ご質問 矯正治療の進め方


お答え  矯正治療は大きく分けて、2つの段階があります。

 私は、「第一段階で、土台を作って、第二段階で家を建てる。」と説明します。土台が斜めだったら、その上に建つ家も斜めになってしまします。矯正治療の場合は、顎の骨が土台となるわけですが、これがくるっていたら、良い歯並びを作るのは非常に難しくなります。

 始める時期をよく質問されますが、私個人は乳歯列の矯正は賛成できません。多くの場合、幼児では治療への協力が得られないからです。「何も分からない時期だから、親が決めて、やらせれば良い。」という人がおりますが、治療を納得していない子供に矯正装置を入れるのは拷問以外の何者でもありませんので、お断りしております。

☆第1段階(第1期治療)
 これは、第2期治療を楽にするか、第2期治療の必要をなくすために行うものです。具体的には、

1)上下の顎関係の異常を治したり、
2)悪習癖を除去したり、
3)歯のはえる場所を広げたり、
です。


☆第2段階(第2期治療)
 個々の歯を咬めるように移動してゆく治療です。多くの場合、ブラケット(ブレース)を装着し、必要であれば抜歯も行われます。

 治療意欲の問題に関しては、お子さんとご相談下さい。本人が嫌だったら、やめたほうが良いと思います。

 永久歯の抜歯については、必要性の説明が必ずありますから、納得されなければ、そこで拒否することも可能です。縄文人と現代人の下顎骨を比べてみれば、顎が小さくなっているのは明らかです。歯の大きさは栄養状態の改善のためか、大きくなっております。「歯を抜かないで治して欲しい!」とよく言われますが、無理なものは無理です。無理な治療は、後戻り(もとの状態に戻る)の原因になります。


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