ご質問  舌側からの歯科矯正治療について


お答え    リンガルアプライアンス、リンガルブラケットと呼ばれるものですね。リンガ

ルとは英語で「舌側」つまり、歯の舌べろ側を意味します。

 この方法の利点は、歯の裏側にあるから見えにくい、という一点だけです。

  あとは、欠点のだけです。

1.やりにくい=術者が治療しにくい。見えにくいんだから、やりにくいですね。治療の第一歩はまずよ〜く観察して現状を把握し、それに対する対応策を考えて処置してゆくわけです。

2.装置が高い=材料代が高いです。ブラケットも道具も。

3.時間がかかる=やりにくいのですから、一回の治療時間が長くなります。そうすると、一回の調節料も表側からやる人よりも多めに頂かないとやっていけませんね。

4.治療期間がかかる=やりにくければ、治療も難しくなるので、治療期間も長くなります。

5.痛い=表よりも痛いです。

6.邪魔=唇よりも舌べろのほうが敏感です。砂粒ひとつを入れてみればわかります。

7.しゃべりにくい=舌べろが当たるとしゃべれませんよ。

8.臼歯部では表につける?=舌側矯正とか言いながら、大臼歯や小臼歯では、表側にブラケットをつけることが多い。なんでか?裏からだと歯のコントロールが難しいからです。

9.力学的に治療が難しい=前歯を下げるときに、臼歯が広がる動きをします。ま、これを防ぐために8であげたように臼歯部に表から装置をつけるわけです。

10.食べにくい=歯の裏側に装置があればしゃべりにくいだけでなく、物もかみにくいですね。

11.歯磨きがしにくい=食べカスがたまりやすく、掃除もしにくいですね。

12.治療の精度が落ちる=よく見えるほうが、術者もよく治せるという理屈です。


 などなど、いくらでも書いてあげるけどな。(^^;)

 とどめの言葉を書かせてもらいます。(笑)

「表からやっても難しい歯科矯正治療を、裏からやったらすんごく難しいんですよ。」

 私の知っている、すくなくとも「まとも」だと思われる歯科矯正専門医で舌側矯正をやっている人はいませんね。


| Q&Aのコーナーに戻る | ホームに戻る |