ご質問:歯並びのチェックはお早めに?


お答え  実際に拝見しないとなんとも言えない部分があります。一般論として、以下に書きます。

 患者さんを囲い込む(ヨソに行かせない)ためには、早めの受診を呼びかけるほうが経営的にはよろしいでしょうね。でも、そこがハズレだったらどうするんでしょう? 

 前歯部反対咬合は、程度のひどいモノなら乳歯の段階で矯正治療の必要性がわかります。しかし、すぐに矯正治療にはいるわけではありません。本人に治療意欲がない場合、矯正治療は拷問となってしまいます。幼稚園児が治療をどれほど理解してくれるでしょうか? 大人だってちゃんと理解するのは難しい話ですよ。治療を始めたとしても、ちゃんと治らないと子供は矯正治療に不信感を持ちます。やるからには結果を出す必要があります。明らかな変化が出るような治療をしないと納得しません。(このへんは大人でも同じですよね。)

 前歯部反対咬合が確定するのは前歯4本がはえた時点です。6〜8歳ぐらいが目安ですね。

 乳歯列反対咬合は自然治癒の確率も結構高いのです。3歳児健診の時点でそうであるかないかはわかりますから、検診時に歯科医師とご相談下さい。ただ、歯科矯正専門医でない場合もありますので、その時は専門医にご相談下さい。「自然治癒の可能性何パーセント。」ぐらいの話はしてくれます。自然治癒の可能性が低い場合は、治療費のお話しがでると思います。

 乳歯列反対でも、臼歯部交叉咬合(奥歯のかみ合わせも反対)ですと、難易度が上がります。乳歯列で手を出した方が良い症例もあると思ってます。当然、本人とよ〜く相談してからですけどね。

 萌出時期があまりに遅いものは、チェックが必要です。以下は目安です。成長発達の個人差で時期は多少ずれます。

   上顎 下顎
中切歯 7〜8歳 6〜7歳
側切歯 7〜8歳 7〜8歳
犬歯 9〜11歳 9〜11歳
第1小臼歯 10歳 10歳
第2小臼歯 10〜12歳 10〜12歳
第1大臼歯 6〜7歳 5〜7歳
第2大臼歯 11〜13歳 11〜13歳

※1年以上遅れるようでしたら、歯医者さんでレントゲン写真を撮ったほうが良いと思います。はえてこない原因としては、先天欠如(生まれながらに歯がない)、萌出方向の異常などがあります。萌出方向の異常に対しては歯牙牽引という歯科矯正治療があります。1


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