ご質問 歯根吸収について(2005年6月追加)
お答え 歯科矯正治療は、良いことばかりではありません。薬に副作用があるように、手術に事故があるように、歯科矯正治療にもマイナスとなることがあります。治療中の痛みもそのひとつですが、ここにあげる「歯根吸収」もマイナスポイントになります。
1.どうして起こるのか?
諸説ありますが、歯科矯正治療自体が、歯の植わっている歯槽骨という骨を溶かしてから歯を動かす治療でありますから、この歯槽骨が溶ける時に出現する細胞(破骨細胞)が、骨と同じ素材(ハイドキシアパタイト)でできている歯をこわすのでしょう。
歯は、ご存じのように歯冠(外から見えている部分)と歯根(歯ぐきの中に植わっている部分)があります。歯科矯正治療は歯冠の部分に力をかけるわけですが、その3倍ぐらい強い力が歯根の先のほうにかかります。この強い力が問題となる場合が多いようです。
他には、力のかけ方、通院間隔、治療期間、歯槽骨の厚さ、習癖などいろいろな要素があります。
2.どういった場合が、あぶないんでしょう?
治療技術の劣る歯科医の歯科矯正治療(ワイヤーを変えれば治るなんて考えている素人矯正)ではひどくなります。
3.どうしたら防げるでしょう?
企業秘密の部分もありますので、あまり詳しくは書けませんが、人により弱さが違いますので、その状態を十分に診査し、あらかじめ危険度をお話したのち十分に納得されてから治療を開始されるのが良いでしょう。
4.歯根吸収が起きてしまったら。
矯正治療を継続するかどうか、まず決めましょう。メインテナンス(お手入れ)しやすい状態まで歯を移動させた方が良い場合も考えられます。
歯根の状態によって、軽い保定でOKなものから、連結冠のように大変なものまであります。担当医とご相談下さい。
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