ご質問 学会認定医について


 お答え 日本矯正歯科学会では、学会が責任を持って申請者を審査して学会認定医の資格を与えております。

 認定になるためには、学会の指定した教育機関(歯学部のある大学の歯科矯正学教室)に5年以上在籍し、論文を最低1編書かなくてはなりません。マルチブラケット法の治療では、最初の1年目に基礎的なトレーニングや歯科矯正治療の基礎知識を学び、その後の2年間は患者さんで実際の治療をし、さらに2年間後戻があるかどうか見る必要がありますから、都合最低5年の年月が必要になるわけです。

 論文を書くためには、歯科矯正において研究しないと書けません。論文を書くと言うことは、

1)まず、研究する内容(テーマ)を考える。 既に研究され論文になっていたら、オリジナルな研究になりません。多くの場合、教授が考えてくれます。

2)研究方法を考え、資料を集める。

 臨床研究なら、症例を集めなくてはいけません。偏りが無いかどうかなど、考えながらやります。基礎分野なら、ラットなどの実験動物を用いて資料を作ります。

3)分析

 データを揃え、分析します。

4)結果

 分析したモノを結果としてまとめます。

4)考察

 出た結果が妥当なモノであるか、そうでないか、昔の論文を読んで検討を加えます。

5)結論

 最後に、自分の仮説なり、発見が正しいかどうか、判断します。

※上記の内容の他に、論文の内容をまとめを400〜800字にまとめた和文抄録、英語文抄録も書きます。英文抄録を書くためには英語も勉強しないといけません。

 

 論文を書いたら、学会に提出して、査読を受けます。要は、学会のお墨付きが付いて、初めて世の中に認められるわけです。(書けば良いというモノでは無い。)

 あと症例報告も必要です。自分で治した症例を学会に認めて貰わないといけません。

 論文、在籍証明書、症例報告が揃ったところで、学会に認定審査の申請をします。症例報告では口頭諮問もあります。

☆5年ごとに更新手続きが必要です。

 1回認定医になったら、それで尾張で無く、5年に1回症例報告をしなくてはいけません。また、年1回開催される学会総会に出席しなくてはいけません。学会は北は札幌から南は鹿児島まで各地で開かれますから、その旅費滞在費も含めて、出費があります。

 

 学会認定医に成って、その資格を維持するためには日々の研鑽が必要であり、お金もかかります。認定になるのも、それで居続けるのも、結構大変です。

 




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