」を「基づき」に改める。
  第九条中「言渡」を「言渡し」に、「第二十六条ノ二第二号」を「第二十六条の二第二号」に改める。

 (売春防止法の一部改正)
第二十条 売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)の一部を次のように改正する。

  第十九条中「第二十五条ノ二第一項」を「第二十五条の二第一項」に改める。

 (新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法の一部改正)
第二十一条 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五十三年法律第四十二号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項第一号を次のように改める。

  一 刑法(明治四十年法律第四十五号)第九十五条(公務執行妨害及び職務強要)、第百六条(騒乱)、第百八条(現住建造物等放火)、第百九条第一項(非現住建造物等放火)、第百十条第一項(建造物等以外放火)、第百十七条第一項(激発物破裂)、第百二十五条第一項(往来危険)、第百二十六条第一項(汽車転覆等)、第百三十条(住居侵入等)、第百四十二条から第百四十四条まで(浄水汚染、水道汚染、浄水毒物等混入)、第百四十六条(水道毒物等混入及び同致死)、第百四十七条(水道損壊及び閉塞)、第百九十九条(殺人)、第二百八条の二(凶器準備集合及び結集)、第二百二十条(逮捕及び監禁)、第二百三十四条(威力業務妨害)、第二百三十四条の二(電子計算機損壊等業務妨害)、第二百六十条(建造物等損壊及び同致死傷)又は第二百六十一条(器物損壊等)に規定する行為

 (民事執行法の一部改正)
第二十二条 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)の一部を次のように改正する。

  第六十五条第三号中「第九十六条ノ三」を「第九十六条の三」に、「第百九十七条ノ四」を「第百九十七条の四」に改める。

 (犯罪被害者等給付金支給法の一部改正)
第二十三条 犯罪被害者等給付金支給法(昭和五十五年法律第三十六号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項中「、第四十条」を削る。

 (救急救命士法の一部改正)
第二十四条 救急救命士法(平成三年法律第三十六号)の一部を次のように改正する。

  第五十二条第二項中「告訴を待って論ずる」を「告訴がなければ公訴を提起することができない」に改める。

 (薬事法の一部を改正する法律の一部改正)
第二十五条 薬事法の一部を改正する法律(平成六年法律第五十号)の一部を次のように改正する。

  第八十七条に一項を加える改正規定中「告訴を待つて論ずる」を「告訴がなければ公訴を提起することができない」に改める。

内閣総理大臣 村山 富市   
  法務大臣 前田 勲男
  大蔵大臣 武村 正義
  文部大臣 与謝野 馨
  厚生大臣 井出 正一
農林水産大臣 大河原太一郎
通商産業大臣 橋本龍太郎
  運輸大臣 亀井 静香
  郵政大臣 大出  俊
  建設大臣 野坂 浩賢
  自治大臣 野中 広務


〈本法令による改正法令〉
  ・刑法(明治40年4月24日法律第45号)
  ・刑法等の一部を改正する法律(昭和62年法律第52号)
  ・鉄道営業法(明治33年法律第65号)
  ・工場抵当法(明治38年法律第54号)
  ・弁理士法(大正10年法律第100号)
  ・農業動産信用法(昭和8年法律第30号)
  ・鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(大正7年法律第32号)
  ・暴力行為等処罰に関する法律(大正15年法律第60号)
  ・核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)
  ・人質による強要行為等の処罰に関する法律(昭和53年法律第48号)
  ・種苗法(昭和22年法律第115号)
  ・放送法(昭和25年法律第132号)
  ・有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律(昭和26年法律第135号)
  ・特許法(昭和34年法律第121号)
  ・意匠法(昭和34年法律第125号)
  ・著作権法(昭和45年法律第48号)
  ・有線テレビジョン放送法(昭和47年法律第114号)
  ・半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和60年法律第43号)
  ・あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和22年法律第217号)
  ・歯科衛生士法(昭和23年法律第204号)
  ・漁業法(昭和24年法律第267号)
  ・診療放射線技師法(昭和26年法律第226号)
  ・税理士法(昭和26年法律第237号)
  ・道路交通事業抵当法(昭和27年法律第204号)
  ・臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律(昭和33年法律第76号)
  ・実用新案法(昭和34年法律第123号)
  ・理学療法士及び作業療法士法(昭和40年法律第137号)
  ・通関業法(昭和42年法律第122号)
  ・柔道整復師法(昭和45年法律第19号)
  ・視能訓練士法(昭和46年法律第64号)
  ・技術士法(昭和58年法律第25号)
  ・外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法(昭和61年法律第66号)
  ・外国医師又は外国歯科医師が行う臨床修練に係る医師法第十七条及び歯科医師法第十七条の特例等に関する法律(昭和62年法律第29号)
  ・社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)
  ・臨床工学技士法(昭和62年法律第60号)
  ・義肢装具士法(昭和62年法律第61号)
  ・公認会計士法(昭和23年法律第103号)
  ・刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)
  ・性病予防法(昭和23年法律第167号)
  ・少年法(昭和23年法律第168号)
  ・建設業法(昭和24年法律第100号)
  ・宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)
  ・廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)
  ・積立式宅地建物販売業法(昭和46年法律第111号)
  ・有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律(昭和61年法律第74号)
  ・抵当証券業の規制等に関する法律(昭和62年法律第114号)
  ・商品投資に係る事業の規制に関する法律(平成3年法律第66号)
  ・特定債権等に係る事業の規制に関する法律(平成4年法律第77号)
  ・不動産特定共同事業法(平成6年法律第77号)
  ・通訳案内業法(昭和24年法律第210号)
  ・公職選挙法(昭和25年法律第100号)
  ・破壊活動防止法(昭和27年法律第240号)
  ・執行猶予者保護観察法(昭和29年法律第58号)
  ・売春防止法(昭和31年法律第118号)
  ・新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和53年法律第42号)
  ・民事執行法(昭和54年法律第4号)
  ・犯罪被害者等給付金支給法(昭和55年法律第36号)
  ・救急救命士法(平成3年法律第36号)
  ・薬事法の一部を改正する法律(平成6年法律第50号)

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