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3.画用紙一枚でシャープに結像&シーイング改善


シーイングとシンチレーションの言葉の意味ですが、私自身は以下のように使っています。
シンチレーション =大気の揺らぎ、温度差、気流の流れ、などによる光の屈折、散乱、影響。
シーイング =シンチレーションや筒内気流や地面からの放射熱や霧や水蒸気や塵などの
        すべての影響を受けた結果の光の透明度、屈折、散乱、減衰、などの影響。
これら言葉は人によって少し使い方が違うようです。

さて、開口面積が大きくなると、光が通ってくる空気も増えるわけです。
したがって、口径が大きくなるほど、シーイングの影響が大きくなります。
シーイングが悪い時は、30Cm口径より20Cm口径のほうが、惑星などの高倍率観測では
良像を獲ることが出来ました。

こんな時、開口面積を小さくしてやれば、シーイングの影響を減らすことが出来ます。
対物レンズ或は主鏡の前に、外側から半径で20パーセントほど隠す黒いドーナッツ板を
置きます

これにより、フル口径より像が安定します。
そして暗くなり、最微光星は見えなくなるかもしれません。
筒内反射が少なくなりコントラストがアップする場合もあります。
光学系の周辺部は精度が悪い場合もあり、そういった場合はシャーネスが増す
かもしれません。

C8で試しましたが、悪シーイング時の木星土星を見た場合、口径を絞ったほうが、
明らかにユラユラが減って、縞やカッシーニがハッキリしてきました。
口径を絞ると、分解能も落ち、回折リングも強くなるものですが、こういう状況下では、
それ以上にシーイング改善メリットのほうが大きかったです。

ニュートンなど、中央遮蔽のある鏡筒では、中央遮蔽部を外して口径の30%ほどの穴を
開けたマスクを使うことがあります。光路中に遮蔽物が無くなり、屈折望遠鏡のような星像を
結ばせることが出来ます。(回折リングが薄く、コントラストが良い)

と、いうことで、大口径ひとつあれば、あるときは大口径としてあるときは小口径として、
使いわけることが出来るのです。


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