ご質問 口唇裂口蓋裂による咬合異常
お答え 口唇裂口蓋裂は日本人の場合、400〜500人に1人の割合で出生されます。
かなり頻度が高いので、他人事と考えないでください。私個人としては、ハンディキャップとは考えておりません。近眼や鼻が低いと同じく、その子には何ら責任がなく、個性のひとつとして受け入れるべきものだと考えております。現在の医療技術をもってすれば、きれいに治すことが出来ますので、ご安心ください。
口唇裂口蓋裂があるだけでは、歯列不正は起きません。口唇裂口蓋裂の人の場合、上顎骨の前方への成長が悪く、反対咬合になったり、上顎の歯列の横幅が狭くなって、グチャグチャに歯が並んだりします。
この原因は、生まれてくる時に割れていた口唇や口蓋を手術で縫い合わせることに起因します。手術の傷あと(瘢痕、と言います)は、伸び縮みができないもの(組織)ですので、成長によって上顎骨自体が前後左右に大きくなろうとするのに抵抗してしまいます。つまり正常な成長を邪魔するわけですね。
もうひとつの要因としては、上顎骨の大きさが小さいと舌が上に上がれませんから、下あごにはまり込んだような形になり、下あごを前に押し出すようになります。
口唇裂口蓋裂の方の歯科矯正治療は、医療保険が効きます。
低年齢でいらっしゃった場合は、今後の治療内容をお話しますので、お近くの歯科医、矯正専門医でご相談ください。
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