LIPS(Local Intercept&Pursuit Service)

第1話 奇襲作戦

 <あたしがいつも考えてることが何か教えてあげよっか?「なぜ今ここにいるの?なぜここにいなければならないの?」ってこと。
でもその答えはいつもこう「それは他に居場所がないから...」なの。
 で、今私がいるのはジャングルの中。正確には中米グアテマラの場所ははっきり教えられないけどある場所。で、今は乗り物の中。
乗り物と言っても車とか列車の類じゃないよ。ん〜なんて説明すればいいかなぁ...。人の形をした一応 ManuverDevice (マヌー
バー・デバイス)って名前のついたロボットみたいなの。身長は6メートルで体重はえ〜っと...忘れちゃった。とにかくお人形さん。
 今は椅子に座って操縦桿(ボタンがいっぱいついてる)を握ってじっとしてるだけ。外は摂氏35度を超えてるし湿度は考えるだけでも
イヤになりそうだけど中は快適。着てるこのレオタードみたいなスーツのお陰で気分は悪くない。
 あ、そうそう。あたしの名前まだ言ってなかったね。あたしはアルマ・ランドール。一応女の子。年齢は13歳。趣味は...別にどう
でもいいわね。
 あ〜はやく来ないかなぁ〜ってイケメンの彼氏とデートならまだしもフルブライト将軍とかいうおじさんのヘリコ(ヘリコプターのこと
ね)が来るのをもう2時間も待ってる。ほんとならもうサヨナラって感じだけどぉ。>

 ”レーダー ホソク KA−50ウェアウルフ キョリ 10000 ”

 <きたきた。さてとぉ、お仕事しなきゃ。>

 ”サクセン カイシ ”

 <まだ正面右のレーダーのCRTモニターでは識別信号の光点でしかないわねぇ。>
「正面に映像拡大して」
 言葉を言い終わらないうちに正面の一番大きな画面にKA−50の映像が映し出される。
 <何これ?ワンちゃん?ワニかな?とにかく変な顔ぉ>
 二重反転ローターを持つこの戦闘ヘリはKAシリーズの中においては異質の形をしている。