ご質問 矯正治療は痛いですか?
お答え 歯科矯正治療は歯を骨(歯槽骨)の中で動かす治療です。歯が動くためには歯の周りの骨が一度溶けて、スキマができる必要があります。この理屈は、歯科矯正治療の基本的で重要なポイントです。強すぎる力では歯が抜けてしまいます。歯が抜けないぐらいの 弱い力で、ゆっくりと歯を動かしてゆくのが歯科矯正治療なのです。
ブラケット(歯についている金具)に細いワイヤーを入れて、歯に力をかけます。左の図ですと、歯に後ろへ動くように力をかけておりますが、図の赤い部分が圧迫側(ギューッと押される部分)になります。力がかかると、骨を溶かす物質が出てきます。 |
骨が溶ける時には、いろいろな物質が体の中で作られるわけですが、この物質は残念なことに痛みの元になる物質でもあるのです。
具体的には発痛物質(サブスタンスP、ブラジキニン、セロトニン、ヒスタミン等)や発痛増強物質(プロスタグランジン等)を生じ、痛みの神経終末を刺激し、痛みが発生します。なお、この発痛物質が破骨細胞(骨を溶かす細胞)を呼び寄せる働きがあります。
痛みは、「痛み止めという薬で止めることができます。薬というものは、飲まずに済ませれば一番良いと思いますが、人間の力でコントロールできるものであれば、堂々と使用しても良いと考えます。矯正治療による痛みは、薬を使うことによってコントロールできます。
痛みの程度は、一人一人違いますから、矯正専門医でご相談ください。一般的に,成長期の子どもは軽い痛みですむようです。成長の止まった骨の硬い成人では痛みが強くなるようです。
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