ご質問  コンピューターによるシュミレーション(コンピューターによる診断)について


お答え    「バイブル治療」のページでも書きましたが、患者さんをだます手口のひとつにコンピューター診断があります。コンピューターを使った方が高級だったり、すごい!と感じられるからでしょうか?

 現実はそんなことではありません。シュミレーションの場合は、とクターがやっている場合が多いでしょうけど、コンピュータによる分析では歯科衛生士や助手がやっていたりすることが多いようです。確かに、機械的にといいますか、パソコン画面上でポイントを指定してあげるだけで自動的に分析が終わるようにできてますから、誰がやっても同じような結果になるはずです。

 画一的な構造の車の故障箇所を直すのなら、それでも良いかもしれませんが、人間を治すのにそれで良いのでしょうか? パソコンのデータ処理で使われるのは平均値と標準偏差です。正常咬合の人を何人か集めて正常者の平均値を求め、それと患者さんのデータを比較するわけです。車の部品なら6ミリのネジで誤差0.1ミリなんて言うことが可能ですが、人間ではバラツキがおおきいのです。

 人間の身体は車よりも複雑で部品(組織)もたくさんあります。一つ一つの組織のバラツキがあっても全体においてはバランスが取れている場合もあります。(これは車ではあり得ないことです。)

 私としましては、個人個人の患者さんの資料を自分の手で分析し、考えながら診断してゆくのが好きですし、そうするべきだと思ってます。

 まともな矯正専門医なら、コンピューター診断なんてやりません。少なくとも私の知っているl矯正専門医は、そんなもの使いません。大切なのは器械(コンピューター)との対話ではなく、生身の患者さんとの対話ですね。

 シミュレーションに関しては予測ですので、はずれてもOK、仕方がない程度にお考えください。確率の問題だと思います。


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