ご質問 連続抜歯(抜去)の利点と欠点


お答え  連続抜歯(抜去)とは、永久歯において予想される叢生、たとえば八重歯(犬歯の低位唇側転位)や小臼歯の舌側転位を、計画的に歯を抜くことにより解消しようするものです。たとえば、上顎の犬歯が八重歯になりそうであったら、乳歯の臼歯を抜いた後、第一小臼歯を抜歯して、犬歯を所定の位置に誘導しようとします。

1)利点

 うまくゆくと、歯科矯正治療が不要になる。

 でも、ほとんどの場合うまくゆきません。隙間が残ったり、歯が捻転(ねじれた状態)したりします。まず、うまくゆくほうが少ないのです。

 矯正専門医であれば、この方法のみでうまくゆかないことを知っておりますので、基本的にはお勧めしません。

2)欠点

 症例としては非常に限られたものしか適応症でないのです。ほとんどないと言っていいぐらいです。たとえば、上顎前突(出っ歯)や反対咬合などの骨格的な異常がある場合は、絶対にやってはいけません。また、骨格的な異常がなくても、歯の大きさの予測をして、顎の大きさを予測して、十分計画を立てて行うべきです。普通の歯医者の思いつきでやられた日には目も当てられません。

 上で、予測と書きましたが、あくまでも予測なので外れても良いように十分な備えをしておくべきです。逆にいうと、十分な備えのない歯医者が手を出すと悲惨な結果になるということです。

 親御さんとしては、「うまくいかないことが非常に多い(うまくゆくほうが少ない)。」ことを十分知っておいてください。

3)基本的には

 私は連続抜歯という手法をお勧めしません。理由は、うまくいかない例がほとんど(99.999%)だからです。うまくいけば、私だって選択しますよ。



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