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Last Update = 2021.2.15
特典航空券の概要 − 旅行記・ANA提携航空会社特典航空券で行く6か国10区間周遊の旅2019 −

 今回の旅行では、ANAのマイルで交換できる提携航空会社特典航空券のルールを最大限に活用し、日本からタイ王国への往復1回分の必要マイルのみで実質的に海外2往復の旅行を実現した上、10区間を搭乗して合計6か国・地域(+陸路で3か国・地域)を周遊することができました。せっかくなので、その時に発券した特典航空券の概要を記しておきたいと思います。

きっかけ
搭乗区間
発券のルール

きっかけ

 実は筆者は、飛行機に乗る機会がほとんどなく(そもそも余り飛行機が好きではなかったので)、いわゆるおかマイラーでもありませんでした。各航空会社のマイレージカードは一応持っていますが、たまに飛行機に乗ったとしても特典航空券に引き換えられるほどのマイルがたまることもなく、いつの間にか失効しているという有り様だったのです。
 たまたま2017年の夏休みに皆既日食を観るためにアメリカ合衆国オレゴン州に往復した時にもらったマイルがそれなりにたまっていたのですが、特に使う機会もなく、このままでは有効期間の3年間を徒過して失効させてしまいそうなのと、一度で良いから特典航空券で飛行機に乗ってみたいと思っていたので、特典航空券について調べ始めてみました。
 しかし、期待とは裏腹に、そのマイル数だけではせいぜい国内近距離の片道分しか搭乗できないことが判明。そもそもの動機が“一度で良いから特典航空券で飛行機に乗ってみたい”というだけなので、復路の航空券を自腹で購入する気にはなれません。
 そんな折、メインで使っていたクレジットカードのマイル交換プログラムが変更となるという話を耳にしました。ポイントをマイルに交換できる1年間の上限が少なくなってしまうというのです。更に調べてみると、これまでにたまっていたクレジットカードのポイントを全てマイルに交換すれば、それなりに海外にも往復できそうだということが分かり、かろうじてファーストクラスにも乗れるかもしれないということも分かりました。しかし、上限が少なくなってしまうと、もうファーストクラスに乗ることなど夢のまた夢になってしまうかもしれません。
 “どうせなら一生に一度くらいはファーストクラスに乗ってみたい”という野望も湧いてきました。ファーストクラスを狙うからには、それなりの距離の路線でなくてはそもそもファーストクラスの設定がありません。しかし、ファーストクラスで長距離を乗るにはマイルが到底足りません。そこで、最も必要マイル数が少なくて何とか手が届きそうな羽田/関西空港−バンコク間を目標として設定しました。
 そして、単に往復するだけではつまらないので、タイ国際航空の往復でそれぞれ別の機体に搭乗してみることにするとともに、ANA提携航空会社特典航空券のルールを最大限に活用して寄り道をすることにしたのです。

搭乗区間


旅程
2019.8.2110:30東京・羽田(HND)11:30小松(KMQ)ANA753別切り
12019.8.2119:30小松(KMQ)21:50台北・桃園(TPE)エバー航空BR157往路
22019.8.2208:10台北・桃園(TPE)11:20福岡(FUK)エバー航空BR106往路
32019.8.2214:50福岡(FUK)16:20ソウル・仁川(ICN)アシアナ航空OZ133往路
42019.8.2307:55ソウル・仁川(ICN)09:40大阪・関西(KIX)アシアナ航空OZ112往路
52019.8.2311:45大阪・関西(KIX)15:35バンコク(BKK)タイ国際航空TG623往路
62019.8.3113:00バンコク(BKK)21:10東京・羽田(HND)タイ国際航空TG660復路
72019.9.2110:00東京・成田(NRT)13:40香港(HKG)ANA NH809復路
82019.9.2213:40深圳シンセン(SZX)15:20プノンペン(PNH)深圳シンセン航空ZH9045復路
92019.9.2222:50プノンペン(PNH)07:00東京・成田(NRT)ANA NH818復路
102019.9.2310:00東京・成田(NRT)11:05仙台(SDJ)ANA NH3231復路
2019.9.2317:30仙台(SDJ)18:30東京・成田(NRT)ANA3134別切り


発券のルール

ANA提携航空会社特典航空券の主なルールは、次のとおりです。

■対象便

スターアライアンス加盟航空会社運航便をご利用になれます。各航空会社の自由な組み合わせが可能です。
 
ANA[NH]エーゲ航空[A3]エアカナダ[AC]中国国際航空[CA]エアインディア[AI]ニュージーランド航空[NZ]
アシアナ航空[OZ]オーストリア航空[OS]アビアンカ航空[AV]ブリュッセル航空[SN]コパ航空[CM]クロアチア航空[OU]
エジプト航空[MS]エチオピア航空[ET]エバー航空[BR]LOTポーランド航空[LO]ルフトハンザドイツ航空[LH]スカンジナビア航空[SK]
シンセン航空[ZH]シンガポール航空[SQ]南アフリカ航空[SA]スイス インターナショナル エア ラインズ[LX]TAPポルトガル航空[TP]タイ国際航空[TG]
ターキッシュ エアラインズ[TK]ユナイテッド航空[UA]
 

 ANA提携航空会社特典航空券を発券するには、スターアライアンス加盟航空会社運航便の区間を一筆書きになるように組み合わせて旅程を作る必要があります。
 旅程には、ANA以外のスターアライアンス加盟航空会社の運航便を含んでいなくてはなりません(ANA運航便のみの組み合わせの場合は「ANA国内線特典航空券」や「ANA国際線特典航空券」となるので「ANA提携航空会社特典航空券」とは異なるルールが適用されます。)。
 (なお、ここでは割愛しますが、スターアライアンス加盟航空会社以外のANA提携航空会社の運航便を利用することもできます。ただし、その場合は他の航空会社と組み合わせることはできず、その航空会社の運航便のみで旅程を作る必要があります。)
 この旅行では、試行錯誤の末、ANA、エバー航空、アシアナ航空、タイ国際航空、深圳シンセン航空の5社の運航便を組み合わせる結果となりました。

■必要マイル数

往復15,000マイルよりご利用になれます。
※片道ではご利用になれません。
※シーズンによる必要マイル数の変動はありません。

【ゾーン区分】
 
発着地対象地域
日本(Zone 1-A、1-B)日本
韓国(Zone 2)韓国
アジア1(Zone 3)グアム、台湾中国大陸、フィリピン、香港、マカオ
アジア2(Zone 4)アフガニスタン、イギリス領インド洋地域、インド、インドネシア、ウズベキスタン、カザフスタン、カンボジア、キルギス、シンガポール、スリランカ、タイ、タジキスタン、トルクメニスタン、ネパール、パキスタン、バングラディッシュ、東ティモール、ブータン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、モルディブ、モンゴル、ラオス
 

【必要マイルチャート】(単位=マイル/往復)
【利用クラス】Y(エコノミークラス)、C(ビジネスクラス)、F(ファーストクラス)
 
発着地利用クラス目的地
韓国(Zone 2)アジア1(Zone 3)アジア2(Zone 4)
日本(Zone 1-B)Y18,00023,00038,000
C33,00043,00063,000
F54,00069,000114,000
 

 筆者がこの旅程を組む時に保有していたマイレージは、クレジットカードのマイル交換プログラムで交換したマイルと合わせて12万マイル余りでした。
 この12万マイル余りで行ける範囲内で特典航空券のルールを最大限活用した旅程を組むこととしたのです。
 まず、この旅程の出発地である日本は2つのゾーン区分が設定されています。Zone1-Aが適用されるのは「国際線は往復2区間のみの旅程、または国際線往復2区間に加え日本国内でのみ乗り継ぎしている旅程」と規定されており、それ以外の場合やZone1-Aの設定がない場合はZone1-Bが適用されます。この旅程では、ルールを最大限活用して国際線でも乗継ぎをしまくるため、Zone1-Aが適用される余地はなく、Zone1-Bが適用されることになります。
 次に、この旅程の目的地はタイ王国となるので、アジア2のZone4の必要マイルが適用されます。
 この旅程では、日本−タイ王国間の往復ともファーストクラスを利用したので、必要マイル数は11万4000マイルでした(エコノミークラスならば往復の必要マイル数は3万8000マイルです。)。
 この必要マイル数は、単純に往復しても、10区間の乗継ぎをしても同じですから、この旅行では、せっかくなので10区間を乗継ぎすることにしました。別途燃油特別付加運賃、空港税、旅客施設使用料などを支払う必要があるので単純な比較は難しいかもしれませんが、必要マイル数だけを考えれば、乗継ぎを上手に利用して旅行先を増やすことができるのはとてもお得だと思います。

■有効期間

旅行開始日から1年間(発券から1年以内に旅行を開始することが必要です)

 この旅程の航空券は2019年7月10日に発券しましたので、もし仮に旅程を変更する場合でも、発券から1年以内の2020年7月9日までに旅行を開始することが必要です。旅行開始日は2019年8月21日ですので、旅行開始日から1年以内の2020年8月20日までに旅行を終える必要があります。
 途中降機(ストップオーバー)を利用すれば、旅程の途中で24時間を超える滞在ができるので、理屈上は2020年8月20日近くに旅行を再開して2020年8月20日に復路の目的地に到着するような旅程を組むことも可能ですし、特典をより限界まで活用してみるためにそのようなぎりぎりの日程を組んでみたいという思いもあったのですが、ぎりぎりの時期にうまく休暇が取れるかどうか分かりませんでしたし、万が一にも突然の天候不良などで欠航になってしまうと代替の日程を取ることができなくなってアウトなので、余裕を持って2019年9月の3連休に旅行を終えられるように日程を組みました。現実の問題として、2020年は新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響で海外旅行どころではなくなりましたので、早めに旅行を終えるというこの判断は正解でした。

■旅程

1.出発地からの必要マイル数が最も高い地点を目的地とします。
 →今回の旅行の目的地はタイ王国ですが、寄り道をして乗継をしまくろうと計画しているわけなので、タイ王国以外の他の乗継地点が目的地として判定されてしまわないようにするため、日本からタイ王国までの必要マイル数が日本からタイ王国以外の他の乗継地点までの必要マイル数よりも高くなるように旅程を組む必要があります。ちなみに、上記の必要マイルチャートによれば、訪問する6か国の中では日本(Zone 1-B)からの必要マイル数が最も高い「アジア2(Zone 4)」に属するカンボジアかタイ王国が目的地になるはずであるところ、必要マイル数が同じ地点が複数ある場合のルールについての明示はないのですが、試行錯誤の結果からすると、どうやら同じゾーンの中でも出発地から最も遠方にある地点の方が目的地として扱われるようです。

2.往路・復路それぞれの最初の都市、または最後の都市を経由するような経路となる地点を目的地にすることはできません。
 →筆者は東京在住ですので、出発地(往路の最初の都市)と最終帰着地(復路の最後の都市)を東京(羽田(HND)又は成田(NRT))にするのが最も便利ですが、そうすると東京を経由する経路を設定することができません。今回の旅行では、2019年8月31日に一旦東京(羽田(HND))に戻ってストップオーバー(途中降機)し、2019年9月21日に東京(成田(NRT))から旅行を再開していますが、そのような旅行をしたいのであれば、出発地(往路の最初の都市)と最終帰着地(復路の最後の都市)を東京以外の都市にする必要があります。そこで、今回の旅行では、試行錯誤の結果、出発地(往路の最初の都市)を小松(KMQ)として最終帰着地(復路の最後の都市)を仙台(SDJ)とする経路を考えて、東京から小松までの間と仙台から東京までの間は別切り(別の航空券)で手配することにしました。また、同様に、目的地(往路の最後の都市及び復路の最初の都市)であるバンコク(BKK)をもう一度経由する経路を設定することはできません。逆に、どうやら最初の都市又は最後の都市にさえならなければ同じ都市を複数回経由しても問題ないようで、今回の旅行では東京を2度経由しています。

3.乗り換え地点には、制限があります。(世界一周の旅程は除く)
  各エリアの区分
エリア 1北米・中米・南米、ハワイなど
エリア 2欧州、中東、アフリカ、ロシア(ウラル山脈以西)など
エリア 3日本韓国中国東南アジア、南アジア、南西太平洋、ロシア(ウラル山脈以東)など
各エリアごとの乗り換え制限のある地点
エリア目的地エリア1目的地エリア2目的地エリア3
出発地エリア1エリア2、エリア3エリア3エリア2
出発地エリア2エリア3エリア1、エリア3エリア1
出発地エリア3エリア2エリア1エリア1、エリア2
 →今回の旅行は出発地(日本)と目的地(タイ)がエリア3にあるので、経由地も全てエリア3となるように旅程を組む必要がありますし、結果的に全てエリア3で乗継ぎをしています。

4.出発地からの必要マイル数がより高いゾーンの都市を乗り換え地点にすることはできません。
また、乗り換え地点から目的地までの必要マイル数が出発地から目的地の必要マイル数を上回るような乗り換えはできません。
 →出発地日本(Zone 1-B)から目的地タイ(Zone 4)までより高い必要マイル数のゾーンの都市、例えば、ハワイ(Zone 5)を乗り換え地点とする旅程を組むことはできません。また、目的地タイ(Zone 4)より近い地点であったとしても、そこから目的地タイ(Zone 4)までの必要マイル数が出発地日本(Zone 1-B)から目的地タイ(Zone 4)までの必要マイル数を上回る地点を乗り換え地点とする旅程を組むことはできません。

5.出発地と最終帰着地が異なる場合、同一国内であることが必要です。
 →いわゆるオープンジョーといわれるもので、すなわち同一国内でさえあれば出発地と最終帰着地を異なる地点にすることが可能です。そこで、出発地を小松(KMQ)とし、最終帰着地を仙台(SDJ)としました。

6.往路到着地と復路出発地が異なる場合、同一エリア内であることが必要です。
 →すなわち同一エリア内でさえあれば往路到着地と復路出発地を異なる地点にすることが可能ですが、今回の旅行では、往路到着地と復路出発地はどちらもバンコク(BKK)としたので、このルールは活用に至りませんでした。

7.往路到着地と復路出発地が異なるゾーンになる場合、必要マイル数は各ゾーンで必要とされるマイル数の2分の1の合算になります。
 →往路到着地と復路出発地は、どちらもバンコク(BKK)としたので、このルールは活用に至りませんでした。

途中降機・乗り換え
途中降機(24時間を超える滞在)
日本発・海外発ともに途中降機は、目的地以外に往路・復路いずれかで1回可能です。

乗り換え
日本国内で往路・復路各2回まで可能です。さらに、日本以外で往路・復路各2回まで可能です。

目的地は乗り換えの回数に含みません。
地上移動区間がある場合は、両端の都市を合わせて1回のお乗り換えと数えます。
途中降機は乗り継ぎ回数に含まれます。
 →乗り換えが往路と復路とで日本国内と海外とで各2回ずつでき、そのうち1回は24時間を超える途中降機ができますので、今回はこのルールを最大限活用しました。まず往路には、小松(KMQ)を出発した後、台北・桃園(TPE)→福岡(FUK)→ソウル・仁川(ICN)→大阪・関西(KIX)の順に国内と海外で2回ずつ24時間以内の乗継をしてからバンコク(BKK)に向かいました。復路には、バンコク(BKK)から東京・羽田(HND)に向かい、ここで24時間を超える途中降機(ストップオーバー)を活用して一旦帰宅しました。そして、3週間後に旅を再開し、東京・成田(NRT)→香港(HKG)/深圳シンセン(SZX)→プノンペン(PNH)→東京・成田(NRT)の順に国内と海外で2回ずつ24時間以内の乗継をしてから仙台(SDJ)に向かい、実質的に2回目の海外旅行を果たしました。なお、このうち、東京・羽田(HND)/東京・成田(NRT)、香港(HKG)/深圳シンセン(SZX)、仙台(SDJ)/小松(KMQ)の3つは地上移動区間(オープンジョー)となり、両端の都市は乗換えの計算上は1つの都市として扱われています。また、香港(HKG)/深圳シンセン(SZX)での乗継はぴったり24時間ですので、まさに24時間以内の乗継というルールをぎりぎり活用したことになりました。



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