ご質問 歯科矯正治療の価値
(どうして、歯科矯正治療をするのか?)
お答え いろいろとありますね。
1)まずは健康面でしょう。
古い文献ですが、アメリカのアングルさん(ブラケットの考案者)の講演(1907年)の中で、「歯並びを治すことによって、患者さんの胃腸の調子が良くなった。」というのがあります。口は消化器官の一番最初に位置するものです。咀嚼(噛むこと)ができないと、胃腸への負担が増すのは当然であると考えられます。
叢生(歯並びがでこぼこ)だと、食べカスが溜まりやすくう蝕(むし歯)や歯周炎になりやすい、というのはよく言われることですが、リスク(危険性)の高い低いの問題だと思います。
2)口は咀嚼のほかに発音(構音)に影響を与えます。反対咬合や開咬では正確なタ行の発音ができません。上顎前突では、サ行が漏れますし、タ行もおかしかったりします。
3)機能美というものもあります。よく働く道具は美しいのです。新幹線でも車でも機能的にすぐれたものは、特有の美しさがあります。建築物でも形が整っていると美しく感じますね。
4)美という面から見ると、口元から顎は顔の構成要素の約3分の1を占めます。この部分は、顔の造作にかなりの影響を与えております。出っ歯(上顎前突)であれば、上唇がめくれ上がったり、鼻と高さの差がなかったりします。また、反対咬合では下の唇が突出し、やはり特有の顔立ちとなります。歯科矯正治療ではこのような所も変えることができます。
・まとめ
物事に対する価値観は、人それぞれです。置かれている状況でも変化します。海の上で遭難したら、ダイヤモンドより一口の水のほうが価値があるでしょう?
また、向上心というか、「より良く生きる」ための努力をするかどうかは他人が決めることではないでしょう。本人しだいだと思います。「なぜ勉強するか?」この問題も同じだと思います。親がいくら言ったところで、本人がその気にならないと身に付きません。歯科矯正治療を受けなくても死にません。勉強をしなくても死にません。より良い生活(Quality Of Life)を望むのであれば、それなりの時間と努力が必要だと思います。
| Q&Aのコーナーに戻る | ホームに戻る |